SFといえばやはりスケールの大きな舞台やストーリー!けれどそんなSF作品の中でも、ハラハラするサスペンス要素もあり、ラストには感動すら覚える「SFサスペンス」というジャンルには良質な作品が多くあります。ここではハラハラメーター限界200%と、SFサスペンス要素、そして感動ポイントをまとめています。SFというジャンルが苦手な方にこそ観てほしい!
目次
1)インターステラー(2014)
ノーラン兄弟による脚本で、クリストファー・ノーラン監督の長編映画11作目のヒューマンドラマであり、科学考証の正確さを高評価された本格SF作品。別の銀河系へ有人惑星間航行(インターステラー)する宇宙飛行士たちのチームが、人類存亡をかけて宇宙の未知に挑む物語です。
《ハラハラメーター》120% 宇宙の中で人の一生という限られた時間をどう活かせるか?父と娘の次元をも超えた絆に感動必至!「愛」は時空を超える!
【SFサスペンス要素】
パイオニアの一人マン博士との息詰まる生死をかけた争いがハラハラピーク!
①重力波と二進数
元宇宙飛行士のクーパーは、娘のマーフが自分の部屋の本棚の異変を幽霊の仕業だと言うのを、科学の力で解き明かそうと諭し、異変は重力波を使った二進数のメッセージではないかと考えます。二人がそれを解読して謎を追う過程にドキドキします!
②ワームホールとブラックホール
NASAが計画した“人類の新天地”となる星を探すラザロ計画のパイロットとなって、エンデュラス船で地球を飛び立ちます。ラザロ計画のパイロットとして水の惑星を見つけたミラー飛行士に会うため、ワームホールを通り抜けますが、水の惑星はブラックホール“ガルガンチュア”の周りを公転していました。ワームホールとブラックホールをアインシュタインの一般相対性理論に基づいて、SF映画として忠実に映像化した初めての作品です!
③特異点と五次元
人類を救うために、スペースコロニーを作るために必要なブラックホールの特異点のデータ。それを地球の三次元空間で解明しようとしているマーフに、ガルガンチュアに突入しデータを手に入れたクーパーは必死に伝えようとします。しかしクーパーが到達した未知の多次元空間ではマーフに直接伝えることはできないのです…四次元+「愛」こそが五次元の世界なのかもしれません!
2)ゼロ・グラビティ(2013)
アルフォンソ・キュアロン監督によるSFサスペンス映画で、宇宙を舞台にしたヒューマンドラマです。実際の宇宙空間に近い描写ではありますが、科学的考証より映画的演出をメインとしたため非常に緊迫したシーンの連続で、最後まで手に汗握るSFサスペンスの傑作になったと言えます。
《ハラハラメーター》200% 極限状態の空間で人はいかにしてベストを尽くせるか?一人の女性の“生きる力”と最大限の努力に思わず力が入る!
【SFサスペンス要素】
無重力空間で一人闘い続ける主人公ライアンの表情にハラハラドキドキ!
①スペースデブリとケスラーシンドローム
スペースデブリとは宇宙ゴミのことで、この映画はロシアが衛星破壊実験を行ったためにチェーンリアクションが起き、デブリが次々衝突し始める事故から展開していきます。この連鎖反応をケスラーシンドロームといい、実際はこの作品で起こっているような事態は起こりえないようですが、90分ごとに次のデブリが衝突する部分はリアルに描かれています。
②ISSと軌道傾斜角
実はそもそもこの物語の要といえる「軌道傾斜角」の違いが物議を醸しています。ライアンたちが船外作業していたハッブル宇宙望遠鏡の軌道傾斜角と、事故後に向かうISS(国際宇宙ステーション)とは角度が大きく違うため到達するのは無理とのこと。ISSから次に向かう中国の宇宙ステーション天宮とも角度が違います。
③無重力と重力(原題は“Gravity”=重力)
細かい指摘は多々あるものの、やはり宇宙という死と隣り合わせの無重力空間でのサバイバル・ストーリーとして、ライアンという一人の女性のドラマとして観ると文句なく佳作です。ゼロ・グラビティ=無重力の世界の厳しさ、宇宙の美しさと静けさの描写は秀逸!彼女が重力を取り戻す時、自然と感動があふれてきます!
