掃除

チンするだけで楽ちんきれい! 電子レンジの掃除方法

多彩な機能を備え、今や毎日の調理に欠かせないといっても過言ではない電子レンジ。しかし、毎日使うだけに汚れやすく、ちょっと掃除をしないとすぐに頑固な汚れがついてしまうというのが悩みどころです。今回ご紹介するのは、そんな電子レンジを簡単にきれいにする方法。なんと、あるものをレンジでチンするだけで、しつこい汚れも楽に落とせるようになるんです。

電子レンジの主な3つの汚れ


電子レンジの汚れの原因は主に3つ。それぞれ簡単に見ていきましょう。

食べ物のカス

電子レンジを使っていると、中で食べ物がポンっと爆発することがありますよね。そのときに飛び散ったカスも汚れの主な原因。また、出し入れの際にこぼしてしまうなんてこともあるでしょう。拭き取り切れなかったものが残ると、品に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が固まり、やっかいな汚れになっていきます。

水垢

見落としがちなのが水垢汚れ。食品を温める際に発生した水蒸気を放っておくと、庫内や扉のガラスに白い筋状の汚れとなって残ります。これは、水の中に含まれるミネラル分が固まったもの。こうなってしまうと、こすっただけでは落とせません。

油汚れ

食べ物をあたためるときに跳ねたり気化したりした油が庫内に付着します。あたたかいうちに拭き取れば落ちる油も、冷えて固まるとなかなか落ちない汚れに進化してしまいます。

焦げ付き

油汚れや食べ物のカスを放っておくと、それが加熱されて焦げ付きに変化してしまいます。こうなると、さらに汚れは落ちづらくなってしまいます。

電子レンジを掃除する上での注意点


電子レンジを掃除する前に、3つの注意点を確認しておきましょう。注意点といってもどれも簡単なこと。まずはこれを読んで、しっかりと準備しておきましょう。

説明書をよく読む

掃除をする前に、説明書の注意事項をよく確認しておきましょう。機種によっては、ここでご紹介する方法が使えないこともあります。故障の原因ともなりますから、その場合は無理に行わず、推奨されている方法で掃除してください。

強くこすらない

頑固な汚れを落とそうとしてやりがちなのが、目の粗いスポンジなどで力いっぱいこすること。汚れを落とすのに効率的でないばかりか、電子レンジ自体を傷つけてしまいます。

できればゴム手袋をつける

電子レンジの中には、小さな突起などがある場合があります。また、汚れを温めてふやかす方法では、やけどの危険もあります。怪我ややけど防止のために、ゴム手袋をつけて行うとよいでしょう。

天井も忘れずに!

毎日のように使っていても、意外と天井にまで意識がいっていないという方も多いのではないでしょうか。電子レンジを掃除するときは、壁や床だけでなく、天井もしっかりと磨きましょう。

電子レンジの掃除方法


注意点がわかったら、いよいよ掃除をしていきましょう。汚れの種類や頑固さによって適した方法があります。まずは軽い汚れの場合から、順番に解説していきます。

基本的な掃除方法

毎日の汚れをためないようにするには、使う度に拭き掃除をするのが一番です。電子レンジを使ってすぐ、庫内があたたかいうちは汚れも落ちやすいので、濡れ布巾などでさっと拭き取ります。取り外せるターンテーブルがついている場合は、食器用洗剤で洗いましょう。
使う度の掃除を徹底するだけで、汚れがたまるのは防げます。ぜひ習慣にしたいですね。

頑固な汚れを落とす掃除方法

それでも落ちなくなってしまった汚れを落とすには、水蒸気を使った方法がオススメです。耐熱容器に水を入れるか、濡らした布巾やタオルを用意します。それを電子レンジで加熱してから、拭き掃除をします。発生した水蒸気が汚れをふやかしてくれるので、簡単に落ちるようになりますよ。

掃除方法
  1. 耐熱容器に水を入れる(マグカップに半分程度)。あるいは、濡らして軽く絞ったタオルを用意する
  2. 1を電子レンジに入れ、3~5分加熱する
  3. 水蒸気が汚れをふやかすまで、5~10分ほど扉を開けずに待つ
  4. 時間がきたら耐熱容器を取り出し、布巾で庫内を拭き掃除する

食べ物汚れや水垢を落とす掃除方法

料理やソース、水に含まれるミネラル分が固まってできる汚れには、クエン酸が効果を発揮します。これらの汚れはアルカリ性なので、クエン酸に含まれる酸の力に弱いのです。クエン酸は食品添加物にも使われる酸味の成分で、電子レンジの掃除に使っても安全なのもポイントです。
まずは耐熱容器に水とクエン酸を入れて電子レンジでチンします。その後、しばらく汚れをふやかしてから拭き掃除をします。

掃除方法
  1. 耐熱容器に水を入れ、クエン酸を溶かす。割合は、水100mlに対してクエン酸小さじ1杯程度
  2. 1を電子レンジに入れ、3~5分加熱する
  3. クエン酸が汚れを分解するまで、15~30分ほど扉を開けずに待つ
  4. 時間がきたら耐熱容器を取り出し、布巾やキッチンペーパーで庫内を拭く
  5. 庫内を拭いた布巾などで外側も掃除するとよい

