掃除

畳のカビ掃除に効果抜群!身近なものから専用グッズまでご紹介

畳の上に物を置いているといつの間にかカビが発生していることありませんか?特に湿気の多い時期になると、なんとなく畳からカビ臭も出てきているような。今回は赤ちゃんのいるご家庭でも安心して使えるお掃除方法から業務用洗剤まで、カビの重症具合に合わせて選べるようにお掃除方法をご紹介します。効果的な畳のカビ予防についてもご紹介していますので、ぜひお掃除後取り入れてみてください。

どうして畳にカビが生えるの?


畳にカビが生えてしまう原因は湿気です。い草の中身はスポンジ状になっており、湿気や空気を吸い込んだり吐き出したり呼吸をしています。い草が湿気を吸収しきれなくなった分が、畳の表面にカビとなってでてきます。

畳が湿気を吸収する

畳は天然の湿度調整機能が備わっています。そのため、天然い草を使用した新品のものほど、その性質が強いので、カビが発生しやすいです。畳を新調して1〜2年の間は特にカビが発生しやすいので注意しましょう。

部屋がカビが発生しやすい状態

ご近所の畳屋さんの話では、湿度が65%以上、温度が20℃以上がカビが繁殖しやすい環境だそうです。夏場や梅雨の時期は大抵この条件をクリアしている日が多いので、どうしてもカビが発生しやすい環境になります。6〜9月はカビ発生要注意な期間です。

上に物が置かれている

人間の皮脂やハウスダストがカビの餌になります。畳の部屋は基本素足でいることの方が多いため、よりカビの生えやすい環境を整えることになります。また、敷布団をそのままにしているご家庭はその部分がカビの温床となっている可能性があります。

カビのお掃除方法と特徴

掃除方法カビの効果消臭効果特徴
乾拭き××乾拭きだけをすると、カビが広がる恐れがある
水拭き××カビに最適な環境を作るので基本的にNG
布でたたく××カビを畳の奥に押し込んでしまうのでNG
掃除機××普段のお掃除には⚪︎
ただ、掃除機の排気にカビの胞子が紛れる可能性もあり
⚪︎濃度に注意
重曹+掃除機濃度に注意
エタノール+歯ブラシ⚪︎⚪︎
エタノール+重曹+歯ブラシエタノールだけで取りきれなかった汚れに効果的
重曹+酸素系漂白剤変色の恐れがある
ワイドハイター
(酸素系漂白剤)
変色の恐れがある
カビキラー
(次亜塩素酸塩)
変色の恐れがある

 

畳のカビをお掃除する前の共通する準備についてご紹介します。

風通しを良くする

カビの原因は湿気や埃です。まずは換気をよくして湿気をためないようにしましょう。
今回ご紹介するものの中には、雑巾にお酢をつけた方法や、重曹を用いた方法があります。畳をお掃除する際にきちんと換気を行い、それらの水分や粉末が残らないように注意をしましょう。
もしも風の通りが悪い部屋なら、扇風機を回すか、除湿機を使用すると良いでしょう。

マスクや保護メガネ、ゴム手袋などを着用

お掃除の際、カビの胞子を吸い込む可能性があるので、しっかりマスクで防護するようにしましょう。また、カビが付着しないようにゴム手袋やメガネも使用すると良いでしょう。

畳のカビの掃除方法


畳のカビの掃除方法は様々あります。ご家庭ですぐにご用意できる物や、カビの重症度を考えて一番ベストな方法をご選択ください。

赤ちゃんにも安心!「お酢」を使ったお掃除

手順
  1. バケツの中にお酢を10倍に薄めた量を入れる
  2. 雑巾にお酢水を十分に含ませ、硬く絞ったもので畳目に沿って拭く
  3. 布巾で乾拭きする

お酢には除菌効果があり、消臭も期待できます。ただ水分ですので、お酢を含ませた後は固く絞って、乾拭き用の布巾で水気をなくすようにしましょう。
また、水で薄める時濃度に注意してください。濃度が濃すぎるとお酢のにおいが消えにくく、畳にお酢のにおいがこびりついてしまいます。
お酢を使用したお掃除で効果的なのは「古めの畳」です。問題のない畳や新品の畳に除菌効果を期待してお酢をふりかけるのは止めましょう。日常的に防菌目的で使用するなら、次にご紹介する「消毒用エタノール」を使用した方法がおすすめです。

しっかりカビ取り!「消毒用エタノール」+「歯ブラシ」を使ったお掃除

手順
  1. 歯ブラシを使用して畳目に沿ってカビをかき出していく
  2. 掃除機を畳目の方向にかける
  3. 消毒用エタノールスプレーを使用して畳の表面に吹きかけていく
  4. 3〜5分エタノールを乾かした後、布巾で乾拭きする

