掃除

手抜き主婦の加湿器簡単掃除方法!

冬に加湿器を使うという人は多いと思います。実は加湿器が必要となるのは冬だけではありません。夏にエアコンを使うようになると一気に空気は乾燥します。クーラーを使う時期こそ加湿器を稼働させるのがおすすめです。加湿器は一年中便利な家電です。しかしお手入れを誤ると故障の原因を作るだけではなく、健康状態もおびやかされます。正しい加湿器の掃除方法を知ってお手入れすることで、自分と家族の健康を守りましょう。

加湿器が汚れる3つの原因


加湿器が汚れる原因には主に3つあります。まずは汚れの原因を知り、それぞれに対策を立てましょう。

水垢

加湿器の汚れで最も多いのは水垢です。しばらく加湿器を掃除していないのであれば、白っぽい石のような固い塊を発見すると思います。加湿器に含まれる水道水にはカルシウムなどが含まれて、定期的にお手入れしていないと白い塊になってしまいます。この白い塊は雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。

雑菌

カビと同じように水のあるところには雑菌も繁殖しやすくなります。加湿器で繁殖したレジオネラ菌で老人ホームで死亡事故が起こったこともあります。また加湿器に着くピンク色のぬめりはセラチア菌やロドトルラと言われる雑菌で、これらが繁殖しはじめるとカビも生えはじめる前兆です。

カビ

ピンクのぬめりを放置しておくと、次にはカビが生えます。カビは湿度と栄養のあるところに繁殖しやすく、お掃除をしていない加湿器ではカビの胞子の入った空気を噴き出してしまいます。

ほこり

フィルターについたほこりをそのままにしておくと、加湿器のパワーダウンや故障につながります。

加湿器の汚れる場所別簡単掃除方法


加湿器は掃除するのが難しそうな気がします。機械に弱い私なんかは加湿器を自分で分解するだなんて!ととても怖かったです。でもやってみたら実は水洗い可能な部品が多く、お手入れが楽な家電でした!ほとんどのものがジャブジャブと水を使って洗うことができますし、それでも無理な汚れにはクエン酸が有効です。では加湿器のパーツごとに具体的な簡単掃除法をご紹介します。

タンク

加湿器の中でタンクはもっとも汚れの付きやすい部分です。水がいつもはいっているので水垢が付きやすく、カビや雑菌も繁殖しやすい場所です。タンクは毎日のこまめなケアが特に大切です。
 ずぼらな私はよく残った水に新しい水を継ぎ足して使っていましたが、実はこれはもっとも健康に悪いのだそうです!加湿器のお手入れで一番大切なのはタンクの中に水を入れっぱなしにしないことです。水は使い終わったら必ず抜いて、タンクを空にしておきましょう。また使う時には新しい水道水を入れましょう。
 面倒だと思われるでしょうが、水道水は塩素で消毒されています。水道水に含まれる塩素は時間がたつと抜けてしまい殺菌効果が期待できなくなります。カビや雑菌を繁殖させないために、タンクの水は継ぎ足しではなく、残ったものは一度全部捨てて、新しい水道水を使わなければなりません。また同じ理由でミネラルウォーターや井戸水などの使用もおすすめできません。ミネラルウォーターや井戸水には殺菌のために必要な塩素がはいっていないからです。
 さて具体的なタンクのお手入れ方法ですが、これはとても簡単でタンクを水でゆすぐだけです。もし、見てわかるようなカビや雑菌があるようなら歯ブラシなどで擦りおとしましょう。その後、40℃くらいのぬるま湯にクエン酸を溶かしたものをめいっぱい入れます。分量としては1リットルに対してスプーン1杯程度が目安です。お持ちの加湿器のタンクの容量に合わせてください。クエン酸水をいれたらそのまま1時間から2時間程度置き洗いをして、水ですすいで乾かしましょう。
 もし、ひどくカビが繁殖しているようならハイターを使うのもありです。カビが発生している部分にハイターをなじませ、カビが浮いてきたのを確認できたら、しっかりと水でゆすいで捨てるようにします。でも、もともと加湿器はハイターなど強い薬剤を使うようには作られていません。本来なら使わずにクエン酸だけで対応できるのが良い方法です。ハイターを使ってしまうとタンクが変質してしまう可能性もありますし、しばらくハイター臭が残ります。ハイターはカビだらけのタンクをつかうのよりいいという最終手段としてお考えください。

