小さなお子様のいるご家庭だと、口にすぐ持っていく赤ちゃんのために、どのようなお掃除グッズを買えばお子様に安全なのか気になっている方もいるのではないでしょうか?そんな方に朗報です!「無水エタノール」は、お掃除だけでなく、除菌、消臭、カビ予防や虫除けスプレーにも使用できる万能選手なんです!今回は無水エタノールを使用したお掃除方法と、使用する際の注意事項についてご紹介します。
無水エタノールとは?
無水エタノールとは、「消毒用エタノール」の横によく陳列されて薬局で販売されています。この「消毒用エタノール」は「無水エタノール」と違い、水分が20%含まれた状態で販売されています。
一方無水エタノールは水分が含まれていないため、揮発性に優れ、家電製品の拭き取りや拭き残し後が気になるお掃除にもうってつけです。
一般的なお掃除洗剤と比較すると少し割高に感じるかもしれませんが、無水エタノールは様々な場所に使用でき、場所別に薄めて使用することも可能です。「お家のお掃除グッズを無水エタノールでひとまとめに出来る!」と考えると費用対効果は抜群です!
場所別・無水エタノールでお掃除するやり方
無水エタノールを使ってお掃除するおすすめの場所についてご紹介します。無水エタノールは掃除する場所によって濃度を調整して使用します。そのために必要な、無水エタノールでお掃除する際の共通する事前準備についてご紹介します。
無水エタノールをスプレーボトルに入れてお掃除する際の事前準備
- 精製水
- アルコールでも使用可能なスプレーボトル
- マスク
- ゴム手袋
無水エタノールは強いアルコールです。通常100円ショップで販売されているプラスチック製のスプレーボトルダだと溶けてしまう可能性があります。使用する際は、アルコールでも使用可能なスプレーボトルを用意しましょう。
また、希釈する際水道水を使用してしまうと、エタノール水の持ちが悪くなるので、できれば精製水を用意して希釈するようにしてください。
無水エタノールは強いアルコールです。そのまま作業すると手荒れを起こすので、必ずゴム手袋をはめてお掃除するようにしましょう。
キッチン
食事を作るキッチンに、除菌効果や油汚れ落とし効果の高い無水エタノールは効果的です。油汚れの度合いによって、希釈するか原液で使用するのかを決めると良いです。
軽い油汚れ部分には「8割希釈の無水エタノール」でお掃除!
- 無水エタノール(80ml)
- 精製水(20ml)
- 布巾
- スプレーボトル
- スプレーボトルに無水エタノールと精製水を入れて混ぜる
- キッチンの汚れの部分にエタノールスプレーを吹きかけて布巾で拭く
軽い油汚れ部分や換気扇、ガスコンロ周りには8割に希釈した無水エタノールスプレーを用いると効果的です。除菌効果も期待できるので、エタノールスプレーは1本つくっておくとちょっとした汚れにもすぐ使えるので便利です。
また、無水エタノールは精油を溶かす性質があるので、一緒に虫除け効果のある「ハッカ油」を数的入れるのも良いです。このハッカ油はキッチンに潜むゴキブリの嫌うにおいなので、ゴキブリ対策としても使用できます。
ひどい油汚れには「原液の無水エタノール」でお掃除!
