カーペットや絨毯にこぼした牛乳、どうやって掃除したらいいんだろう?うっかりこぼしてしまった飲み物や食べものを目の前にして戸惑うことってよくありますよね。こんな時は汚れの種類に合わせた掃除方法で対処しましょう。普段の掃除方法やカーペット・絨毯の臭い取り、ダニ退治などとあわせて解説します。
目次
カーペット・絨毯の汚れは3種類
カーペット・絨毯の汚れの種類は、掃除方法から考えると「水性」「油性」「その他」の3種類に分けられます。基本的に水性の汚れは水に溶ける物、油性は油を含む物、その他は掃除に一手間かかったり注意が必要だったりする物です。種類ごとの具体例は以下の通りです。
水性の汚れに含まれる物
牛乳などの乳製品・アイス・ジュース類・醤油・ソース・お茶・コーヒー・紅茶・ココア・ワイン・墨汁など。
油性の汚れに含まれる物
油類・マヨネーズ・ケチャップ・油性インク・クレヨン・カレー・口紅・チョコレート・ペンキ・靴墨など。
その他の汚れ
泥・ガム・卵・血液・タバコの焦げ後など。
普段のカーペット・絨毯の掃除
カーペット・絨毯掃除の基本は掃除機がけと拭き掃除、そして必要に応じて汚れに合わせたお掃除が加わります。まずは掃除機のかけ方と拭き掃除の仕方を確認しておきましょう。
掃除機のかけ方
掃除機はまずカーペット・絨毯の毛足を逆立てるようにかけ、その後十字や斜め方向にもかけます。一方向70~80cmにつき3秒(毛足の長いカーペット・絨毯なら4,5秒)くらい、ゆっくり丁寧にかけるのが理想です。最後の仕上げは毛足を戻すように掃除機をかけてください。
古いカーペット・絨毯だと毛足がすっかり寝てしまうことがありますが、そんな場合は掃除機をかける前にブラシやコームで逆なでしておくといいですね。その際カーペット・絨毯の奥のゴミやホコリが舞ってしまうので、顔はカーペット・絨毯に近づけ過ぎないないように気を付けてください。
拭き掃除の仕方
普段の掃除機がけのほか、月に1度はカーペット・絨毯も拭き掃除を行いましょう。
雑巾を薄めた中性洗剤に浸して固く絞り、カーペット・絨毯全体を拭き掃除します。汚れが大体取れてきたら、今度は水で絞った雑巾でカーペット・絨毯についた洗剤を拭き取ります。仕上げに乾いた布で乾拭きをして終了です。
オススメ動画「カーペット・絨毯の手洗い方法」
拭き掃除を簡単に解説した動画を見つけました。
掃除機をサポートするお役立ちアイテム
ブラシ・コーム
カーペット・絨毯の毛足を逆立てるのにブラシやコームが役に立ちます。ブラシの毛は短く硬いものがオススメです。手になじんで使い勝手が良ければ100均でもOK!丸洗い可能ならさらに衛生的です。
コロコロ
一般にコロコロと呼ばれるクリーナーには、中でブラシが回転してゴミやホコリを掻き出すローラータイプと粘着タイプがあります。コロコロは掃除機のような騒がしい音がしないので、夜遅い時間や子どものお昼寝中にも使えて助かりますね。
古い歯ブラシ
乾燥する季節は静電気で壁際にホコリがたまりやすくなります。掃除機のノズルでもとりにくい場合があり、歯ブラシはそんな時のホコリ取りに役立ちます。
ゴム手袋
ゴム手袋をしてカーペット・絨毯をなでると、摩擦による静電気で髪の毛やホコリを集めることができます。ちょっと動画で確認してみましょう。
素早く対処・汚れに合わせた掃除方法
カーペット・絨毯の汚れを最小限に抑えるコツは「汚れがついたらすぐに処理」。ひとまず固形物があれば先に取り除き、水分はティッシュペーパーなどを軽くかぶせて吸い取りましょう。このとき強く抑えるとシミを広げる原因になるので気を付けてください。
その後、汚れの原因に合わせたお手入れをします。どちらかわからない場合は、水で濡らした雑巾を固く絞りシミの上から軽く押さえてみましょう。雑巾にシミがしっかり移ったら水性、そうならないときは油性と判断していいでしょう。
