シャワーヘッドってやっぱり掃除する物?浴室の掃除はできていてもシャワーヘッドまでは気が回らないことが多いようです。浴室同様お掃除が必要ですが、汚れの種類に合わせた方法でないとなかなかキレイになりません。今回ご紹介する7つの掃除方法から、あなたがお使いのシャワーヘッドに最適な方法を見つけてください。
シャワーヘッドの主な汚れは3種類
シャワーヘッドの汚れトップ3は、「カルキ(水垢)」「石けんカス・皮脂」「カビ」です。この3つの対策をすれば概ねシャワーヘッドの汚れを落とすことができます。
カルキ(水垢)
シャワーヘッドに付着している白い汚れ、指先でこすっても落ちない頑固な物はほとんどがカルキです。水道水に含まれるカルシウムなどのミネラルが凝固した汚れです。
石けんカス・シャンプー・皮脂
髪の毛や体を洗ったときに飛び散ったシャンプーや石けん、人の皮脂などがシャワーヘッドを汚す原因になることもあります。通常、中性洗剤で簡単に洗い落とすことができます。
カビ
湿気の多い浴室には黒カビの発生が多く見られます。黒カビが発生する前段階では、ピンク色のヌメリが出現していることがありますが、こちらはカビではなく酵母です。カビのエサにもなるので見かけたら早めにお掃除するといいですね。
シャワーヘッドの掃除方法
今回ご紹介するシャワーヘッドのお掃除方法は7種類。それぞれの特性によって効果に差が出ます。表にまとめましたので参考にしてください。
<汚れ別・洗浄効果比較表>
カルキ | 石けんカス | 皮脂・シャンプー | カビ | |
---|---|---|---|---|
中性洗剤 | △ | 〇 | 〇 | △ |
クエン酸 | ◎ | 〇 | △ | △ |
クエン酸パック | ◎ | ◎ | △ | △ |
塩素系漂白剤 | △ | △ | 〇 | ◎ |
カビキラー | △ | △ | 〇 | ◎ |
セスキ炭酸ソーダ | △ | △ | 〇 | ◎ |
りんご・レモン | 〇 | 〇 | △ | △ |
◎……特に効果がある
〇……効果がある
△……効果が薄い、または無い
※製品の種類や量によって多少異なることがあります。
この表を簡単にまとめると、クエン酸などの酸性の成分はカルキ汚れに効果的。塩素系漂白剤とカビキラー、セスキ炭酸ソーダなどアルカリ性の成分はカビに強いことがわかります。
掃除方法はお使いのシャワーヘッドの汚れにあわせて選ぶといいでしょう。
ただし、カルキ落としとカビ退治を同時にしようとして、酸性とアルカリ性の成分を併用するのは有毒ガスが発生する恐れがあるのでNGです。カルキとカビの対策は、時間をあけてから行うようにしてください。
オススメの方法は、カルキの掃除を先に試して様子をみることです。カルキ掃除で浸け置き洗いをしたり、お湯を使ったり、スポンジでこすったりしている内に、カビも落ちてくることがあります。それでもカビがひどい場合は、翌日以降、改めて浴室の他の場所と一緒にカビ退治をするのが効率的でしょう。
まずは、7つのお掃除方法に共通する事前の準備からはじめましょう。
浴室の換気を良くする
お掃除中は嫌な臭いがすることもあるので換気を良くしておきましょう。特にカビキラーを使う場合は有害な塩素ガスが発生する心配もあるので必須です。
足元がぬれていないかを確認
浴室のイスや洗面器に水が残っていることがあります。作業時間が短くてもあなどらず、転倒防止のために足元がぬれていないかを確認しましょう。
