こんな風に踊れたらどんなに気持ちいいか!と思えるような名作ダンス映画を集めてみました。古典的な傑作から最新のダンスシーンまでがわかる作品を、幅広いジャンルで選んでいます。登場する名曲とそのダンスシーンもまとめてみました!
目次
フラッシュダンス(1983)
《1980年代ジャズダンス・ブレイクダンスの先駆け!独創的な振り付けに注目!》
エイドリアン・ライン監督、ジェニファー・ビールス主演のダンス映画で、ピッツバーグでプロダンサーを夢見る主人公アレックスが、恋と夢に挫折しながらも夢をつかむ物語です。
アレックスのダンスは複数の吹き替えダンサーが存在していて、公開当初は公表されていなかったようです。主演のジェニファー・ビールスは続編出演を断っていたといいます。
〈名曲とダンスシーン〉
やはり何と言ってもアイリーン・キャラの歌う名曲♪Flashdance…What a feelingに合わせて踊るオーディション・シーンが見どころです!ダンスの吹き替えはあまり気にならず、素晴らしいシーンに仕上がっています。何よりハリウッド映画で初めてブレイクダンスを取り入れた革新的な振り付けが話題となりました。
フットルース(1984)
《保守的な田舎町でロック・ダンスを踊れ!青春ダンス映画の決定版!!》
ハーバート・ロス監督、ケヴィン・ベーコン主演の青春映画で、日本でもおなじみの曲が満載の名サントラ盤も有名な作品です。
シカゴから田舎町ボーモントに転校してきた主人公のレンは、ダンスもロックも禁止という町の掟に驚きます。町の人々とも距離を感じるレンが、積極的に行動を起こし人々の信頼を得ていく様子を、ヒット曲・ダンスと共に描いています。
レン役のケヴィン・ベーコンの若々しいこと!キレのあるダンスと瑞々しさはいまだに色褪せません。
〈名曲とダンスシーン〉名サントラ盤とともに♪
①♪ヒーロー(ボニー・タイラー)
レンが田舎ならではのトラクターでのチキンレースに出た時に流れる、日本ではテレビドラマ『スクールウォーズ』(1984)の主題歌でおなじみの曲です。
②♪ネヴァー(ムーヴィング・ピクチャーズ)
レンがダンス禁止に耐えられず秘かに独りで踊るシーンで流れます。これもテレビドラマ『不良少女と呼ばれて』(1984)の主題歌でおなじみで、MIEが♪ネバネバネバネバ~と歌っていたのを思い出します。
③♪フットルース(ケニー・ロギンス)
卒業ダンスパーティのシーンで全員のダンスと共に流れます。名曲と名ダンスシーン、青春映画のお手本のような、何度でも観たくなるキラキラ輝くダンスシーンです。
リトル・ダンサー(2000)
《僕だって踊りたい!80年代イギリス炭鉱町でバレエ・ダンサーを夢見る少年》
スティーブン・ダルドリー監督、ジェイミー・ベル主演の映画で、まだバレエは女性が踊るものという偏見があった当時に、バレエに夢中になってプロのバレエ・ダンサーを目指すようになった少年ビリーの物語です。
父にボクシングを習わされていたビリーが、隣で始まったバレエ教室が気になって仕方なくなり、父に内緒でバレエを習い始めるところから展開していきます。
〈注目のダンスシーン〉
①ピルエットの練習
家でこっそりピルエットの練習するビリーが少しコミカルに描かれていて、ほほえましいシーンです。懸命に練習するビリーを応援したくなってきます!
②父に見せるダンス
真剣にバレエを学んでいることを、父にどうしても認めてほしいビリーが父に向けて一生懸命伝えようと踊るシーンに心打たれます。
③ロイヤル・バレエ・オーディション
初めは緊張している様子のビリーも、踊り始めると審査員の前でも堂々とやり遂げます。観ていてドキドキするシーンです!