水性の汚れは「ぬるま湯+中性洗剤」
ティッシュペーパーやキッチンペーパーなどを利用してある程度水分を拭っておきます。洗面器などにぬるま湯をはり、数滴の中性洗剤(食器洗い用など)をたらして洗浄液を作ります。洗浄液を雑巾に含ませて、汚れの外側から内側へ向かってトントン叩いていきましょう。次第にカーペット・絨毯の汚れが雑巾に移っていきます。汚れが取れたら最後に乾いた布で叩いて水分を吸い取って完了です。
油性の汚れは「ベンジン、アルコール」
へらやフォークなどを使ってできるだけ汚れを取り除いたら、残りはベンジンやアルコールを含ませた雑巾で溶かして落とします。水性の汚れと同じように、雑巾で汚れの外側から内側へトントン叩いていきましょう。汚れが落ちたら今度はベンジンやアルコールがシミにならないように、水や中性洗剤をスプレーして乾いたタオルなどで水分をしっかり取り除きます。
<ベンジンやアルコールは火気厳禁!>
引火性が強いので換気に気を付けて取り扱ってくださいね。また、カーペット・絨毯によっては色落ちの心配もあるので、目立たない箇所でテストをしてから使うことをオススメします。
オススメ動画「カーペット・絨毯の油性汚れのとり方」
ベンジンを使った油性汚れ(マヨネーズ)のとり方を紹介しています。
その他の汚れ
その他の汚れは個別に対応していきましょう。代表的な汚れの対処法を3ステップでご紹介します。
泥
- へらなどでできるだけ泥を取り除く。
- 残りはドライヤーで乾す。
- 泥が乾いたらブラシなどでよくほぐし掃除機で吸い取る。
ガム
- 氷を入れたビニール袋や保冷剤でガムを冷やし、固まったらゆっくりと剥がす。
- 残ったガムは、アルコールやベンジンなどを含ませた雑巾でポンポンとたたいて落とす。
- 水をスプレーして余分な水分をタオルに移し取る。
卵・血液
- 水で濡らした雑巾で汚れた部分をポンポンとたたく。
- ベンジンなどを染みこませた布でポンポンとたたいて汚れを移し取る。
- 水をスプレーして余分な水分をタオルに移し取る。
(落ちなければ漂白剤を使う)
※冷たすぎる水や熱湯は、卵や血液のタンパク質が固めて落としにくくさせるので使わないでください。
タバコの焦げ痕
- カーペット・絨毯の焦げた部分をカッターなどで取り除く
- 焦げ痕の周囲からパイル(毛)を集める。
- 布用のボンドを使い集めたパイルを焦げ痕に埋め込む。
オススメ動画「実践_カーペット・絨毯の焦げ痕修繕」
ほんの数分でできるタバコの焦げ痕修繕の動画です。
「カーペット・絨毯の汚れを落とす方法(掃除機編)」
コーヒー、チョコレート、クレヨン、生クリームの4種類の汚れを掃除機で落としています。
「絨毯にうっかりつけてしまった汚れを簡単に落とす方法」
小麦粉を使った掃除方法です。
「カーペット・絨毯の汚れを落とす方法(重曹編)」
こぼしてしまった牛乳を臭いが落ちるまで丁寧に掃除しています。
カーペット・絨毯の臭いとり
いろいろな場所のお掃除に効果的な重曹は、カーペット・絨毯の臭いとりにも活躍します。重曹の使い方は3通り、あなたの使っている掃除機の吸引力にあわせるといいでしょう。
掃除機に十分な吸引力があれば、カーペット・絨毯に重曹の粉をまくのがオススメです。掃除機がしっかり重曹を吸い取ることができなければ、少し効果が下がりますが、重曹を水で薄めた重曹水を使うという方法もあります。
重曹や重曹水の消臭効果が期待できるのは、足の臭い、汗の臭い、生ゴミの臭い、排水溝の臭い、ペットの粗相などです。タバコの臭いや、アンモニア臭にはあまり効果がありません。