フィルター

加湿器のフィルターもタンクと同じようにクエン酸水のつけ置き洗いをします。バケツなどに1リットルに対してスプーン1杯のクエン酸水をつくり、フィルターをいれて、1~2時間漬け置きます。その後水でゆすいで乾かして終了です。バケツでなくても洗面所やクリアファイルケースなど、フィルターがすっぽり収まれば、代用できます。

吹き出し口

加湿器の吹き出し口は水汚れしやすく、水道水の白い結晶でザラザラになることがあります。これにもクエン酸を使うのが有効です。クエン酸は弱酸性で、アルカリ性の汚れであるカルキ汚れ(水道水の白い結晶)を中和させて落としやすくする効果があります。吹き出し口が外せるタイプのものなら、外してクエン酸水につけ置きしておきましょう。外せないタイプのものなら、クエン酸水をスプレーしたあとで、乾いた布などで拭き取ります。また無水エタノールなどで拭き取り掃除をするのもカビや雑菌を消毒することができるのでおすすめです。無水エタノールを使う時にはくれぐれも引火しないように火には注意してくださいね。

吸気グリル

吸気グリルはほこりのつまりやすい場所です。月に1度は掃除機でほこりを吸い取りましょう。また細かいところは古い歯ブラシなどでほこりをとりましょう。吸気グリルのほこりをとらないで放置すると、加湿器がパワーダウンしたり故障の原因になります。

トレイ

タンクのトレイは水垢やカビが発生しやすい汚れやすい場所です。常に水と接しているので非常に汚れやすい場所です。カビや雑菌を取り除いてきれいにするために、加湿器のタンクのトレイはエタノールを使って、お手入れしましょう。エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールがあります。どちらもドラッグストアなどで購入することが可能です。最近は無水エタノールをお掃除に使うのが主婦の間では人気です。無水エタノールは水を使っていない分、精密機器の道具をケアしやすいのが無水エタノールが人気のなった理由のようです。
 掃除用品として人気の無水エタノールですが、そのままでは消毒用エタノールほどの殺菌作用は期待できません。エタノールは水と反応することで殺菌作用を持つようになります。加湿器のトレイ掃除に殺菌力まで期待して無水エタノールを使う場合はエタノール8に対して水2の割合で配合してから使います。消毒用エタノールを使う場合はそのまま布につけて拭き取り掃除で殺菌できます。

トレイが取り外しできる場合には・・・・

 加湿器によってはタンクのトレイがはずせるタイプのものもあります。トレイが外せる場合には取り外して歯ブラシなどで水洗いしたあとに、同じようにエタノールで拭き取り掃除をしましょう。また頑固な水垢が固くなって、なかなか落としにくい場合にはやはりクエン酸でのつけ置き洗いが有効です。

超音波式加湿器の場合には・・・・・

 ダイソンやアイリスオーヤマが販売している超音波式加湿器には、除菌機能がついているものもあります。バクテリアを除菌しながら水分をミスト状にしていくというもので、とても衛生的な印象です。でもお掃除が必要なのは同じです。お手入れを怠っていると、同じようにカビや細菌が繁殖しますし、水垢(カルキ汚れ)も結晶化します。除菌するから大丈夫、と思わずにこまめな手入れをしてくださいね。

.クエン酸を使った掃除方法


クエン酸も最近人気の掃除グッズの一つです。クエン酸は柑橘系の果物や梅干しなどに含まれる「酸っぱい成分」です。食品に含まれるほどですから人体にはもちろん無害な物質です。弱酸性のクエン酸はアルカリ性の汚れを落とすことに向いています。アルカリ性の汚れとは、台所の蛇口周りにつく白っぽいカルキ汚れやトイレの便器につく尿石などです。水道水に含まれるミネラル分が結晶化して固まってしまう加湿器の掃除にもクエン酸は非常に有効です。アルカリ性の汚れを落とすのに酸性のものが良い、ということでクエン酸の代わりにお酢などでも代用可能です。でも個人的にはお酢はおすすめできません。汚れは落ちるかもしれませんが、お酢の匂いが加湿器を使うと部屋中に充満してしまいます。酸っぱいお部屋は、イヤですよね?と、いうわけで、無臭のクエン酸がやはり使い勝手が良いです。クエン酸はドラッグストアや100円ショップなどで簡単に手に入れることができます。クエン酸には食品用と掃除用がありますが、掃除用なら食品用に比べて安価で、これで十分です。
 クエン酸を使った掃除の方法をまとめてみましょう。

掃除方法
  1. クエン酸水を作る(水1リットルに対してクエン酸スプーン1杯)
  2. タンク・トレイ・吹き出し口など外せるものは全部外して簡単に水洗いする
  3. クエン酸水に1晩つける
  4. 取り出して水洗いしながら、白い結晶などを柔らかいブラシで落とす
  5. 自然乾燥