消毒用エタノールは発揮性のため、畳に水分が残る心配がありません。ですが、しっかり除菌した後は乾拭きするようにしましょう。消毒用エタノールは他にも様々な場所で使用できる万能お掃除グッズです。消毒用を兼ねて1本お家にあると、赤ちゃんのいるご家庭のお掃除には便利かと思います。
同じような商品で「無水エタノール」もありますが、こちらは希釈して使用する必要があります。この場合は「無水エタノール:水」を3:7の割合で薄めて、スプレー容器に入れて使用するようにしましょう。

カビがひどいときは「重曹」をプラス

しっかりカビ取りをしたいけど、歯ブラシでかき出すだけではカビが落ちなかったという方は、
消毒用エタノールをかける前に「重曹」をプラスして使用しましょう。

手順
  1. 歯ブラシを使用して畳目に沿ってカビをかき出していく
  2. 掃除機を畳目の方向にかける
  3. 重曹に消毒用エタノールを混ぜて、ペースト状にする
  4. 重曹ペーストを頑固なカビに歯ブラシを使って塗布する
  5. 畳目状にペーストでこすったら、固く絞った雑巾でペーストを落とす
  6. 消毒用エタノールスプレーを使用して畳の表面に吹きかけていく
  7. 3〜5分エタノールを乾かした後、布巾で乾拭きする

重曹に含まれる研磨効果と消臭効果でカビの汚れを除去していきます。ペースト掃除後は、固く絞った雑巾で落としましょう。もしも重曹が畳目に残るようでしたら、掃除機をかけて重曹を取り除くようにしてください。

黒カビ汚れを落としたいなら「重曹」+「酸素系漂白剤」

手順
  1. 重曹と酸素系漂白剤の粉末を1:1の割合で混ぜ、水を加えてペーストにする
  2. 黒カビの気になるところに歯ブラシでペーストを取り、畳目に沿って塗布する
  3. 固く絞った雑巾でペーストを拭き取る
  4. 乾拭きをする

このときおすすめなのは「シャボン玉 酸素系漂白剤」になります。ナチュラルクリーングのシャボン玉の酸素系漂白剤は、成分が過炭酸ナトリウムです。水に溶かしたときに出てくる酸素で、漂白、消臭、除菌の効果を発揮してくれます。
この酸素系漂白剤と重曹のペーストで黒カビ汚れを除去していきます。漂白剤のような嫌なニオイも残りません。重曹と酸素系漂白剤を使用した方法は、ナチュラルクリーニングですが、畳を変色してしまう可能性もあるため、まずは目立たないところで試してから行うようにしましょう。あくまで気になる黒カビ部分に局所的に使用する目的で使ってください。畳全域へのお掃除にはむいていません。

カビキラーやワイドハイターはあまりおすすめできません

お風呂場で使用するカビキラーや漂白効果の高いワイドハイターはカビ汚れの除去にはうってつけです。ですが、相手が畳だとそうもいきません。畳は天然のい草でできたものです。そのい草に漂白効果の高いカビキラーやワイドハイターをかけてしまうと色むらができてマダラ模様になってしまいます。
せっかくお掃除して綺麗にしても、畳に傷を入れてしまっては本末転倒です。おまけにカビキラーやワイドハイターはお掃除後に「ツーン」としたニオイが残ってしまいます。小さな赤ちゃんがいるご家庭なら、なおさら拭き残しがあると大変です。

「ガッテン」流のカビのお掃除はお風呂場用

NHK番組「ガッテン」でもカビのお掃除方法を取り上げていました。ただ、この方法はお風呂場やエアコン内部で使用できるお話で、お水を直接かけることのできない畳のカビ取りには不向きです。
ちなみに「ガッテン!流のカビ撃退法」は

撃退法
  1. カビ退治「50℃で90秒シャワーでお湯をかける」
  2. カビ予防「1週間に1回50℃で5秒お湯をかける」
  3. カビ黒ずみを白くする「カビ取り剤&目地修正グッズでカビを白く塗りつぶす」
  4. という方法が紹介されていました。どれも畳のカビ取りには向きません。ご自宅のお風呂場のお掃除には使えますので、ためしてみると良いかもしれませんね。

畳専用のお掃除グッズ


これまでご紹介した方法は、ご自宅にある身近なものを使用した畳のカビお掃除方法です。「もっと本格的に畳のお掃除を行いたい!」「防カビ予防も兼ねたお掃除がしたい」という方は畳専用のお掃除グッズを使用するのもおすすめです。

