掃除

クエン酸掃除の効果や成分・注意点から場所別使い方まで【完全版】

安全でエコなお掃除アイテムとして注目を集めているクエン酸。「実際に効果があるなら使ってみたい」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クエン酸の成分や効果などの基本情報をはじめ、使い方から場所別の活用方法はもちろんのこと、重曹を使う応用編まで徹底解説!
重要な注意ポイントもご紹介しますので、ぜひチェックしてクエン酸を使った掃除法をマスターしましょう。

クエン酸の成分


クエン酸は、レモンや梅干しに多く含まれている酸性の無色・無臭成分です。すっぱさ=クエン酸の成分と考えるとイメージしやすいでしょう。
市販されているクエン酸は食品添加物やサプリメントなどの「食用」と「掃除用」の2種類あり、白色・顆粒状です。サツマイモのデンプンを発酵させて作られたものが多く基本的に安全ですが、酸性の特徴として皮膚やのどの粘膜に付くとヒリヒリと刺激を感じることがあります。
また掃除用のクエン酸は濃度が低く不純物も多いため、間違って口にしないように注意が必要です。反対に食用のクエン酸は掃除に使用可能ですが、甘み成分などの添加物が含まれているものは、べたつきの原因になり掃除には適しません。
食用のクエン酸を掃除に使用するときは、商品に記載されている成分表や注意書きを良くチェックしましょう。

クエン酸が効く汚れと効果


クエン酸には、汚れ落とし・消臭・除菌の3つの効果があります。家庭の広い範囲で便利に使えますが、どんな汚れや臭いにも効くわけではありません。酸性のクエン酸はアルカリ性の汚れや臭いを中和させて落とす性質があるので、アルカリ性の汚れや臭いを把握しておくことが大切です。
アルカリ性の汚れや臭いは以下の4つあります。

  • 水垢
  • お風呂の石鹸かす
  • トイレの黄ばみ+臭い
  • タバコのヤニ汚れ+臭い

キッチンのシンク周りやお風呂の鏡にいつの間にか付着してしまう、ウロコ状の白い固まりが水垢です。水垢は水道水に含まれるカルシウム類が乾燥してできたもので、水道水を使う洗濯槽・加湿器・除湿器・ポットなどにたまります。
お風呂のイスや洗面器についた石鹸カス汚れ、トイレの黄ばみ汚れとアンモニアの臭い、カーテンやクッションなどについたタバコのヤニ汚れと臭いもアルカリ性のためクエン酸で対応できます。

クエン酸の使い方


クエン酸は基本的に水に溶かして使います。基本のスプレータイプを含めた3つのタイプを、汚れの度合いに応じて上手に使い分けましょう!

クエン酸の使い方
  • 基本のスプレータイプ
  • やや頑固な汚れにスプレーパックタイプ
  • さらに頑固な汚れにペーストタイプ

基本的には、クエン酸水をスプレーボトルに入れて汚れに吹き付け、布やスポンジでこすって汚れを落とします。それでも落ちない頑固な汚れには、スプレーパックタイプがおすすめです。
スプレーパックタイプは、汚れにクエン酸水を吹き付けてからキッチンペーパーを貼り、さらにスプレーを吹き付けてからラップをかぶせてフタをします。汚れが溶けたら、貼り付けたキッチンペーパーで拭き取ればOKです。
それでも落ちない年季が入ったハードな汚れには、クエン酸の濃度を上げたペーストタイプを試してみましょう。スプレータイプの代わりにこのペーストタイプをパックして使えば、クエン酸がより汚れに密着して頑固な汚れも落としやすくなります。

クエン酸スプレーの作り方

用意するものは、クエン酸とスプレーボトルと水の3つです。クエン酸とスプレーボトルは、100均や量販店で購入しますが、水は水道水を使います。

クエン酸の活用方法(場所別)


それでは、クエン酸の具体的な活用方法を場所別に見ていきましょう。

洗濯機

洗濯物につく白い粉状の汚れが石鹸カスです。洗濯層の石鹸カス汚れ落としにクエン酸を使う場合、まず前日に酸素系漂白剤を使ったつけおき洗いをしましょう。この作業を省いてしまうと、酸性石鹸と呼ばれるヌルヌルとした汚れが発生して返って掃除の手間が増えてしまう可能性があります。
石鹸カスは、落ち切れなかった洗剤成分や柔軟剤の成分と水道水に含まれるミネラル成分が結合してできます。石鹸カス汚れの予防策としては、洗剤や柔軟剤の使用量を守る、すすぎを十分にするなどがあげられます。