クエン酸水を作る

クエン酸水を作ります。水よりも40℃程度のぬるま湯のほうが汚れを落としやすいので面倒でもぬるま湯を用意しましょう。ぬるま湯1リットルに対してスプーン一杯のクエン酸を溶かします

部品を外し水洗い

外せる部品はすべてはずしましょう。加湿器のメーカーさんによって違いますが、タンク、フィルターは外せるメーカーさんがほとんどです。外せるのであれば、吹き出し口やトレイも外します。簡単に歯ブラシ等で擦って水洗いしましょう。水垢が白い結晶になっているものは、固くて落としにくいと思いますのでここは無理をせずにざっと洗うだけにします。無理をして部品を破損しないようにしてください。ここで、すべての汚れを落とさなくてもこのあとでクエン酸水につけたあとは、結晶が緩んで落としやすくなります。

クエン酸水につける

作っておいたぬるま湯のクエン酸水につけて一晩おきます。

取り出して水洗いしながら、白い結晶などを柔らかいブラシで落とす

一晩経ったらクエン酸水から取り出して、汚れ部分を歯ブラシなど柔らかいブラシで掃除します。汚れを取り去ったらクエン酸を取り除くために水洗いします。

自然乾燥

簡単にタオルで水分を拭き取ったあと自然乾燥させます。

重曹を使った掃除方法


加湿器のお手入れの基本は上記のようにクエン酸をつかったものです。しかし、中にはクエン酸だけでは落ちない匂いや汚れがありますので、その場合には重曹が活躍します。普段の掃除はクエン酸だけで十分ですが、どうしてもクエン酸では落ちない汚れがあるときだけ、重曹をつかいましょう。

掃除方法

上記クエン酸を使った掃除方法でクエン酸を重曹に変えるだけです。

重曹を使うことで期待できるメリットと注意点

メリット1:消臭効果

加湿器からいやなにおいがする場合、原因はカビです。カビ酸性汚れなので弱アルカリ性である重曹を使うことで中和させてきれいにすることができます。なかなかとれない匂いも重曹を使って掃除することで落ちることがあります。また時々タンクの中の水に少量の重曹をいれて作動させるのも良いでしょう。タンクの水1リットルに対してスプーン1杯程度の重曹を溶かして、加湿器を作動させます。1時間ほど作動させたあとでタンクの中の重曹水を捨て、洗い流しましょう。

メリット2:研磨効果

重曹にはもう一つ、研磨剤としての効果があります。粉末の重曹を振りかけてスポンジなどで擦ることでしつこいカルキ汚れが落ちやすくなります。しかし、研磨材は擦って汚れ落とすことになります。加湿器の材質を痛めるリスクもありますのでご注意ください。重曹の擦り洗いは必要最小限で目立たない場所で試してからの使用がおすすめです。

加湿器の掃除頻度


ここまでご紹介してきた加湿器のお手入れ方法なのですが、どのくらいの頻度でお掃除したらいいかもう一度まとめてみましょう。

  • 毎日:タンクの振り洗い
  • 1週間に一度:掃除機や歯ブラシで吸気グリルの埃取り
  • 1か月に一度:フィルターのつけ置き洗い
  • 2か月に一度:クエン酸水で分解掃除

加湿器のお掃除で一番やっかいなのは、水垢によるカルキ汚れです。白い塊になってしまう水垢はこまめなお手入れをしていれば、意外に簡単に落とせるものです。固く結晶化してしまう前にクエン酸水を使ってお掃除しましょう。という私も普段はずぼらにしているので、カルキ汚れを結晶化させてしまって、重曹で奮闘する羽目になっています。固まってしまったものには、クエン酸+重曹、本当に便利です。
また最近ダイキンの加湿機能付き空気清浄機などは10年間掃除がいらない、と言われているものもあります。これは正確には10年間フィルター交換がいらない、という意味です。加湿機能がついているものは他のメーカーさんと同じようにカビが発生しやすいので、定期的にお手入れをしてあげましょう。

まとめ~加湿器はこまめに清掃が健康のカギ~


加湿器の掃除は実は簡単なものです。汚れのほとんどは簡単な水洗いとクエン酸水につけ置き洗いで解決します。ただ、毎日使うものなだけに、つい面倒になって放置してしまうことが問題です。加湿器は本来は健康を守るための電化製品です。タンクの水を継ぎ足さずに毎日変えるのはちょっと面倒な気もしますが、健康には変えられません。こまめなケアで、家族の健康を守ってくださいね。