3)アポロ13(1995)
ロン・ハワード監督によるヒューマンドラマ作品で、実際のアポロ13号爆発事故の実話を基にしています。原作はアポロ13号船長のジム・ラヴェルで、映画としてフィクションの部分もあり脚色されたSFサスペンス作品となっています。
《ハラハラメーター》100% “成功した失敗”と称えられたアポロ13号の帰還!度重なる不測の事態に諦めず立ち向かう姿に心が震える!
【SFサスペンス要素】
次々と起こる重大な事態に生命の危機!息苦しさが伝染する!
①酸素タンクの爆発
アポロ13号は月に到達する直前での酸素タンクの爆発事故により、月着陸ミッションを中止し、地球へ戻らねばならなくなります。ここから酸素・水・電力の不足を補う手段を、時間と資源のない中必死に考え出す。熱も出ない中、寒さとの闘いにもなります。
②手動による軌道修正
様々な問題をクリアしたのにもかかわらず、大気圏再突入への軌道がわずかにズレていました!このまま突入すれば角度が浅くはじかれてしまいます。ここでも知恵を絞り、窓から見える地球を頼りに手動制御で軌道修正を見事成功させます。クルーたちの葛藤が伝わってきます。
③大気圏再突入
いよいよ再突入して地表へ向かうため、機械船から司令船へ向かいます。その時初めて外壁が吹き飛んでいた機械船の目の当たりにしたクルーたち…しかしまだここからが難関!司令船の船体が再突入に耐えられるか?軌道は大丈夫か?パラシュートは開くのか?様々な不安がよぎる中、再び大気圏へ突入します。ノンフィクションが基という説得力、クルーたちの迫真の演技に必ず引き込まれます!
4)オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)
桜坂洋の日本のライトノベル「All You Need is Kill」を原作としたハリウッド作品で、タイムループを主題としたSFアクション映画で、英題は“Edge of Tomorrow”でキャッチコピーは“Live Die Repeat”。タイムループ能力を身に付けた主人公が死ぬ・生きるを繰り返す展開を表しています。
《ハラハラメーター》180% ひたすら繰り返される二日間!次の展開がわかるようで全く読めない!主人公が成長していく姿に感動を覚える!
【SFサスペンス要素】
未知の侵略生命体“ギタイ”の謎を追うSFサスペンス!
①ギタイとタイムループ
宇宙からの侵略を受けている近未来の地球で、人類が敵として戦っているのが“ギタイ(ミミック=擬態)”という未知の生命体。ギタイには三種類あり、何体殺してもいくらでも湧いてくるクローンのような普通のものと、“アルファ”と呼ばれる数十万体に1体のもの、そして“オメガ”という1体しかいないボスがいます。主人公のケイジは初陣でアルファを殺し、その体液を浴びたことで、アルファが持つタイムループ能力を得て、死ぬと時間が前日に巻き戻り延々とそれを繰り返すようになります。
②戦闘と訓練
ループを繰り返すうち、“ヴェルダンの女神”と呼ばれる英雄リタに出会い、リタも過去に同じ能力でヴェルダンの戦いを勝ち抜いていたことを知ります。そして二人はループ能力でギタイに対抗しようと、ケイジは何度も同じ戦闘を繰り返し戦って覚え、実戦能力を高めていきます。リタはケイジを最強にしようと訓練を繰り返します。ケガを負って輸血をするとループ能力が失われるので、少しでもケガすると容赦なくリタに射殺されてしまうケイジ…この辺のやり取りは真剣でドキドキするのになぜか面白いです。
③一度きりの最後
原作とは違うラストや輸血で能力を失う設定は、ハリウッド・テイストに改変されたものですが、この作品はこれが功を奏しています。何より最後のオメガと対峙する戦いでは、ケイジが能力を失い一度きりの勝負をする部分が、タイムループに慣れてしまった自分に、「人生は一度きり、悔いなく生きろ!」というメッセージを目の前に突き付けられたように思えました。
5)バタフライ・エフェクト(2004)
エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバの共同脚本によるSFサスペンス映画で、カオス理論のバタフライ効果を主題としています。タイムループによる過去改変を繰り返す主人公が、周りの人々の幸せを取り戻そうと奮闘するパラレルSFの傑作!