- 無水エタノール(原液)
- 布巾
油汚れのひどい部分に布巾に無水エタノールを含ませて磨く
8割希釈したものでも十分効果はありますが、より油汚れのひどい部分には原液のまま使用するのがおすすめです。ただし、原液で使用する際は、取り扱いに十分注意してください。
リビング・ダイニング・和室
普段家族がいるリビング周りにも無水エタノールでお掃除するにはうってつけです。除菌もできるので、小さなお子様や赤ちゃんのいる家庭でもオススメなお掃除グッズです。
除菌したい家具や手垢が気になる部分にサッと「エタノールスプレー」
- 無水エタノール(70ml)
- 精製水(30ml)
- スプレーボトル
- マイクロファイバークロス
- 無水エタノールと精製水を7:3の割合でボトルに入れて混ぜる
- ②スプレーを手垢がになる家具やドアノブに吹き付けてマイクロファイバークロスで拭きあげる
手垢汚れの気になる家具やテーブル、お子様のおもちゃの除菌にも使用できます。除菌が目的の場合は、吹き付けて数分時間をおいてからクロスで拭くと良いです。風邪が流行する時期にも使えます。
ただし、テレビの液晶画面にアルコールで拭きあげるのはNGです。アルコールの揮発性でテレビのコーティングを剥がしてしまいます。お掃除するつもりでアルコールを吹きかけて、テレビの液晶に傷を入れてしまっては大変です。
サッシの窓
- 無水エタノール(原液)
- マイクロファイバークロス
無水エタノールを窓にスプレーし、マイクロファイバークロスで拭き取る
無水エタノールは揮発するため、拭き残しが残りません。また、一緒に使用するマイクロファイバークロスで窓を磨くことで繊維が残る心配もありません。
無水エタノールの原液使いで「シール剥がし」や「落書きを消す」
- 無水エタノール(原液)
- 歯ブラシ
- シールの上に無水エタノールを垂らし、浸透させる
- 無水エタノールが乾ききらないうちに歯ブラシでこすってシールを落とす
これを何度か繰り返してシールを剥がしていきます。ポイントは無水エタノールが乾ききらない程度に浸透させることです。これで、シールのベタつきもしっかり落とすことができます。
落書きを消す手段も同じです。エタノールは油性インクも落としてくれます。原液の無水エタノールを布巾に少量とり、落書き部分をこすり落とします。こちらも液が乾ききらないうちに行うのがポイントです。ただし、落書きされている部分がデリケートな素材の床や壁の場合、ダメージを入れてしまったり、より汚れを広げてしまう可能性もあるので注意が必要です。
畳のカビ取り
- 無水エタノール(80ml)
- 水(20ml)
- ブラシ
- 雑巾
- スプレーボトル
- 掃除機
- 畳目にそってブラシでカビ部分をかき出す
- かき出した汚れ部分を掃除機をかけてきれいにする
- 無水エタノールと水をスプレーボトルにいれて混ぜ合わせる
- 畳のカビ部分にエタノール水をかけて3〜⑤分程度放置する
- 乾拭きをしっかり行う
畳のカビ取りにも無水エタノールを使用することができます。この場合、消毒用エタノールと同じ程度の濃度調整でしっかり効果を発揮できます。そのため、無水エタノール:水を8:2の割合で薄めてエタノールスプレーを作ります。
畳のカビの原因は「湿気」です。エタノールを使うことで揮発性して乾きやすくなりますが、しっかりと乾拭きも行いましょう。また、よく乾燥させ、カビの胞子を吸い込まないためにも、換気をしっかりおこない、マスクや手袋も使用するようにしましょう。
その他・小物類
普段使用する小物類も無水エタノールを使用してお掃除することができます。以下に紹介するものには原液で使用するのがおすすめです。
メイクブラシ
- 無水エタノール(原液)
- ガラス製コップ
- ティッシュ
- コップに無水エタノールを原液入れて、メイクブラシを洗う
- ティッシュにとってメイクブラシの色を落としていく
- 色が出てこなくなるまで、無水エタノールで洗う
これを何度か繰り返していくとメイクブラシについた汚れをきれいに落とすことができます。原液で使用するため、メイクブラシに水分が残る心配もありません。
電子タバコ
- 無水エタノール(原液)
- 赤ちゃん用綿棒
- 赤ちゃん用綿棒に無水エタノールをしみこませる
- 電子タバコ内部をこすって掃除する
電子タバコについている専用のクリーニングスティックは高額なので、その代わりに赤ちゃん用綿棒と無水エタノールを使用して清掃します。揮発性が高いので、無水エタノールが乾ききらないうちにお掃除をするのがコツです。
パソコンのキーボード、リモコンなど
- 無水エタノール(原液)
- キムワイプ
- 赤ちゃん用綿棒
- キムワイプに無水エタノールをつけてキーボード周辺をふく
- 細かい部分には赤ちゃん用綿棒に無水エタノールをつけて磨く