取扱説明書を確認
ビタミンCボール付属など機能付シャワーヘッドの場合、取り扱いに注意が必要な物もあります。お手元に取扱説明書があれば確認しておきましょう。無ければメーカーのHPで探してみたり、マンション・アパートに住んでいる場合は管理会社に確認したりするといいですね。
シャワーヘッドを外す
シャワーヘッドは左(反時計回り)に回すか、取っ手部分の根元を強く握る、ボタンがついていればワンプッシュする、などで外せます。
(※わずかですが、外せないシャワーヘッドもあるようです。外れないときは無理する必要はありません。)
シャワーヘッドを分解できようならする
製品によって部品の数が違います。部品が多いシャワーヘッドを分解するときはその様子をスマホなどに納めておくといいですね。
「【生活の知恵】【007】シャワーヘッドの掃除の為の分解方法」
こちらのシャワーヘッドは7つの部品に分かれました。
中性洗剤で掃除する
- 浴室用中性洗剤
- スポンジ、歯ブラシなど
- スポンジに中性洗剤を含ませる。
- シャワーヘッド全体をスポンジでこすって汚れを落とす。
- 散水板(ヘッドの穴の空いた板)は歯ブラシなどを使って念入りにお掃除する。
- 中性洗剤が残らないようにヌルヌルがなくなるまでしっかりお湯で流す。
1日の疲れや汚れを落とすバスタイム、自分を洗ったついでにシャワーヘッドもお掃除しませんか?お掃除頻度は1週間に1回。マメにお手入れすれば自分や家族がいつもでも清潔なシャワーを浴びることができますね。
クエン酸で掃除する
- クエン酸…大さじ山盛り1
- お湯(人肌程度)…6カップ(1.2リットル)
- スポンジ、歯ブラシ、竹串など
- 洗面器、バケツなど
- 洗面器やバケツにお湯をはり、クエン酸を加え軽く混ぜて溶かす。
- シャワーヘッドを1時間くらい浸け置きする。
- スポンジ、歯ブラシなどで軽くこする。
- カルキが落ちにくいときは竹串で丁寧につついて落とす。
- クエン酸が残らないようにたっぷりのお湯で流す。
洗面器に残ったクエン酸水は、湯船のフタやイスの掃除などに再利用できます。霧吹きなどに入れ替えて汚れが気になるところにスプレーしてみましょう。少し待ってスポンジでこすれば石けんカスなどは簡単に落とせますよ。
ところで、クエン酸(大さじ山盛り1)が用意できないときは食用のお酢(1カップ)で代用できます。こんな動画を見つけたのでご覧ください。
お酢を使った簡単なシャワーヘッドのお掃除動画です。
「【裏技】シャワーヘッドの簡単な掃除方法」
クエン酸パックで掃除する
- クエン酸…大さじ1
- 水…大さじ2~3
- キッチンペーパー…3~4枚
- ラップ
- 輪ゴム…1本
- スポンジ、歯ブラシ、竹串など
- 少量の水でクエン酸を溶く。
- シャワーヘッドにキッチンペーパーを巻き付ける。
- キッチンペーパーの上から水で溶いたクエン酸を塗り付ける。
- 上からラップで覆って密着させ輪ゴムで固定。
- 1時間くらいおいた後、かぶせた物を取り除く。
- スポンジ、歯ブラシなどで軽くこする。
- 散水板にカルキが残っていれば竹串でつついて落とす。
- クエン酸が残らないようにたっぷりのお湯で流す。
クエン酸水にただ浸けておくよりパックをした方がずっと効果は高いです。ただ、ちょっと高い濃度のクエン酸水を使うので取り扱いには注意してください。
クエン酸のここに注意!
