換気扇周りのお掃除は大変ですよね。特にシロッコファンを設置されているご家庭は、プロペラファンより取り外しも掃除も難しいため、なかなか簡単にはととりかかれない、年末の大掃除以外は掃除しないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はシロッコファンの取り外し方や汚れの種類別簡単掃除法、掃除の手間を省く汚れにくくする方法についてご紹介します。
目次
シロッコファンとは
最近の新しいキッチンに良く採用されている「シロッコファン」は、昔ながらの「プロペラファン」とは違いダクトを通して排気するため、外壁に面していなくても設置することができます。そのため、キッチン以外にも天井埋め込み型の換気扇や浴室乾燥機にも採用されています。
掃除がしにくい構造のシロッコファン
プロペラファンは単純な構造のため、取り外しもしやすく掃除もしやすいです。それに対して、シロッコファンは構造が難しいため、取り外しもしにくく掃除もしづらいです。
シロッコファンの主な3つの汚れ
キッチンについているシロッコファンは、日頃のお料理に出てくる油を含んだ蒸気と空気中の埃が主な汚れの原因になります。シロッコファンに付着する汚れは「酸性」の汚れになるので、この後紹介する「アルカリ性」の性質を持つ重曹、セスキ炭酸ソーダを使用したお掃除方法が適しています。
油をたっぷり含んだ油煙
料理をする時に出てくる煙を外に排出するために回すのが換気扇の役割です。この油をたっぷり含んだ油煙が原因でシロッコファンにも汚れが付着していきます。
変性油
油煙として蓄積された油汚れが、水あめのようなねっとりとした汚れに変化していきます。それが変性油です。掃除を放置し続けた換気扇からは、水あめのような油が垂れていることもあります。
水あめのように変性油が垂れてきている換気扇のお掃除には、この後紹介する「小麦粉でシロッコファンを掃除する」方法が適しています。まずは垂れている変性油を小麦粉でお掃除してからシロッコファンをはじめましょう。
空気中の埃
空気中に飛散する埃も一緒に換気扇で外に排出されます。ただ、油煙と一緒に埃も換気扇を通るため、油と埃がくっついてギトギトとした油汚れとなってシロッコファンの羽部分や、フィルター部分に付着します。
キッチン以外のトイレや浴室についたシロッコファンだと、油汚れがついていないため埃とカビによる汚れになります。埃汚れのみのシロッコファンにはこの後紹介する「オキシクリーン」を使用した方法が適しています。
シロッコファンの掃除方法
キッチンのシロッコファンは油と埃でギトギトに汚れています。そのため、通常通り食器用洗剤を使用して洗浄するだけでは時間もかかりますし、大量の洗剤を使用しなくてはなりません。おすすめのシロッコファンのお掃除方法は、「浸け置き」洗いになります。浸け置きの時間はかかりますが、就寝前に「浸け置き」をしておけば、翌日には楽に汚れを落とすことができます。
シロッコファン掃除の注意点!
ご家庭のシロッコファンの素材が「アルミ」でできている場合は、重曹などの「アルカリ性」のものを使用すると痛んでしまう可能性があります。その場合は、食器用洗剤で浸け置き掃除する方法を用いましょう。
塗装が剥げてしまい、黒く変色する可能性があります。必ず、ご家庭のシロッコファンの素材を確認してから使用するお掃除方法を選択しましょう。
また、汚れを予防する特殊コーティングがされたシロッコファンもあります。こちらも、重曹などを使用してお掃除するとコーティング剤が剥がれ、余計に汚れがたまりやすくなるので注意が必要です。
シロッコファン掃除の事前準備
シロッコファンを掃除する前に、事故防止のためにブレーカーをおとすか、電源を元から切るようにしてください。シロッコファン掃除には、ゴム手袋、新聞紙、使い古しの歯ブラシを用意しておきましょう。
- 換気扇カバーを取り外し、トイレットペーパーの芯や小さなダンボール片で換気扇周りに付着した油をそぎ落とす
- シロッコファンについている風除けの「ベルマウス」のネジを外して取り外す
- 片方の手でシロッコファンを抑え、真ん中のネジを緩めます。ネジは時計周りに回すと緩みます
シロッコファンが外れない?!