サントラ盤はイギリスのロックバンドをフィーチャーしていて、劇中の台詞も挿入されています。特にグラムロックのT-レックスやモッズスタイルのザ・ジャムの楽曲が名シーンで使われていて、映画を追体験できる一枚となっています。
バーレスク(2010)
《クリスティーナ・アギレラがバーレスク・ダンサーとして魅せる!貫録のシェール!》
スティーブ・アンティン監督、クリスティーナ・アギレラ、シェール主演のミュージカル・ダンス映画です。
歌手を目指してアイオワからロスに出てきた主人公アリをクリスティーナ・アギレラが演じています。シェール演じるテスが営む「バーレスク・ラウンジ」を見つけて飛び込んだアリは、そこでまずウエイトレスの職を得ます。そこから次々とチャンスをものにしていき、存続の危機に瀕していたラウンジを、テスと協力して救うことになっていきます。
〈名曲とダンスシーン〉クリスティーナ・アギレラとシェールのパワフルヴォイス!
①♪Welcome to Burlesque
シェールの堂に入った歌いっぷりと踊り子たちの軽快なダンスが見どころです!アリ同様ワクワクして見入ってしまいます。
②♪Tough Lover
アリを妬む同僚ダンサーの嫌がらせで電気系統を切られた時に、アリの機転でアカペラで歌い出し、ショーは大成功!パワフルな歌声とセクシーな踊りに圧倒されます。
③♪Express
これぞバーレスク・ショー!という超カッコいい楽曲と振り付けのダンスシーンです。踊り子たちの衣装がセクシーすぎます!
ダーティ・ダンシング(1987)
《1960年代“ダーティ・ダンシング”と呼ばれたマンボ!ダンスは一切吹替えなし!》
エミール・アドリアーノ監督、パトリック・スウェイジ、ジェニファー・グレイ主演の青春ダンス映画で、ほぼ三分の一はダンスシーンが占めています。主演の二人はダンス吹き替えなしですべてを演じ踊っています。
裕福なユダヤ人家庭に育った主人公ベイビーは、夏のリゾート地ケラーマンで、マンボダンスのインストラクター・ジョニーと出会い恋してしまいます。
〈名曲とダンスシーン〉
♪タイム・オブ・マイ・ライフは映画のラストを飾る名曲であり、ゴールデングローブ賞、アカデミー歌曲賞、グラミー賞の三つを受賞しています。名ダンスシーンとしても有名で、ベイビーが怖がっていたジョニーとのリフトを完成させて、堂々と踊りきるラストは感動します!
サタデー・ナイト・フィーバー(1977)
《1970年代ディスコ・ダンスの金字塔!ジョン・トラボルタの出世作となった傑作!》
ジョン・バダム監督、ジョン・トラボルタ主演の、当時のディスコ・ブームを一気に盛り上げたダンス映画の名作です。今観ると振りも衣装も古臭く感じるかもしれませんが、社会現象を起こし一時代を築いた作品として記憶に刻まれています。
トラボルタ演じる主人公のトニーは、行き場のない青春のエネルギーをディスコで発散させ、そこで出会った女性ステファニーに魅かれ、自分も成長しようと一歩を踏み出します。
〈名曲とダンスシーン〉ビー・ジーズの名曲とともに♪
①♪Stayin’ Alive
ピッカピカのダンスフロアで手足の長ーいトラボルタが踊ると実に映える!さすがディスコの王者!
②♪Night Fever
当時のディスコシーンがわかる場面で流れます。トラボルタも例の有名な決めポーズで踊ります!
