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洗濯機のお掃除に役立つ重曹をパワーアップさせる方法と注意点

洗濯機のお掃除、重曹で何とかなるかしら?小さな子どもがいるからこれが一番安心なんだけど……。洗濯槽のお掃除には漂白剤が使われることが多いですが、強めの洗剤なので敬遠する人もいるようですね。安全面を考えるとエコな重曹がオススメですが、漂白剤に比べ洗浄力が劣るので、お湯やクエン酸・お酢などを活用してパワーアップさせましょう。

洗濯機のお掃除に重曹ができる3つのこと


まずは洗濯機のお掃除に重曹を使ったときの効果やメリットから確認していきましょう。

重曹はタンパク汚れに効く

洗濯機に付着する汚れの一つにタンパク汚れがありますが、これは衣類についた飲食物の食べこぼしや皮脂などから生まれる汚れです。タンパク汚れは酸性の性質を持つため、弱アルカリ性の重曹で中和・分解して洗浄することができます。

重曹は洗浄力を上げることができる

重曹の洗浄力は中性洗剤より少し高いくらいで強力とは言えません。けれど、お湯で温めるとパワーアップし漂白剤に近い強さの洗浄力を持ちます。また、クエン酸やお酢と併用することで幅広い汚れに対応できるようになります。

重曹は人に優しい

重曹は天然由来の素材で作られています。人にも環境にも優しいので悪影響も少なく、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心して使えますね。

重曹を使った洗濯機の掃除方法


洗濯機のお掃除で重曹の特性がいかされるのは、洗濯槽やフタ・操作ボタン周辺です。

洗濯槽の洗浄

重曹で洗濯槽をお掃除する場合は、「汚れを浮かして取り除く」が基本です。じっくり時間をかけてタンパク汚れなどを中和・分解させ、水に浮かび上がってきたところをすくい取ります。作業には数時間かかるのでその間お洗濯ができないことも頭に入れておいてください。
「縦型洗濯機」と「ドラム式洗濯機」ともに同じ手順をふみますが、ためるお湯と使用する重曹の量が変わります。

縦型洗濯機の場合

掃除方法
    1. 洗濯槽に50℃前後のお湯をためる

水でもお掃除は可能ですが、お湯を使った方が重曹の洗浄効果が高まります。洗濯機によって耐熱温度が異なるので不安なときは確認しておくといいでしょう。
また、できるだけ広い範囲をお掃除したいので水位は最大にしてください。

    1. 重曹を入れ全体になじませる

重曹を槽全体になじませるために、5分ほど洗濯機を回して撹拌させてから5時間以上そのままの状態でおいておきます。おいておく時間は長いほどいいと言われますが、長くても一晩くらいにしておきましょう。それ以上放置すると特に夏場は嫌な臭いの原因にもなります。

    1. 浮いてきた汚れをゴミすくいネットですくう

時間をおいた洗濯槽には重曹ではがされた汚れが浮いてきます。これをゴミすくいネットでできるだけすくい取ります。

    1. 洗濯機を回してもう一度汚れをすくう

汚れをあらかた取り終えたら洗濯機を2~3分回します。隠れていた汚れが浮いてくるのでもう一度ゴミすくいネットですくい取ります。
汚れを残したまま水を流してしまうと、排水溝が詰まり洗濯機の故障につながります。汚れをすくうのは大変ですができるだけ丁寧に取り除いてください。

    1. 排水後、すすぎと脱水

汚れを取り終えたら排水し、仕上げに新しい水で2~5回すすぎ・脱水を行い汚れが出なくなったらお掃除完了です。

【閲覧注意】重曹で洗濯槽掃除できるんだって!