《ハラハラメーター》150% 大切な人を救うため何度でも過去へ―そのたびに改悪されていく未來にひたすら驚愕!見事に収束する切ないラストに感涙!
【SFサスペンス要素】
「この世は全て因果応報」を実感。ループ能力のアイディア・設定がすごい!
①カオス理論とバタフライ効果
予測することが困難であり長期的気象予報などがカオス理論で扱われる中で、バタフライ効果とはその理論を象徴的に言い表しています。「ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」という問いかけが有名で、力学系の状態にわずかな変化を与えると、その系の状態が大きく変わってしまうという現象です。
②日記とタイムループ
主人公のエヴァンは自分の日記を読むことで、過去の記憶を失った時点へタイムループすることができるという特殊な能力を持っています。大切に思っているケイリーを失わない未来をつかむまで、彼はひたすらその能力を使い、過去に抗い続けます。
③原因と結果
エヴァンがいくら過去に戻ってどれだけその時の最善を尽くそうとしても、なぜか事は悪い方へ進んでしまう…これは原因と結果は「元々決まっている」あるいは、自分で起こした事はすべて「因果応報」ということなのでしょうか?そしてエヴァンは最後に究極の選択をします―切ないけれど納得のラストです!
6)ミッション:8ミニッツ(2011)
「月に囚われた男」で注目されたダンカン・ジョーンズ監督の第二作目で、疑似的なタイムループをテーマにしたSFスリラー作品です。列車爆発事故の真相と犯人を究明するために用いられた実験的な脳内同期プログラム“ソースコード”を被験させられる主人公の闘いを描いています。
《ハラハラメーター》160% 究極の選択を迫られ続ける8分間!他人との意識をシンクロする脳内体験に驚き、“最後の8分間”にグッとくる…!
【SFサスペンス要素】
人間の脳の働きと意識の未知と謎を利用した見事なストーリー!
①ソースコード
原題の“Source Code(ソースコード)”とは、他人の脳内意識に入り込む特殊プログラムで、人が死ぬ前の8分間を再現できるものです。なぜ8分間かというと、死後の脳は8分間の短期記憶トラックがあり、しばらくは脳の回路が開いているから、8分間のみのシンクロが可能ということです。
②並行世界
パラレルワールドともいい、自分たちが住む世界から分岐した並行して存在する現実世界です。作中では“Parallel Reality”と呼んでいます。そして主人公のスティーブンスは「ソースコード」で8分間並行世界にアクセスし、爆弾と犯人を捜すミッションを課せられます。何度もアクセスし、何通りもの別の並行世界が生まれていきます。
③8分後の世界
スティーブンスが何度も8分間のミッションを行う度、列車の乗客は全員死に、誰も守れない―列車爆破事件が起こった現実世界を変えることはできない―と悟ったスティーブンスが最後にとった驚きの行動とは!?彼が最後のミッションとして過ごす8分間と、8分後の世界に待つラストに感動します。
7)ブレードランナー(1982)
リドリー・スコット監督の長編三作目にして、いまだカルト的人気を誇るSFサスペンス・アクションの傑作!原作はフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」で、退廃した地球で、宇宙開発の労働力として作られた人造人間“レプリカント”と、その反乱分子の発見・処分を任された捜査官“ブレードランナー”との戦いを描いています。
《ハラハラメーター》80% 人間そっくりなレプリカントを見分けろ!人間とレプリカントの違いとは…?人に造られた彼らの悲哀と苦悩に思わず涙…
【SFサスペンス要素】
機械ではない、人造人間に“心”は生まれるのか…?サイバーパンク作品の源流!