③♪How Deep is Your Love
トニーのステファニーへの想いを歌っているような楽曲です。これらの他にもビー・ジーズの数々の名曲が収録されたサントラは当時大ヒットしました。
グリース(1978)
《これぞハイスクールミュージカルの原型!サントラも当時の名曲がぎっしり♪》
ランダル・クレイザー監督、ジョン・トラボルタ、オリヴィア・ニュートン・ジョン主演の、ハイスクールミュージカル映画の古典ともいえる作品です。
夏のリゾートで知り合ったダニーとサンディが、ハイスクールで繰り広げる青春ダンス映画で、不良グループのリーダー・ダニーをジョン・トラボルタ、お嬢様のサンディをオリヴィア・ニュートン・ジョンが演じています。
〈名曲とダンスシーン〉ダニーとサンディのデュエットをメインに♪
①♪Summer Nights
ダニーとサンディがお互いの友達にひと夏の恋を語るシーンで流れます。デュエットのようで交互のソロのような構成のコミカルな楽曲です。
②♪You’re the One That I Want
サンディが不良のダニーに合わせて、タバコ吸いながら不良の格好で颯爽と現れてダニーもびっくり!というシーンで二人が歌います。
③♪Greased Lightnin’
ダニーが仲間とリーゼント自慢しながらアメ車の上でダンスします!私のお気に入りの一曲です。
ラストに全員で踊りまくる♪We Go Togetherも観ていて楽しく、間違いなくハッピーに終われる映画です。
チアーズ!(2000)
《チアリーディングにかける青春!女子高生たちのアクロバティックな演技に注目!》
ペイトン・リード監督、キルスティン・ダンスト主演の、アメリカではスポーツとして認められ盛んなチアリーディングを題材にした映画です。
キルスティン・ダンスト演じる主人公トアが新リーダーとなったランチョ・カルネ高校は、全国大会優勝を目指しています。ところが他校の振り付けを盗作しているという疑惑が持ち上がり、急きょオリジナルの演技を考えることになります。
〈注目のダンスシーン〉
ラストの全国大会でのトア率いるチーム“トロス”とライバル校のチーム“クローヴァーズ”が踊るチアリーディングのダンスシーンが一番の見どころです。エンディングでは一緒に♪Hey Mickeyを踊っています。これがなかなかキュートです!
ステップ・アップ(2006)
《ストリートダンス映画の決定版シリーズ!ダンスシーンを3Dで観たい!》
シリーズ一作目はアン・フレッチャー監督、チャニング・テイタム主演で、以後2014年のシリーズ五作目まで公開しています。なぜか二作目からは日本では劇場未公開です…迫力あるダンスシーンをぜひとも劇場で3Dで観たい映画です!
〈注目のダンスシーン〉各シリーズのファイナルダンス
①『ステップ・アップ』(2006)
舞台はボルチモアで、ファイナルダンスは発表会のステージでのスタイリッシュなダンスです!主演のチャニング・テイタムとジェナ・ディーワンの二人のダンスがとてもカッコいいです。
②『ステップ・アップ2:ザ・ストリート』(2008)
ファイナルダンスは豪雨の中のストリートへ飛び出して踊ります!水しぶきを上げて踊る様がパワフルです。
③『ステップ・アップ3』(2010)
舞台はニューヨークで、ファイナルダンスはダンスバトルでの対決です。原題のタイトルは『Step Up 3D』で、3D鑑賞を意識した迫力あるダンスシーンになっています。
④『ステップ・アップ4:レボリューション』(2012)
舞台はマイアミで、各ダンスシーンも着実にステップアップ!特にオープニングでのアメ車上でのフラッシュモブのようなダンスや、オフィスでのアーティスティックなダンスなど見どころが満載です!ファイナルダンスではスケールもアップし、トランポリンを使って落ちて行ったり警察官がいきなりロボットダンスしたりとサプライズ要素も満点です。
⑤『ステップ・アップ5:アルティメット』(2014)
舞台はラスベガスへ!過去の登場人物が再登場し集結します。シリーズの人気キャラのアダム・セヴァーニや日本人ダンサー甲田真理ももちろん出演しています!ファイナルダンスは砂や煙や炎を使った演出でダンスショーとして魅せます。
シャル・ウィ・ダンス?(2004)
《社交ダンス・ブームの火付け役!日本版とハリウッド版の比較をしても面白い!》
ピーター・チェルソム監督、リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス主演で、周防正行監督の『Shall Weダンス?』(1996)のリメイク版です。日本版とは違った魅力のハリウッド版、アメリカならではの家族模様や夫婦像が描かれ、ダンスシーンもひときわきらびやかです!ダンス講師ポーリーナ役のジェニファー・ロペスの切れのあるダンスは必見です!