- 鉄、セメント、大理石に使用するとサビの原因になることも。
- 掃除後、クエン酸が残っているとカビのエサになりやすい。
使用後はしっかり洗い流してください。
塩素系漂白剤で掃除する
- 塩素系漂白剤…大さじ1
- 片栗粉…大さじ1
- 少量の水
- ラップ
- キッチンペーパーなど
- 漂白剤と片栗粉と水を混ぜペースト状にする。
- 汚れの部分にのせ保湿のためにラップをする。
- 15~30分後、ペーストをキッチンペーパーなどで取り除く。
- 水でよく洗い流す。
(※熱湯ですすぐと片栗粉が絡まることがあります)
この掃除方法は汚れを落とすというよりカビ退治がメインです。片栗粉を使って塗りつけるので、その際他の汚れも落とせることがあります。
酸化型漂白剤には、塩素系と酸素系がありますが、カビに強いのは塩素系の方です。薬局やドラッグストアなど市販で簡単に手に入ります。
カビキラーで掃除する
- カビキラー
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル、保護眼鏡など
- パッケージの説明書きをよく読む。
- ゴム手袋、マスク、ゴーグル、保護眼鏡などを着用。
- シャワーヘッドにカビキラーをスプレーする。
- 数分後、水でよく洗い流す。
- 作業後手を洗う。
(飛び散りが心配な場合は目や顔も洗う)
カビキラーは強力なカビ取り剤なので取り扱いに注意が必要です。
- 有毒ガスが発生するので酸性タイプの洗剤と混ぜない。
- 必ず換気をしながら使用する。
- 入浴中には使用しない。
注意事項が多いのでシャワーヘッドの掃除に不安をおぼえるかもしれませんね。でも大丈夫です。カビキラーの成分は水に溶けるので、すすぎさえしっかり行えば安全に利用することができますよ。
セスキ炭酸ソーダで掃除する
- セスキ炭酸ソーダ…小さじ2
- 水…5カップ(1リットル)
- スポンジ、歯ブラシなど
- 洗面器、バケツなど
- 洗面器やバケツに水とセスキ炭酸ソーダを入れ軽く混ぜる。
- シャワーヘッドを1~3時間程度浸け置きする
- スポンジ、歯ブラシなどでこすって汚れを落とす。
- 水でよく洗い流す。
重曹と並ぶエコ洗剤セスキ炭酸ソーダは、粒子が細かいので水でも簡単に溶かすことができ取り扱いが簡単です。また、洗浄力があるのに手荒れの心配が少ないのも助かりますね。
リンゴ、レモンの皮や汁で掃除する
- リンゴ、レモン、柚などの皮や汁
- お湯(人肌程度)…3~5カップ
- スポンジ、歯ブラシなど
- 洗面器、バケツなど
- 洗面器、バケツなどにお湯をはりリンゴ、レモン、柚などの皮や汁を入れて軽くかき回す。
- シャワーヘッドを1時間くらい浸け置きする。
- スポンジ、歯ブラシなどでしっかりこすり汚れを落とす。
- 水でよく洗い流す。
あえて準備をするのではなく、料理でリンゴ、レモン、柚などが余ったときにできる掃除方法です。他の方法に比べて効果はやや劣りますが、爽やかな臭いが残りバスタイムも楽しくなるかもしれませんね。
洗剤や汚れの性質を理解する
洗剤や汚れには酸性とアルカリ性がある
洗剤に酸性とアルカリ性の物があることはよく知られていますが、汚れにも酸性とアルカリ性があります。
浴室で例えるなら、シャンプー、皮脂、手あかなどは酸性の汚れ、カルキ、石けんカス(※)などはアルカリ性の汚れに分類されます。
(※)石けんの種類によって多少異なる。
反対の性質でお掃除が楽になる
汚れに対して反対の性質を持つ洗剤を使うと、汚れが中和されて浮きやすくなるので落とすのも簡単になりお掃除が楽になります。
これでわかるのは、1つの掃除方法だけではすべてをカバーすることができないということ。お掃除しても思ったより汚れが落ちていないときは、いろいろな方法を試してみるといいですね。
シャワーヘッドを汚れにくくする方法
シャワーヘッド自体を汚れにくくすれば、お掃除もきっと楽になるはずです。そのためには、
- シャワー後ヘッドを振って水気をきる
- 入浴後2時間くらい換気扇を回し続ける
(この時シャワーヘッドを高い位置にしておくと乾きやすくなります。) - 浴室の風通しを良くする
- 汚れ防止のシャワーヘッドに取り替える
などを行ってみてはいかがでしょうか。
週1のお掃除で頑固な汚れを防ぎましょう
シャワーヘッドの掃除方法はたくさんありますが、お使いのシャワーヘッドの汚れ方にあわせて行うと効果的です。
普段からマメに中性洗剤で汚れを落として湿気を貯めないようにしておけば頑固な汚れにはなりません。週に1回程度が目安です。
けれど、他の家事や育児、あるいは仕事などで忙しかったり、疲れていたりすると掃除もおろそかになり残念な状態になることもあります。
頑固すぎる汚れにはどんな掃除方法も効かない場合があるので、そんな時は業者にお願いするのもいいでしょう。プロならではの掃除の知恵でシャワーヘッドがキレイになれば、気持ちよくシャワーを浴びることもできますよ。