ドラム式洗濯機の場合

掃除方法
    1. 洗濯槽に50℃前後のお湯をためる

ドアを開けてゴミをすくう作業があるので、ドラム式洗濯機の場合は、ドアを開けてもこぼれないくらいまでお湯をためます。

    1. 重曹を入れ全体になじませる

重曹は多すぎるとうまく水に溶けないので、ためたお湯の量にあわせて分量を調節してください。
※洗濯機にどれだけのお湯が入るかわからないときは、あらかじめ10リットルのバケツや2リットルのペットボトルなどを利用してドラムに水をためて計量してみるといいですね。

3~5.上記の「縦型洗濯機の場合」と同じ

フタや操作パネル周辺の拭き掃除

洗濯機のフタを開けたり閉じたり、あるいは操作ボタンを押したり、洗濯機に触れる機会は意外に多く人の手垢がつくことも珍しくありません。手垢の汚れ落としは重曹が得意とすることの一つです。
掃除方法はいたってシンプル、重曹を薄めた水溶液を雑巾にしみこませて拭くだけです。中性洗剤を使ったときのような二度拭きの手間がないのがメリットです。

重曹の水溶液の作り方

水500mlに対して重曹大さじ2を加えよく混ぜて溶かします。
※人肌程度のお湯を使うと重曹の洗浄効果を上げることができますが、その分人の肌にも刺激が強くなるので、お湯を使うときはゴム手袋を着用するようにしましょう。

重曹をサポートするクエン酸とお酢


キッチンやリビングなどいたるところでお掃除に役立つ重曹ですが、汚れに対して万能なわけではありません。
汚れには酸性のものとアルカリ性のものがあり、重曹が得意とするのは酸性の汚れを浮かせて落とすこと。アルカリ性の汚れを落とすのは苦手なのです。
洗濯機で言えば水垢(カルキ)、石けんカスなどがアルカリ性の汚れに含まれ、これには酸性のクエン酸やお酢が効果的です。重曹だけで落とせない汚れはクエン酸やお酢の力を借りましょう。

<洗濯機につく主な汚れと洗浄効果>

重曹クエン酸・お酢
酸性の汚れ

  • タンパク汚れ
  • 皮脂、手垢など
×
アルカリ性の汚れ

  • 水垢(カルキ)
  • 石けんカスなど
×

〇……汚れを落とす効果がある
×……汚れを落とす効果がない
※ただし、酸性とアルカリ性の汚れが混ざり合っていると二次的な効果で両方とも落とせたり、ついたばかりの汚れなら洗濯やすすぎの水流で流れたりすることもあります。

クエン酸と重曹を一緒に使う

重曹とクエン酸を一緒に使うと、酸性・アルカリ性の両方の汚れを対処することができます。
洗浄効果は重曹のみより高くなりますが、残念ながらドラム式洗濯機にはあまり向いていない掃除方法です。ドラム式洗濯機をしっかり洗浄したいときは、専用のクリーナーや漂白剤の使用するか業者に依頼することをオススメします。

掃除方法
    1. 洗濯槽に50℃前後のお湯をためる

ためるお湯の量は、重曹のみのときと同様に洗濯機の最大水位まで。

    1. 重曹とクエン酸を入れる

重曹・クエン酸が水分に触れるとシュワシュワと音をたてて発砲します。見慣れないと驚くかもしれませんが、泡の正体は炭酸ガスなので人体に悪影響はなく心配はありません。

    1. そのままの状態で1時間以上おく

重曹のみに比べると汚れが浮いてくるのも早いですが、やはり放置時間が長いほど汚れを浮かす効果が高まります。夜寝る前にお湯、重曹、クエン酸を洗濯機に投入して、翌朝、下記の手順を行うのがベストです。

    1. 浮いてきた汚れをゴミすくいネットですくう

重曹・クエン酸ではがされたタンパク汚れや水垢などが浮いてきます。目をそらしたくなる光景ですが、汚れをすくうのは洗濯槽のお掃除で一番大事なポイントでもあります。頑張ってください。

    1. 洗濯機を2~3分ほど回しもう一度汚れをすくう

洗濯槽の裏などに隠れたいた汚れが現われてきます。これがきちんと拾えたらお掃除完了まであと一歩です。

    1. 排水後、すすぎと脱水を水がキレイになるまで繰り返す

汚れの蓄積が激しいと上記の手順では十分にキレイにならないことがあります。その場合もう一度はじめからお掃除をするか、汚れをすくい取る作業を何度も繰り返し行わなければいけません。
しっかり汚れをため込んだ洗濯機のお掃除動画を見つけたので、参考までにご覧ください。

洗濯機の掃除は重曹とクエン酸で【閲覧注意】10年分の汚れは・・・

クエン酸の代用に酢を使ってもOK!