①サイバーパンク
1980年代に成立し一つのカウンターカルチャーとして多岐にわたり流行した“サイバーパンク”。映画として初めてサイバーパンクのイメージを映像化したと言われているのが、この「ブレードランナー」です。サイバーパンクとは、退廃的な近未来社会を舞台に人体と機械を融合したキャラクターが登場するSF作品のサブジャンルです。主人公が反体制(パンク)な人物であることが多いことも名の由来です。
②ブレードランナーとレプリカント
“ブレードランナー”という名称は、「The Bladerunner」(1974年 アラン・E・ナース)と「映画:ブレードランナー」(1979年 ウィリアム・S・バロウズ)の二作品から借り受けたものです。元々は「非合法医療器具(Blade)の密売人」として登場。“レプリカント”は生化学のクローン技術「細胞複製(レプリケーション)」から造られた言葉で、映画では遺伝子工学の技術で造られた人造人間として登場します。
③6人目のレプリカント
作中では「地球に侵入したレプリカント」は6人となっていたのが、結局劇中には5人しか登場しません。当初は単純に制作上のミスだったことが、後々観た人の感想や批評の中から「6人目のレプリカントは誰だ?」という謎を問いかける現象が起きました。それが主人公デッカード=6人目のレプリカントでは?との憶測を呼んだのです。ミスからとはいえ、このことがこの作品をより深くし、サスペンス要素を加味することにもなりました。
8)12モンキーズ(1995)
「ブレードランナー」の脚本で脚光を浴びたデヴィッド・ピープルズと妻のジャネットが脚本を手がけたテリー・ギリアム監督の8作目で、タイムスリップを主題としたSFサスペンス作品です。ウィルスによって人類の99%が死滅した2035年の近未来が舞台となっています。
《ハラハラメーター》90% 二転三転する時間と記憶の旅に圧倒され、予想外のラストに愕然としながらも不思議な感動に包まれる!
【SFサスペンス要素】
“12モンキーズ”とは一体何なのか?ウィルステロは彼らの仕業なのか?
①ウィルステロとディストピア
主人公のジェームズ・コールは、ウィルステロから生き残ったわずか1%の人類の一人で、汚染された地上を逃れ地下世界に生きることを強いられています。そんなディストピアでは科学者たちがタイムマシンでウィルスの原体を持ち帰りワクチンを作る計画が進行。原体入手任務をコールは受けることになり、ウィルスがまかれた1996年にタイムスリップします。
②タイムスリップとタイムパラドックス
コールはなぜか度々目的の1996年ではない時にタイムスリップしてしまいます。初めは1990年で、テロの6年も前。しかしここで物語の重要なキーパーソン二人と出会います。一人は後に大切な人となるキャサリン・ライリー医師、もう一人はウィルステロの首謀者とされる“12モンキーズ”のリーダー、ジェフリー・ゴインズ。ところがコールがジェフリーにテロの件を1990年の時点で話したことで、彼はテロを思いつき6年後に”12モンキーズ”のリーダーとなっていたのです!ここで過去改変によるタイムパラドックスが生まれてしまうのです。
③ドラマ版でリメイク
映画から20年経た2015年、満を持してテレビドラマ化されています!新しくなったのは時代設定(2043年の未来から2015年へタイムスリップ)と、ブラッド・ピットの怪演が印象的だったジェフリー・ゴインズを女性に変え、ジェニファー・ゴインズになった点。映画での謎とタイムパラドックスは全て解明されるのかが注目です。
9)オーロラの彼方へ(2000)
太陽フレアの活発化の影響によるオーロラと、無線機での声だけのタイムトラベルを主題にしたSFサスペンス作品です。ファンタジーとしての要素が多く、タイムパラドックスが柱のテーマとなっています。原題は“Frequency”で、周波数の意。
《ハラハラメーター》120% タイムパラドックスから生じる殺人事件の謎と犯人を追え!無線を通じて交わされる亡き父と息子の過去と未来―家族の絆に涙する!