畳の汚れを浮かせて落とす「技・職人魂 畳汚れ職人 畳専用洗剤500ml」

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この洗剤のすごいところは、畳に付着した「歴代汚れ」に素早く浸透し、今まで蓄積していたカビやホコリ、皮脂よごれやダニなどのよごれを浮かせて落とすことができます。また、防菌、防カビ成分が配合されていますが、人体には影響がないものを使用されているので普段のお手入れにも安心して利用できます。

畳の業務用洗剤「よごれ落とし 畳専用クリーナー」

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ホテル旅館洗剤専門店から販売されている畳の業務用洗剤です。こちらは防虫・除菌の効果があり、畳の日焼け止めにも効果を発揮してくれるクリーナーになります。
畳のよごれた部分に数秒スプレーして布でふき取るだけなので業務用洗剤ですが、使い方が簡単です。ただ、あまりにも古いシミよごれには効果が薄いようです。

これだけは止めよう!誤った畳のカビ掃除方法


カビ汚れは単なる汚れではありません。誤ったお掃除方法をすると他の畳部分に汚れを広げてしまう可能性があります。

「乾拭き」だけのカビ掃除はダメ!

畳の掃除仕上げに乾拭きは重要です。ですが、何もしない状態で乾拭きだけをしてしまうと、カビを他の面に広げてしまうことになります。まずは、消毒用エタノール等の洗剤を使用した後に乾拭きをしっかり行いましょう。

「水拭き」だけだと余計にカビ発生!

水拭きだけだと、畳により湿気を加えて新たなカビを作る結果になります。水拭きではなく、他の物を使用してお掃除するのがベストです。もちろん最後には乾拭きをしっかり行いましょう。

「布でたたく」のはカビを押し込んでいるだけ!

畳にカビが発生しているのは、表面のい草部分のみです。ひどいカビ汚れの時以外は内部にまでカビは発生していません。布でカビ部分を叩いてしまうと、内部にまでカビを押し込んでしまうため、今後のお掃除でもよりカビを除去しにくくなります。

畳のカビ発生を防ぐ方法


畳は季節によっては、かなりカビが発生しやすくなります。その度に何度もお掃除に時間を費やすのは難しいですよね。簡単に取り入れられる畳のカビを発生しにくくするための対処法をご紹介します。

部屋の湿気を減らす

畳を使用した部屋の湿気を減らすために、日頃から換気をしっかり行い、エアコンの除湿機能や除湿機を使用して湿気をコントロールするようにしましょう。

お洗濯の部屋干しは避ける

梅雨の時期だとどうしても部屋干しをする機会が増えてしまいますが、畳のある部屋での部屋干しは止めましょう。

布団を敷きっぱなしにしない

畳の部屋で布団を引いて寝ているご家庭もあるのではないでしょうか。布団を敷きっぱなしにしていると寝汗がそのまま布団を通じて畳にいってしまうため、カビの温床になります。黒カビも発生しやすくなるため、毎回起床したら布団をたたむ習慣をつけましょう。
もしも、習慣にするのが難しいようでしたら、すのこなどを布団下に敷いて通気を良くすると直に引くよりカビも発生しにくくなります。

畳の下に防湿シートを敷く

今はベッドマットの下にでも弾ける簡易的な防湿シートが多く販売されています。防湿シートを畳の下に引いて、湿気を除湿すると効果的です。ただし、防湿シートは定期的に日干しして乾燥させなければ意味がありませんので、引きっぱなしにするのは止めましょう。

週1回は畳のお掃除をしましょう


畳にカビが発生しやすい6〜9月の時期は、できれば週1回の畳のお手入れをすると良いでしょう。もしもお手入れす流手間が大変なら「畳のカビ発生を防ぐ方法」でご紹介させていただいたもので、換気をこまめに行い、できるだけ湿気を溜め込まないようにしてあげましょう。
「畳ってお手入れの手間もあるし、カビが生えるなら面倒」とお考えの方もいるかもしれませんが、畳は天然の湿度調整器です。上手に取り入れれば、フローリングでは味わえない、天然い草の良い香りのする快適な和室を維持することができます。
もしも今回ご紹介した方法でもカビ汚れを落としきれなかった場合やカビが広範囲にわたって発生している場合は、畳専門の業者さんにお願いして新しい畳に張り替えることをおすすめします。
ご自宅の居住環境によっては、湿気が下から上がってくるのが原因で畳がダメになっている場合もありますので、畳専門の業者さんに1度みてもらうと良いでしょう。