また、天然素材のカーペット・絨毯は変色の恐れがあるので、心配な場合は販売元に問い合わせたりカーペット・絨毯の隅でテストしたりしてみてください。
重曹をそのままカーペット・絨毯にふりまく
- 重曹をカーペット・絨毯全体にまんべんなくふりまく。
- ゴム手袋をした手やブラシなどで重曹をカーペット・絨毯に軽くなじませる。
- そのまま1時間以上放置した後、掃除機をかける。
※重曹が目に入ると角膜を痛めることがあるので気を付けてください。もし目に入ってしまったら十分な水で洗い流しましょう。
重曹を水で薄めて噴きかける
- 水100ccに対して重曹5g程度(小さじ1~2杯)の重曹水を作る。
- 霧吹きに入れカーペット・絨毯に噴きかける。
- 水拭き、乾拭きをする。
(大体たたみ1畳に対して2~3プッシュ)
※濃い重曹水も目に入ると角膜を痛めることがあります。もし目に入ってしまったら十分な水で洗い流しましょう。
重曹水を雑巾に含ませる
- 5%程度の重曹水を作る。
- 雑巾に重曹水を含ませてカーペット・絨毯を拭き掃除する。
- 乾いた布で乾拭きをする。
※重曹水を作るのに65℃以上のお湯を使うと、肌荒れの原因になることがあります。お湯を使う場合は温度に気をつけてください。
カーペット・絨毯のダニ退治
カーペット・絨毯のダニ退治には、高熱が奥まで届くスチームが効果的です。
スチームアイロンを使ったやり方
スチームは専用の器具を用意しなくても大丈夫です。家庭用のスチームアイロンでも十分にダニ退治ができます。
アイロンのスチームは、およそ100℃。カーペット・絨毯が焦げたり変質してしまったりするのを防ぐために、カーペット・絨毯から3~5cm離したところからスチームをかけます。熱が奥まで届くようにゆっくりとカーペット・絨毯全体にスチームを噴射してください。
ダニは60℃以上の高温で死滅するので、ほぼスチームで退治できるでしょう。最後はしっかり掃除機をかけてダニの死骸を吸い取りましょう。
スチームが使えないカーペット・絨毯の場合
カーペット・絨毯の素材によってはアイロンが使えない物があります。その場合はダニの弱点、乾燥と紫外線を利用しましょう。
- カーペット・絨毯の天日干し
- 部屋の風通しを良くする
- 紫外線ライトを使う
などが効果的です。
ダニ退治のお役立ちアイテム
スチームクリーナー
スチームの噴射量がアイロンに比べて5~10倍、効率的にダニ退治ができます。
UV掃除機
掃除機にUV(紫外線)ランプがついています。掃除と殺菌、ダニ退治が同時にできる優れものです。
カーペット・絨毯を汚れにくくする方法
カーペット・絨毯を汚さないコツは、ゴミになるものを極力「こぼさない」「持ち込まない」。簡単な話ですが、実行するのはなかなか難しいですね。
とりあえず、外から戻ったときは玄関先で衣服についたホコリを払う、玄関マットも掃除する、といったところからはじめてはいかがでしょうか。
お財布の中身に余裕があればカーペット・絨毯に市販の撥水スプレーを噴きかけたり、業者にコーティングを依頼したりするのも良い方法です。
「掃除機は毎日・汚れは即座に対処」がベスト
カーペット・絨毯はできれば毎日掃除機をかけた方がいいのですが、無理なようなら最低週に2回ほど。何かをこぼしてカーペット・絨毯を汚してしまったらすぐにお掃除に取りかかるのがベストです。
ここをきちんと抑えておかないと、カーペット・絨毯はダニの温床となり、アレルギーなど健康にも影響を与えてしまうこともあります。ハイハイをするような幼いお子さんがいるご家庭では特に気を付けてください。
ただし、頑張りすぎるのもいけません。家庭では落とせない頑固な汚れもあるので、時にはクリーニング業者や購入した店舗に頼るのも良い選択です。カーペット・絨毯の汚れに合わせた対処法を選んでください。