キムワイプは家電製品の汚れを掃除するのに適しています。原液で使用すれば、その後再度拭く必要もなく、キーボードに付着した皮脂汚れを除去することができます。
無水エタノールのお掃除以外の活用方法
無水エタノールはお掃除以外にも使用できます。精油を使用した虫除けやカビ予防等日常で使える便利な方法をご紹介します。小さなお子様がいて天然成分にこだわりたい方はぜひ取り入れてみてください。
アロマの香りと共にカビ予防&消臭効果
- 無水エタノール(10ml)
- 精製水(90ml)
- 精油(ティートリー、ペパーミント)5〜10滴
カビ予防に効果的な精油を使用してカビ対策をすることができます。香りも良いので、普段のお掃除の一手間で使用するのがおすすめです。あまり大きなサイズで作ると香りと効果が飛んでしまうので少量ずつつくって使用しましょう。
虫除けスプレーを作る
- 無水エタノール(10ml)
- 精製水(90ml)
- ハッカ油(5〜10滴)
- スプレーボトル
ハッカ油には虫除け効果があります。無水エタノールの精油を溶かす性質を使用して、ハッカ油を精製水に溶かせば、虫除けスプレーを作ることができます。市販で売られている虫除け成分が心配だとお考えの小さなお子様を持つ方は、手作りの虫除けスプレーを使用するのがオススメです。
お好みに応じてレモングラスやユーカリを足すのも良いでしょう。
花粉症の症状を和らげる
- 無水エタノール(5ml)
- 精油(1〜2滴)
- ガーゼ、洗面器
洗面器に無水エタノールと精油を入れてよくかき混ぜます。その中に水を入れてよくかき混ぜ、ガーゼを浸します。ガーゼに精油の香りが移ったら固く絞って目の上に置きます。
お好みの精油や鎮静効果の高いカモミールなどを使用すると花粉症の症状を和らげることができます。
無水エタノールを使うときの注意点
無水エタノールはとても万能選手です。ですが、使用法や使用場所を誤るととても危険なので以下のことには注意するようにしてください。
要注意・火気厳禁!
無水エタノールは、アルコール成分99.5%です。ほぼアルコールでできているため、引火しやすいです。キッチン周りや火元が近い箇所を掃除する際には、拭き残しの無いように注意してください。
使用中は必ず換気
揮発性に優れた性質があるため、使用中は必ず換気するようにしましょう。蒸発したアルコールが充満する可能性があります。アルコール成分を吸って気分が悪くなる可能性もあるので、十分注意して換気するようにしましょう。
最悪、ガス漏れ検知器がアルコールに反応してベルが鳴ることもあるようです。
直接触れない
素手で触ってしまうと、手指の皮が荒れてしまいます。特に原液のまま使用する際、無水エタノールが皮膚につくと白く手荒れを起こします。必ずゴム手袋を用意してお掃除するようにしましょう。
使用後は容器のフタはしっかりと閉める
ほぼアルコールでできているため、蒸発しやすいです。無水エタノールを使用した後は必ず蓋をしっかり締めるようにしましょう。
また、いっぺんに無水エタノールと水で割ったものを大量にストックするのはおすすめしません。使用するたびに、水で割って作るようにしましょう。長期間放置されたものだと、効果が半減します。
無水エタノール、エタノール、消毒用エタノールは濃度が違う
無水エタノールが99.5%以上、 エタノールが95.1〜96.9%、消毒用エタノールが76.9%〜81.4%になります。エタノールや消毒用エタノールでも濃度が濃いため、お掃除するのに問題ありません。
ただ、水分が残ると困る電化製品や油汚れがひどい部分には無水エタノールを使用する方がより効果的です。
プラスチック製品が溶けることもある
プラスチック製品に使用する前は、目立た無い場所で一度試してから使用するようにしましょう。原液の無水エタノールを使用せず、薄めてしまえば問題無いでしょうが、強すぎるアルコールはプラスチック製品を溶かしてしまうこともあります。
お家でお使いの家具によっては、アルコール成分に反応してニスが剥がれることもあります。使用する際は、適度な濃度に調整して、問題無いか確認してから使用するようにしましょう。
無水エタノールを毎日効果的に使用して掃除の手間を省きましょう!
無水エタノールは濃度調整によって頑固な油汚れのお掃除から、簡単な手垢のお掃除まででできます。ぜひ、毎日のお掃除の際にエタノールスプレーを使用し、除菌、防菌をおこない、カビやにおいの発生しないお部屋を手に入れましょう。
また、お掃除以外にも精油を使用したスプレー作りにも使用できますので、ご家庭に1本無水エタノールを常備しておくと色々使えて便利かと思います。
無水エタノールを原液で使用してもよごれが落ちない場合や、アルコールが使えない場所のお掃除には業者さんにお願いするのも良いでしょう。