シロッコファンを定期的に掃除しているご家庭は、簡単に外すことができますが、数年放置したシロッコファンは頑固な油汚れでネジが回りにくくなっています。そこでおすすめなのが、「重曹ペースト」です。
シロッコファンが外れない時には、「重曹ペースト」がおすすめ
- 重曹
- オキシクリーン(なくても大丈夫です)
- お湯
- ラップ
- 重曹とオキシクリーンの粉末にお湯を混ぜ合わせる
- ペースト状になったらシロッコファンのネジ周りに塗布して、ラップを巻く
- 10~20分程度放置する
重曹ペーストがネジ部分の油を分解してくれるので、放置後はネジが回しやすくなっています。重曹ペーストは「浸け置き」した後にも頑固にこびりついた汚れを除去するのに使用できます。それでもネジが回らない場合は、ライターを使用してネジ周辺の固まった油を溶かしてみてください。少し危ない方法ですので、十分に注意して行ってください。
シロッコファンの「浸け置き掃除」にはビニール袋がおすすめ
キッチンシンクやバケツにお湯を張って直接浸け置きする方法もありますが、それだと片付けの際シンクやバケツに油汚れがうつってしまい苦労します。
大きめのビニール袋を用意して、その中で浸け置き洗い&洗浄を済ませる方法がおすすめです。ビニール袋だと後々捨てるだけで片付けが終わるのでシンクやバケツを再度洗わなくて済むため便利です。
オキシクリーンでシロッコファンを掃除する
- オキシクリーン3杯分
- 60℃のお湯
- ビニール袋
- ブラシ
- オキシクリーンを60℃のお湯でとかす
- シンクに水を張り(ビニール袋の中にシロッコファンを入れる方法でも大丈夫です)溶かしたオキシクリーンを入れる
- 5~6時間付けおきする
- 付けおきしたシッコロファンを食器用洗剤とブラシを使用しながら磨いていく
- お湯で洗い流す
オキシクリーンは過炭酸ナトリウムが主成分で「酸素系漂白剤」になります。漂白除菌効果があるので、洗濯にも使用することができます。一方重曹はアルカリ剤でお湯を使用した場合に洗浄効果が高くなります。オキシクリーンと重曹は似たものとおもわれがちですが、使用用途が違います。
トイレやお風呂場についたシロッコファンの場合、油による汚れがない代わりにカビ汚れが付着している可能性があります。そのため、オキシクリーンを使用して掃除すれば、除菌効果によりカビ汚れも綺麗に落とすことができます。もちろんキッチンのシロッコファンお掃除にも使うことができます。
重曹でシロッコファンを掃除する
- 重曹
- 40~60℃のお湯
- ビニール袋
- ブラシ
- ビニール袋の中にシロッコファンを入れ、その上から重曹をふりかける
- お湯をビニール袋に入れる
- 5~6時間付けおきする
- 付けおきしたシッコロファンをブラシでこすって洗う
- お湯で洗い流す
重曹に浸け置きしても取り除けなかった油汚れがあったら、シロッコファンが外れない時に作った「重曹ペースト」を使ってこすり磨きするのがおすすめです。
セスキ炭酸ソーダでシロッコファンを掃除する
- セスキ炭酸ソーダ大さじ1
- お湯
- ビニール袋
- ブラシ
- ビニール袋にシロッコファンを入れ、十分な量のお湯を入れる
- セスキ炭酸ソーダをお湯で溶かして、シロッコファンの入ったビニール袋に回し入れる
- 1時間付け置きする(汚れがひどい時には5~6時間付け置きするのがおすすめです)
- 取り出したシロッコファンをブラシでこすって洗う
- お湯で洗い流す
セスキ炭酸ソーダは重曹よりも「強アルカリ性」になります。シロッコファンの汚れがひどい場合には、重曹よりもセスキを使用したお掃除の方が効果を実感しやすいのでおすすめです。また、セスキ炭酸ソーダは、重曹と違い水に溶けやすい性質があるので、水500mlにセスキ炭酸ソーダ小さじ1を溶かした「セスキスプレー」を作り置きしておけば、毎日のコンロ周辺のお掃除や換気扇内部の拭き掃除に使用できます。
食器用洗剤でシロッコファンを掃除する
- 食器用洗剤と水を1:1に薄めたもの
- スプレー容器
- 歯ブラシ
- お湯
- バケツ
- 重石
- レジ袋
- シロッコファンをレジ袋に入れて、水で薄めた食器用洗剤をスプレー容器に入れて吹きかける
- 袋の口を縛り、バケツに袋つめしたシロッコファンとお湯を注ぐ
- シロッコファンが浮いてこないように重石を上に置いて15分程蒸らしていく
- 取り出したシロッコファンを歯ブラシを使用して磨いていく
