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重曹は掃除の強い味方!?キッチン・風呂・トイレを綺麗に掃除する方法とは

簡単に買えてお掃除に便利な「重曹」。キッチンの油汚れやお風呂のカビなど、いろいろな汚れを簡単に落としてくれることで有名ですが、どんなふうに使ったらいいのかわからないという人も多いでしょう。そこで今回は、重曹を使った簡単なお掃除方法を解説。汚れに悩みやすいキッチン、お風呂、トイレの3か所をピックアップして、ご紹介します。

そもそも重曹とは。その安全性は?


重曹は、重炭酸曹達(じゅうたんさん・そーだ)の略称です。重炭酸ソーダは、炭酸ナトリウムが正式な名前で、重炭酸ナトリウムとも呼ばれます。正式名称を聞くとなんだか重々しいですが、実は重曹は食品添加物や入浴剤にも使われているもの。もちろん人体にも安全です。
ホームセンターや100円均一、スーパーなどで、500gあたり200円程度で購入できますが、そのとき迷うのが何を選ぶかということ。実は、重曹には「医薬用」「食用」「工業用」の大きく3種類があるのです。「掃除用」として売られているものもありますが、これは工業用だと考えてよいでしょう。これらの違いは、重曹の純度で、医薬用が100%、食用が99~98%、工業用が98~95%と、わずかながら差があります。また、医薬用、食用、工業用の順で、安全管理が厳しく、さまざまな基準があります。
重曹はキッチン周りやお風呂掃除にも使えるものですから、できればより安全なものを選びたいところ。わずかな違いではありますが、使うなら、入手しやすさと安全性を兼ね備えた「食用」を選ぶといいでしょう。

重曹で落とせる汚れ


重曹は家中のいろいろな汚れを簡単に落とすことができます。具体的に見ていきましょう。

油汚れ、カビに高い効果を発揮

重曹を水に溶かすと、弱アルカリ性を示します。ですから、酸性の汚れを中和して落とすことができるのです。酸性の汚れとして代表的なのが、油汚れ。キッチンやお風呂の皮脂汚れをみるみる落としてくれます。また、カビ汚れにも効果的。カビのたんぱく質にアルカリが働きかけて、その力を弱めてくれるのです。

発泡し、こびりついた汚れを落とす

重曹はあたためると発泡する性質を持っています。ぬるま湯で溶かしてあげることで泡立ち、その泡が汚れを浮かして落としやすくしてくれるという効果があります。キッチンのコンロにこびりついた焦げ付きなどは、これで簡単に落とせるようになります。

クレンザー代わりに使える

重曹は水に溶けにくい性質を持っているため、少し水を混ぜると粉が残ったペースト状になります。これが研磨剤として働くため、クレンザーなどの代わりに使えます。

消臭効果も

アルカリである重曹は、酸性の臭いを中和して消してくれます。

重曹の使い方

重曹スプレー

重曹を水に溶かし、スプレーとして使う方法です。浸け置き洗いや拭き掃除など、いろいろな場面で活躍します。

掃除方法
  1. 水かぬるま湯100mlに対し、重曹を小さじ1杯溶かし、スプレー容器に入れる。
  2. 汚れの箇所にスプレーし、濡らした布やスポンジなどでこする。
  3. 水ぶきをするか、水でよくすすぐ。

水に溶けにくい場合は、42℃程度のお湯に溶かすとよく溶けます。また、重曹スプレーをすると、跡が白く残ってしまいます。必ず水ぶきをしましょう。

重曹ペースト

重曹スプレーでは落ちないしつこい汚れに対して効果的なのが重曹ペースト。重曹と水かぬるま湯を3:1くらいの割合でまぜ、壁につけても垂れない程度のかたさにします。あとは、汚れに塗りつけて、スプレーと同じように使います。
汚れとの密着度が上がり、重曹のアルカリの力と、研磨効果でしっかりと汚れを取り去ります。

粉のまま使う

水周りなら、粉のまま振りかけてもいいでしょう。溶かす手間が省けますし、重曹ペーストよりも高い研磨効果が得られます。
また、生ゴミなどにそのまま振りかけるだけで、いやなにおいを防いでくれます。