【SFサスペンス要素】
“太陽嵐”による電波の乱れや過去改変による逆説的世界を描く!
①太陽嵐とオーロラ
太陽嵐とは、太陽で大規模な太陽フレアが生じた時に放出される太陽風によって、地球近辺上の人工衛星や電子機器に影響を及ぼす現象です。地上ではオーロラなど異常気象が現れます。映画では、主人公の父子フランク・サリバンとジョン・サリバンが30年の時を超えて、この現象の影響か、無線機で過去と現在でやり取りできるようになります。
②タイムパラドックスと殺人事件
火災で殉職するはずだった父を無線で救ったジョン。しかし次は肺がんで亡くなる記憶が刻まれていました!またそれを阻止したため、今度は父の代わりに母のジュリアが看護師を狙う「ナイチンゲール連続殺人事件」の被害者となってしまいます。物語の中盤から、父と息子で母を救うため捜査していくサスペンスの展開になるところが面白いです!
③過去と現在のシンクロ
終盤にかけて父子で殺人事件の犯人を過去と現在の両方で追い詰めます。この展開はファンタジーのようで、とても不思議!過去の父が犯人の手を撃つと、なんとジョンが追い詰めている現在の犯人の手に傷が現れます!この演出がよりスリリングな展開を盛り上げています。
10)ガタカ(1997)
アンドリュー・ニコル監督のデビュー作で、遺伝子の優劣が生前に決められる未来社会が舞台のSFサスペンス作品です。人間の尊厳を問うヒューマンドラマでもあります。“ガタカ”とは“Gattaca”=宇宙局「ガタカ」であり、クレジットで強調されている「G・A・T・C」はDNAの基本塩基「Guanine(グアニン)」「Adenine(アデニン)」「Thymine(チミン)」「Cytosine(シトシン)」で、この作品のメインテーマ「遺伝子」を表しています。
《ハラハラメーター》70% 身分を偽りながら夢を追う主人公にハラハラしつつも共感し、「適正者」「不適正者」両方の生き方と可能性に深く感動…!
【SFサスペンス要素】
遺伝子操作による「適正者」と「不適正者」―身分格差の世界!
①遺伝子操作
遺伝子を人工的に操作する技術に特化した近未来。遺伝子検査により劣性遺伝子を排除した身体・頭脳ともに優秀な人間を人工的に生み出し、それを「適正者」と呼び、自然出産で生まれた「不適正者」との間に大きな格差のある社会が形成されています。主人公のヴィンセントは「不適正者」で、「適正者」の弟を持っています。
②DNAブローカー
ヴィンセントは宇宙飛行士になる夢を持っていますが、不適正者にはチャンスのない世界。それでも諦めきれず、DNAブローカーに接触します。ブローカーは適正者のサンプルを取引する者で、ヴィンセントは車いすの元世界的水泳選手ユージーンのサンプルを手にします。そのサンプルでガタカ宇宙局に入局できたヴィンセントは取り引きの条件として、ユージーンの面倒を見ることになります。
③生体ID
この世界で全てを支配するのはDNA。個人を特定するのも写真ではなくDNA情報で、血液や指紋や体毛などの生体IDが重要です。このことで無事ガタカ宇宙局に入れたヴィンセントですが、一方で殺人事件の犯人と疑われてしまいます。まつ毛一本で人物を特定できるすごさ!そしてこの危機を切り抜けるヴィンセントのたくましさ!そんなヴィンセントに生きる強さを見出したのか、生体サンプルも夢も全て託したユージーンが選んだラストに驚愕しつつも深く感動します。