- お湯で洗い流す
普段使用している食器用洗剤も一手間加えるだけで頑固なシロッコファンの汚れを効果的に落としてくれます。方法としては、全体的に食器用洗剤を吹きかけた後にお湯を注いで蒸し、油汚れを浮かす方法です。ただ、シロッコファンの汚れが「酸性」汚れに対して、普段使用している食器用洗剤はほとんどが「中性」になるので、あまりに頑固な汚れには効果がでにくいです。
市販の食器用洗剤で「ジョイ」は「弱アルカリ性」ですので、もしご自宅にある洗剤が「ジョイ」であれば是非食器用洗剤での浸け置き洗いを試してみてください。
小麦粉でシロッコファンを掃除する
- 小麦粉
- お湯
- ビニール袋
- 油汚れの部分に小麦粉をふりかける
- 30分程度そのまま放置し、小麦粉を落としていく(この時、そのまま流してしまうと詰まりの原因になるので、ある程度はビニール袋に落としてください)
- お湯で洗い流す
小麦粉は消費期限が切れたもの、もう使用しないものを再利用してください。食用の小麦粉がお掃除に使えるが意外に思われるでしょうが、小麦粉が油分を覆ってポロポロ落としやすくなります。
変性油が水あめのように垂れてきている場合は、まず小麦粉を使って簡単に油を拭い取るのがおすすめです。
シロッコファン掃除の強い味方!よりお掃除をしやすくなる秘密道具
シロッコファン掃除の最大の難所が「細かく数の多い羽部分」です。使い古しの歯ブラシでも磨くことはできますが、大人用歯ブラシだと狭い隙間に入りにくく、細かい部分に磨き残しがでてしまいます。そこでおすすめなのが、換気扇掃除専用の掃除用具になります。
- 換気扇ファンブラシ
- シロッコファン用ケレン
- 技職人魂 汚れ削ぎ取り 親方棒
どれも1000円以下で購入できます。これから定期的にシロッコファンをお掃除しようと思われている方は1つ購入しておいても良いかもしれません。
面倒なシロッコファン掃除!シロッコファンを汚れにくくする方法!
一度綺麗に掃除したシロッコファン、どうせなら汚れをつきにくくして、次回のお掃除の時に楽に掃除できるようにしたいですよね。
換気扇フィルターをまめに取り替える
シロッコファンは内側から外側に空気が流れる仕組みなので、シロッコファンの内側が特に汚れがつきやすくなります。油を含んだ空気を換気扇フィルターで少しでもとりのぞくようにすれば、シロッコファンも汚れにくくなります。ただ、フィルターを付ける分換気力は低下してしまうので、目詰まりする前にフィルターはこまめに取り替えましょう。
シロッコファンフィルターを使う
換気扇フィルターの奥にあるシロッコファン自体にフィルターを付けることもできます。換気扇フィルターとシロッコファンフィルターの二重で油煙による汚れ防止をすれば、お掃除も楽になります。ただ、こちらもフィルターなので換気力が低下する恐れがあるので、こまめに変える必要があります。
シロッコファンに「シリコンコーティング」を塗っておく
綺麗にお掃除したあとのシロッコファンにシリコンスプレーを吹きかけます。シリコーン皮膜ができるため、艶が出て見た目も綺麗になるだけでなく、皮膜上に油汚れが付着するので次のお掃除が楽になります。金属やゴミ、プラスチックなどの素材にも使用でき、値段も500円以下で手に入るのでフィルターを毎回買い換えるよりも経済的です。
このほかにも、洗濯用の柔軟剤もコーティング剤として使用できます。
シロッコファンは3ヶ月に1回は掃除しましょう
シロッコファンのお掃除を楽にするためには、こまめにお掃除することが一番です。まめにお掃除していれば、浸け置き後にブラシで頑張ってこすり磨きをすることなく、多めの洗剤と一緒に食洗機にいれてしまえば、すっきり汚れが落ちていきます。まめに掃除ができる方であれば月1回、あまり時間のとれない方は少なくとも3ヶ月に1回はシロッコファンの掃除をするようにしましょう
。
また、換気扇周辺のお掃除は「気温の高い季節」に行うと、油汚れも落ちやすいためおすすめです。これまで、年末にしか換気扇掃除をしなかったという方も是非1度「気温の高い季節」にお掃除してみてください。
「もう何年もお掃除していない」「換気扇を開けるのが怖いほど汚れている」という方は一度業者さんにお願いしてみるのも手です。業者さんに完璧に綺麗にして貰えば、その後の換気扇のお手入れも楽にできます。業者さんに頼んで綺麗にしたあとは、是非「シロッコファンを汚れにくくする方法」を試してみてください。