クエン酸(お酢)と合わせて使う

クエン酸は、レモンなどの酸味の成分です。水に溶かすと酸性の性質を示すため、重曹の苦手なアルカリ性の汚れ、例えば水垢などによく効きます。
また、重曹とクエン酸を混ぜることで中和反応が起こり、二酸化炭素の泡が発生します。この泡が汚れを浮かし、がんこな汚れも落としてくれるのです。
それぞれに得意分野の違う重曹とクエン酸。二つ合わせることでどんな汚れにも対抗できるようになります。クエン酸も、重曹と同じくホームセンターやスーパー、100円均一で購入できます。お酢にも豊富に含まれているので代用できますが、徹底的に掃除したい場合は、クエン酸も重曹と合わせて購入しておいて損はないでしょう。

キッチンを重曹でピカピカに


油汚れや焦げ付きが蓄積して、直視を避けたいくらいのキッチン汚れも、重曹で片付けてしまいましょう。

コンロなどのしつこい油汚れや焦げ付き

五徳

掃除方法
  1. 五徳が入る容器に、重曹水を作る。割合は、水かぬるま湯100mlに重曹小さじ1杯。
  2. 五徳などを取り外し、重曹水に浸ける。
  3. 20~30分ほど経ったら、洗剤で洗い、水気を拭き取る。

コンロ本体

掃除方法
  1. コンロに重曹ペーストをつけ、布やスポンジなどで拭く。
  2. 汚れがひどいところは、歯ブラシやメラミンスポンジを使って磨く。
  3. 濡らした布で重曹をふきとる。
  4. 乾いた布でふく。

五徳を浸け置けるスペースがない、コンロ本体の汚れがなかなか落ちないというときは、重曹パックもおすすめです。重曹スプレーをしみこませたキッチンペーパーを貼りつけ、しばらくおいておくと、汚れの分解が進んで落ちやすくなります。
また、同じ要領で魚焼きグリルも掃除できます。分解できるところは浸け置き、できないところは重曹スプレーや重曹ペーストで磨きましょう。

シンクや排水溝

シンクの油汚れがひどいときは、重曹の粉をまいてスポンジで磨いてみましょう。ただし、水垢などの汚れには効果が薄いです。
また、排水溝に重曹を入れて20分ほどおき、その上からクエン酸水をかけると、発泡の効果で汚れがみるみる落ちます。泡が収まったら水で流すだけで、あっという間にきれいになります。気になる部分はスポンジなどで擦り洗いしましょう。
クエン酸水の濃度は、水500mlに対して、クエン酸小さじ2~2杯半です。

電子レンジ

掃除方法
  1. 耐熱容器、マグカップなどに重曹水を入れる。濃度は、水100mlに対し、重曹小さじ1杯。
  2. 1の重曹水を電子レンジに入れ、3~5分加熱する。水が沸騰し、水蒸気が出るくらいが目安。
  3. 加熱が終わったら、扉を開けずに20~30分おいておく。
  4. 時間がきたら、濡れた布で庫内を拭き掃除する。
  5. 庫内を拭いた布で、外側も拭く。
  6. 乾いた布で全体を拭く。

重曹水が水蒸気になることで全体に行きわたり、焦げ付きや油汚れを落としてくれます。これなら、庫内に洗剤が残ったり、電子レンジを傷めたり壊したりする心配もありません。

冷蔵庫の臭い取りに

自立する容器に重曹の粉を入れ、蓋をせずに冷蔵庫に入れておきます。冷蔵庫独特の臭いを重曹が消してくれます。ちなみに、同じ要領でシューズボックスなどにも使えます。

お風呂のカビやぬめりを一掃


お風呂のカビや皮脂汚れは、頑固でなかなか落ちないもの。磨き掃除をすると考えただけで、腰や背中が痛くなりそうです。でも、そんな汚れも重曹が解決してくれます。

浴槽やお風呂アイテムを浸け置き

掃除方法
  1. 浴槽の残り湯に、重曹を1カップほど入れる。(お湯が目に見えて汚れている場合はできないので注意)
  2. 洗面器やいす、浴槽の蓋、玩具などを浴槽に入れる。
  3. 2~8時間ほど放置する。
  4. .お湯を抜き、水かお湯でよくすすぐ。

残り湯を活用して一晩浸け置くだけで、皮脂やカビが原因の汚れがきれいに落とせます。これなら、ごしごしとこする時間も力も要りません。

重曹ペーストでカビを除去

掃除方法
  1. 重曹と水かぬるま湯を3:1の割合で混ぜ、重曹ペーストを作る。
  2. 重曹ペーストをカビにぬる。
  3. 20~30分ほどおく。
  4. 汚れをスポンジなどで軽く磨く。傷つきやすい素材は磨かない。
  5. 水かお湯でよくすすぐ。