クエン酸がない場合は、普段使っているお酢で代用することもできます。その場合は、水200mlに対してお酢40mlくらいの割合で混ぜたものを使います。
お酢の場合は独特のにおいが残りやすいので、仕上げに水拭きをして、しばらく電子レンジの扉を開けておくとよいでしょう。

油汚れを落とす掃除方法

油汚れを落とすには、重曹がおすすめです。重曹はベーキングパウダーなどに使われるもので口に入れても安全ですから、食品を扱う電子レンジの掃除にはぴったり。水に溶かすとアルカリ性を示すので、酸性の油汚れを中和してどんどん落としてくれます。
やり方は簡単。耐熱容器に水を入れ、そこに重曹を溶かします。それを電子レンジで加熱して蒸気を発生させ、しばらく放置。その後に拭き掃除をし、最後に水拭きをすれば完了です。

掃除方法
  1. 耐熱容器に水を入れ、重曹を溶かす。割合は、水100mlに対して重曹小さじ1杯
  2. 重曹水を電子レンジに入れ、3~5分加熱する
  3. 重曹が油を分解するまで、15~30分ほど、扉を開けずに放置する
  4. 時間がきたら耐熱容器を取り出し、布巾やキッチンペーパーで庫内を掃除する
  5. 庫内を掃除した布巾などで外側も掃除するとよい
  6. 仕上げに、拭き掃除をしたところを固く絞った布巾でもう一度拭く

重曹を使ったあとにそのままにしておくと、白く跡が残ってしまうことがあります。仕上げの水拭きは忘れずに行いましょう。

頑固な焦げを落とす掃除方法

チンしてふやかす方法でも落ちないほど強力な焦げには、重曹ペーストを使います。重曹は水に溶けにくく、少量の水と混ぜることでクレンザーのような研磨剤としても使えるんです。
重曹ペーストで磨いても完全に落ちない場合は、ペーストをつけたまましばらく放置してみましょう。重曹が汚れの成分に作用し、さらに落としやすくしてくれます。

掃除方法
  1. 重曹に水を少しずつ入れて混ぜる。指につけてさかさまにしても落ちないくらいの固さがベスト
  2. 作った重曹ペーストを焦げに付け、布巾で磨く
  3. それでも落ちないときは、重曹ペーストをつけて30分~1時間ほど置いておく。乾燥防止にラップをしておくとよい
  4. その後、布巾で磨く
  5. 最後に水拭きをして完了


動画は鍋の焦げ取りですが、同じように行えます。
焦げ付きはついつい固いたわしなどで落としたくなってしまいますが、電子レンジを傷つけてしまうので絶対にやめましょう。故障の原因になるのはもちろん、傷が増えるとさらに汚れもたまりやすくなってしまいます。
もし、重曹ペーストを使って布巾でこすっても落ちないほどの焦げがある場合は、プラスチックカードを試してみてください。使わなくなった免許証やクレジットカード、ポイントカードなどでこそげるようにすれば、電子レンジを傷つけることなく、焦げがきれいに落とせます。

嫌なにおいを消す掃除方法

さまざまな食品を入れる電子レンジは、汚れだけでなくにおいも気になるところ。クエン酸や重曹である程度のにおいをとることはできますが、それでも気になる場合は消臭作用のある食品を1~2分チンしてみましょう。
代表的なのは、お茶ガラやコーヒーの搾りかす、レモンやオレンジなどの柑橘類の皮などです。わざわざ特別なものを用意する必要はありません。掃除の休憩にコーヒーブレイクでもはさんだあと、それを有効活用してしまいましょう。

掃除方法
  1. 柑橘類の皮を使うときは、さっと水洗いして水気をとっておく。お茶やコーヒーは湿った状態で使う
  2. お茶ガラなどを耐熱容器に入れ、ラップをせずに1~2分加熱する
  3. 時間がきたら取り出して完了

電子レンジを汚れにくくする方法


汚れをためずに電子レンジを使うには、こまめな拭き掃除が一番です。使う度は難しくても、気がついたときに水拭きする習慣がつけられれば、それだけで頑固な汚れを防ぐことができます。
また、食品をあたためるときにラップや蓋をするのも効果的です。ついつい面倒でそのまま電子レンジに入れてしまいがちですが、ラップや蓋をするのとしないのとでは、汚れ方が段違いです。ラップの場合、あまりピタッとしてしまうと破裂する恐れがあるので、ふんわりとかけるか、空気抜きの穴を小さく空けておくとよいでしょう。

2~3ヶ月に一度は丁寧な掃除を


調理や加熱、解凍など、多彩な用途に使える電子レンジ。非常に便利ですが、毎日のように使う分汚れがたまりやすい上に、放っておくと、食べ物のカスや水垢、油に焦げと、いろいろな種類の汚れが積み重なってしまいます。積み重なった汚れはただこすってもなかなか落ちません。
そこで活躍するのが、今回ご紹介した方法。水やクエン酸水、重曹水を電子レンジでチンするだけで頑固な汚れを簡単に落とせます。汚れは放っておけばおくほど落としにくくなっていくので、こまめな拭き掃除に加え、2~3ヶ月に一度は、今回ご紹介した方法を使って掃除をしていくとよいでしょう。
ただし、長年放置してしまった汚れに対しては、ご紹介した方法でも効果が見えないことがあります。そうした場合は無理してこすり落とそうとせず、専門の掃除業者に頼みましょう。一度徹底的にきれいにしてもらえば、その後はちょっとした心がけできれいを保てるようになります。