掃除方法

(1)酸素系漂白剤で洗う

  1. 洗濯槽に水またはお湯をためる
  2. 酸素系漂白剤(商品に記載されている分量)を洗濯槽に入れる
  3. 5分くらい洗濯
  4. そのまま1日おく
  5. 浮いてきた黒い汚れ(カビ)を網ですくい取り、5分間くらい洗う
  6. 黒い汚れが出なくなったら排水する
  7. 2回ほど洗濯排水をして漂白剤の成分を落とす

(2)クエン酸で洗う
いよいよクエン酸の登場です。洗い方は、酸素系漂白剤のつけ置き時間を1~2時間にするだけです。長時間つけてしまうと、金属部などに悪影響がでる可能性があるので、最大でもつけ置き時間は2時間にしましょう。

夜のうちにお風呂の残り湯を洗濯機に入れて酸素系漂白剤を入れておくと、お湯の効果で汚れが落ちやすくなり、水道代も節約できてお得です。このときお風呂のイスや洗面器を洗濯槽に入れておけば、掃除の手間も省けますよ。

風呂

お風呂の浴槽・イス・洗面器・石鹸入れなどの水垢汚れにクエン酸を使います。

掃除方法
  1. クエン酸スプレーを汚れに吹き付ける
  2. スポンジで汚れをこすり落とす
  3. 汚れが落ちない場合は、スプレーパックをする
  4. それでも汚れが落ちない場合は、ペーストパックをしてみる
  5. 汚れを拭き取り、水で十分にすすぐ
  6. 乾いた布で水分を拭き取る

蛇口やシャワーヘッド、鏡にこびりついてしまった水垢や白い石鹸汚れはこすっても落ちにくいので、スプレーパックがおすすめです。予防策としては、湯上りにボディタオルで湯垢や水垢をこすり落としてお湯で流し、最後に使用済みのバズタオルやハンドタオルで水分を拭き取っておくと、水垢がつきにくくカビも出にくくなります。

キッチンのシンク周りの水垢汚れ落としやトイレ周りの汚れ落としも、同じ要領で行いましょう。細かい場所を掃除するときは、使い古しの歯ブラシが便利ですよ。

冷蔵庫

冷蔵庫の中と外、どちらにもクエン酸を使います。掃除の仕方はとてもシンプルです。

掃除方法
  1. クエン酸スプレーを汚れに吹き掛ける
  2. 布きんやキッチンペーパーで汚れをこすり落とす
  3. 乾いた布で仕上げ拭きをする

冷蔵庫内に食品がたくさん入っている場合は、一度取り出してからスプレーを使いましょう。いくら安全な食品由来成分でも、食べ物にかかってしまうのは避けたいもの。この手間がかからないように、冷蔵庫内の食品が減ったときに掃除をしてしまうのも良い方法ですよ。

製氷機

「久々に使ってみたら製氷機の氷がクサイ…」そんなときこそ、クエン酸の出番です。2カ月に1回くらいを目安に掃除をしましょう。

掃除方法
  1. クエン酸と水をタンクに入れる(水200mlあたりクエン酸小さじ1杯)
  2. 氷を作る
  3. タンクの水がなくなったらタンクを水洗いする
  4. さらに2回ほど氷を作ってすすぎをする

掃除には2日ほど時間がかかります。掃除途中で家族が氷を食べてしまわないように、メモなどを貼りつけておくと良いですね。「小さなお子さんがいてそれでも誤食が心配」という場合は、最初に氷を作るときに食紅を少量入れておくとクエン酸水がピンクに染まり、すすぎができれば色が消えるのでお掃除終了の目安になります。

加湿器

意外に汚れている加湿器の中。白い水垢汚れの他にも菌が繁殖している可能性があります。健康のために使う加湿器で菌をまき散らしてしまっては本末転倒です。フィルターとトレイに水垢汚れがたまるので、1カ月に1回くらいの頻度でお掃除しましょう。

掃除方法
  1. 4lあたり小さじ2杯半のクエン酸水を作る
  2. フィルターを30分くらい付けおきする
  3. 水道水で十分にすすぐ

同様に、加湿機能付きの空気清浄機のフィルターもクエン酸で掃除が可能です。

フローリング

フローリングは食べかすやホコリなどのさまざまな汚れが付き、雑菌が繁殖しやすくなっています。汚れたと思ったら、クエン酸スプレーで小まめに汚れ落としと除菌を行い、仕上げに固く絞った雑巾がけを行いましょう。
「ペットがフローリングで粗相を…」というときにも、きれいに水拭きしてからクエン酸スプレーをシュッと吹き付け、さらに乾いた清潔な布で拭き上げれば、除菌とアンモニアの臭い対策もできます。