ダンスなんてハイスクールのプロム以来…という中年オヤジの主人公ジョン・クラークが、ダンス教室に通い始めて、ダンスの楽しさを通じて青春の日々を取り戻していく物語です。
〈注目のダンスシーン〉
①ワルツの練習
まだジョンのステップはたどたどしいけれど、やっとポーリーナに稽古をつけてもらえたのが嬉しそうな初々しいシーンです。
②Dance with me
ジョンが妻ビヴァリーの働く店に突然現れて、ダンスを一緒に踊りませんか?と誘う場面にグッときます。バラ一輪を手渡したり、その場でスローダンスを一緒に踊ったり…なかなか日本人にはできませんが、素敵なシーンです。
③別れのダンス
ポーリーナのお別れパーティに飛び入りで駆け付けたジョンに、彼女が「Shall we dance, Mr.Clark?」と最後のダンスに誘います。二人のスムーズなステップに見惚れます!
ムーラン・ルージュ(2001)
《パリのキャバレー“ムーラン・ルージュ”を舞台にポップの名曲で彩るラブストーリー》
バズ・ラーマン監督、ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン主演の、悲恋のミュージカルドラマです。二人の男に愛されるムーラン・ルージュの踊り子サティーン役のニコール・キッドマンが美しすぎます!主演のユアン・マクレガーとニコール・キッドマンは吹き替えなしの歌と踊りで熱演しています。
〈名曲とダンスシーン〉ロック&ポップの名曲とともに♪
①ダイアモンドはベストフレンド♪
マリリン・モンローが歌った♪Diamonds are a girl’s best friendをベースにした、ニコール・キッドマンの妖艶さを堪能できる一曲です。マドンナの名曲「マテリアル・ガール」もマッシュアップされています。サティーンがムーラン・ルージュのショーで歌い、ユアン・マクレガー演じるクリスチャンが一目惚れするシーンです。
②Your Song
エルトン・ジョンの名曲を使った、クリスチャンがサティーンに愛を告白するファンタジックなシーンです。サティーンのターンが可憐です!
③ロクサーヌでタンゴ
ポリスの♪ロクサーヌが、ジェラシーをテーマにした斬新なアレンジのタンゴシーンになっています。最初にこれを観た時はドキッとしました!好き嫌いが分かれるところですが、これがこの映画の真骨頂では?と思います。
他にも超有名ラブソングを集めてメドレーにした♪エレファント・ラブ・メドレーなど、サントラ盤も聞きごたえのある一枚になっています。
ホワイトナイツ/白夜(1985)
《ロシアバレエの真髄を堪能!冷戦中の米ソダンサー共演も見どころ》
テイラー・ハックフォード監督、ミハイル・バリシニコフ、グレゴリー・ハインズ主演の社会派ヒューマンドラマです。
1974年にアメリカへ亡命し、1986年に帰化したミハイル・バリシニコフが、映画でもロシアからアメリカへ亡命するバレエダンサーを演じていて、内容が自身の亡命と重なるようなストーリーになっています。もう一人のダンサーとして、アフリカ系アメリカ人タップダンサー役で、やはりタップダンサーのグレゴリー・ハインズが出演しています。二人のダンスシーンは見ごたえ十分です!
〈名曲とダンスシーン〉日本版サントラは未発売…輸入盤でぜひ♪
①Separate Lives
フィル・コリンズによる映画主題歌で、マリリン・マーティンとのデュエットソングです。
②Tap Dance
バリシニコフとハインズが二人で合わせてタップダンスを踊るシーンに使われています。このダンスシーンが物語のハイライトでもあります。
③Say You,Say Me
エンディングに流れるライオネル・リッチーの大ヒット曲ですが、なぜかサントラ盤には入っていません。この曲はライオネル・リッチーのベスト盤に収録されています。