カビとり洗剤は強力なものが多く、眼鏡やマスク、換気と、それだけで大変なもの。しかし人体にも安全な重曹なら、そこまで気を使わなくともカビの掃除ができます。
すすぎの目安は、手で触って重曹のざらつきを感じない程度です。

排水溝の掃除

キッチン編でも紹介しましたが、排水溝掃除にはクエン酸との合わせ技が効果的。重曹を粉のまま振りかけた後に20分ほど起き、クエン酸水をかけます。泡が収まったら、水やお湯でよくすすぎましょう。気になるところは、スポンジやブラシでこすりあらいします。
クエン酸水は、水500mlに対してクエン酸小さじ2~2杯半を溶かして作ります。

床の石けんカスを落とす

いつのまにか固まって取れなくなっているお風呂の石けんカス。石けんカスはアルカリ性の汚れなので、まずクエン酸水をかけ、10分ほどおいて、重曹を振りかけます。泡が収まったあとに流し、気になるところはこすり洗いしましょう。

トイレのしつこい汚れにも


触れる部分には皮脂汚れ、水周りには水垢、さらにカビに黄ばみと、さまざまな汚れが集まるトイレ。重曹とクエン酸を使い、徹底的に掃除しましょう。

便器やタンクの上、壁や床

重曹スプレーを吹き付けた布で拭き掃除をし、さらにクエン酸スプレーを吹き付けた布で拭き掃除をします。最後に、かたく絞った布でしっかり拭きとりましょう。

タンクの中

重曹を1カップほどタンクの中に入れて、6時間ほど放置します。中を見て、汚れが浮いていたら流しましょう。放置する時間は汚れの程度にもよりますが、その間はトイレが使えなくなります。寝る前に重曹を入れておき、翌朝流すのがよいでしょう。

便器の中

重曹スプレーをして3~5分程放置したあと、便器用のブラシやスポンジでこすり洗いします。黄ばみ汚れにはクエン酸スプレーが有効です。それでも落ちないときには、普通の汚れなら重曹水、黄ばみならクエン酸水をスプレーしてからトイレットペーパーなどでパックし、置き時間を伸ばしてみましょう。
また、水がたまっているところの黒ずみには、重曹とクエン酸の合わせ技を使います。重曹とクエン酸の粉を適量振りかけ、しばらく放置。泡が収まった頃にこすり洗いをして流せば、ピカピカになっているはずです。

重曹を使う上での注意点


油汚れやカビなど、しつこい汚れを解決してくれる重曹ですが、いくつか気をつけなければならないポイントがあります。

重曹水はすぐに使い切る

重曹水は作り置きできません。作ったらその日か次の日までに使い切りましょう。

高温のお湯で溶かさない

重曹を65℃以上のお湯で溶かすと、変質して弱アルカリ性ではなく、アルカリ性を示します。つまり、アルカリ性の性質がより強くなってしまうのです。アルカリ性が強いと人体に悪影響を及ぼしますから、水の温度は高くとも42℃、お風呂くらいの温度にしましょう。

アルミやフローリング、畳には使えない

素材によっては使ってはいけないものもあります。下記のものには特に注意しましょう。

  • アルミ…黒く変色する
  • フローリング…輝きがなくなる。また、ワックス剤がはがれる。
  • 畳など天然素材のもの…変色する
  • 木、竹、漆製品…研磨作用で削れてしまう。

肌が弱い人はゴム手袋をする

重曹は基本的には安全なものです。ただし、アルカリ性のものにはたんぱく質を溶かす作用があります。重曹水は弱アルカリ性なのでその作用は弱いですが、肌の弱い人は手荒れしてしまう恐れがあるので、使うときには念の為、ゴム手袋などをしましょう。

まとめ


重曹は油汚れや焦げ、カビをぐんぐん落としてくれるすぐれもの。さらにクエン酸と合わせれば、その効果は倍増します。安く簡単に手に入るので、家のお掃除に悩んでいる方は一度試してみてはいかがでしょうか。
ただし、それでも落ちない汚れがある場合には、深追いは禁物。どうしても落ちない汚れは、専門業者に依頼しましょう。