お酢はクエン酸に近い酸性の性質を持ち、同じようにアルカリ性の汚れ落としに効果があります。
たくさんの種類があるお酢ですが、お掃除に向いているのは穀物を原料とした穀物酢やホワイトビネガーで、向いていないのは米酢、果実酢、すし酢。
使用する量は、重曹150gに対してお酢300mlが目安です。

クエン酸や酢を使うときの注意点

重曹のみのお掃除より、重曹とクエン酸の両方を使った方が洗濯槽がキレイになることがわかりました。それならば積極的にクエン酸を使おうという人も多いと思いますが、気をつけなければいけないことがあることも知っておきましょう。
特に気をつけたいのが、有毒ガスが発生するおそれがあるので「塩素系洗剤と混ぜない」ことです。また、酸性の成分が素材を痛めるので大理石、鉄、タイルの目地に触れさせないように気をつけてください。さらに酸性度の高いクエン酸はフローリング(木)もNGです。

セスキ炭酸ソーダは重曹と併用しない

ナチュラルクリーニングの代表に重曹、クエン酸があげられますが、それに加えてセスキ炭酸ソーダも注目を集めるようになりました。一緒に使えばさらに洗浄効果が高まるのでは?と考える人もいるかもしれませんね。しかし、セスキ炭酸ソーダは重曹と同じ弱アルカリ性なので併用するメリットはありません。お掃除には単独で使うのがオススメです。

重曹を使うときの注意点


重曹は人の体の中にも存在する物質で危険なものではありません。けれど、使用するときにはやはりいくつかの注意点があります。

人の肌に負担をかける

重曹は弱アルカリ性でタンパク汚れに効果を発揮しますが、人の皮膚にも反応してしまいす。粉のままの重曹に長時間触れる場合、肌が弱い、手荒れしやすい人はゴム手袋をして作業すると安心です。

目に入ったら洗い流す

重曹が目に入ってしまったら、こすらず清潔な水で十分にすすぎ流してください。うっかりこすってしまうと重曹の粒子が角膜を傷つけ充血、痛みなどが残ることがあります。その場合は医療機関に相談してください。

重曹を高温の熱湯で使用しない

一般に重曹は、洗浄効果を高めるのに50℃程度のお湯に溶かすと良いとされています。しかし、それを超える高温(65℃以上)の熱湯になるとアルカリ度が強くなりすぎて肌荒れの原因になります。

保存は湿気を避ける

重曹は常温で安定性があり長期保存が可能ですが、湿気で固まるという弱点があります。保存の際はフタやジッパー付きの容器をご利用ください。

年に1回は洗濯機を徹底的にお掃除


重曹を使ったお掃除頻度は月に1回が目安ですが、これだけでは水垢など重曹が苦手とする汚れを落とせません。洗濯機や洗ったはずの衣類が臭う原因にもなりかねないので、年に1回は酸性とアルカリ性の汚れの両方に効果がある徹底的なお掃除をオススメします。
いろいろな都合で徹底的なお掃除が難しいようなら、業者に依頼するのもいいでしょう。例えば、

  • 長い年月掃除をしなかったので自力でキレイにするのは困難と思われる
  • ドラム式洗濯機だけど漂白剤のような刺激のきつい洗剤を使いたくない
  • プロの仕事を見てみたい

など、お掃除を人に頼むのは気が引けるという人もいるかもしれませんね。けれど、汚れをそのままにしておくと洗濯機の寿命が縮まったり、故障の原因になったりするかもしれません。そうなる前に思い切って専門の業者に相談するのも良い方法です。