掃除方法
  1. スプレーを吹きかける
  2. すぐに固く絞った雑巾で拭く

フローリングのお掃除ポイントは、クエン酸を吹きかけてからあまり時間を置かないこと。時間を置いてしまうと、表面が変色したりやワックスが落ちたりする原因になるので注意が必要です。

ポット

電気ポットも水を使う以上、どうしても水垢汚れが付着してしまいます。「白い汚れが気になる」という方も多いのではないでしょうか。ポットの中も、クエン酸で手軽にしっかりとお掃除をしましょう。

掃除方法
  1. ポットに満水の水と30gくらいのクエン酸を入れ混ぜる
  2. お湯を沸かし保温する
  3. 1時間くらい経ったら、お湯を流し出す
  4. 水だけを入れて沸騰させる
  5. 水で十分にすすぐ

クエン酸水を入れてお湯を沸かすこと。お湯とクエン酸の相乗効果で水あかを落とすことができます。

応用編:クエン酸と重曹を使った方法


排水口のぬるぬるとした汚れはなるべく触りたくないですよね。そんなときには、クエン酸と重曹を混ぜて使う方法がおすすめです。発泡することで汚れを浮かして触ることなく落としてくれます。

排水口

掃除方法
  1. 沸かしたお湯を排水口にかける
  2. 重曹を排水口全体にムラなくかける(200gくらい)
  3. クエン酸水をかけて発泡させる(水100ml+クエン酸小さじ半分)
  4. お湯を少し注ぐ(発泡が激しくなったらOK)
  5. 30分待ってから、水で十分にすすぐ

泡の秘密は、クエン酸と重曹の性質の違いによるものです。クエン酸は酸性、重曹はアルカリ性なので中和される段階で反応して泡立つのです。ここにお湯をかけると、さらに中和が進み激しく泡立ちます。少し驚くかもしれませんが、危険なガスなどは発生しないので安心してくださいね。

クエン酸を使う上での4つの注意点


とても便利なお掃除アイテムのクエン酸は安全な成分ですが、掃除で使うときに注意したい大切なポイントが4つあります。健康に関わる重要な注意点も含まれているので、ぜひチェックしてください。

塩素系漂白剤と併用しない

クエン酸と塩素系の漂白剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生します。最悪は死に至るケースもあるというとても危険な塩素ガス。クエン酸と塩素系漂白剤を併用しないように、細心の注意を払ってください。
塩素ガスは強い刺激臭が特徴です。万が一ガスが発生してしまったら、速やかに換気を行いその場を離れましょう。体調がすぐれない場合は、念のため病院で診察を受けておくと安心です。

素材を選ぶ

家中のいろいろな汚れ落としに除菌に消臭にと大活躍のクエン酸ですが、使えない素材があります。使えない代表的な素材は大理石とセメント、そして鉄です。大理石とセメントは水あか汚れと同じアルカリ性なので表面を溶かしてしまい、鉄はサビてしまうため使うことができないのです。

濃度

クエン酸の濃度が高ければより汚れを落としやすくなりますが、その分金属部などに悪影響がでる可能性があります。ふだん使いのクエン酸スプレーの濃度は、水200mlに対して小さじ1杯の目安を守るようにしましょう。

時間

クエン酸スプレーやペースト状のものをパックして使う場合には、パック時間の管理も大切です。時間が経てば汚れも落ちやすくなりますが、素材も傷みやすくなります。放置せずに最長でも2時間を目安に掃除を終えることが素材を傷めないポイントです。

クエン酸の掃除で全然取れない場合は・・?

リーズナブルで体にも自然にも優しいエコ洗剤でもあるクエン酸は、家中のアルカリ性の汚れ落としに大活躍してくれる頼もしいお掃除アイテムです。
優れた洗浄能力を持っているクエン酸ですが、残念ながら中にはペーストパックをしても落とせない頑固な汚れも存在します。そんなときには無理をしないで、素材を傷めてしまう前に専門業者にお願いするのも賢い選択肢です。
今まで気になっていた汚れを手軽に落として気分もアップ!ご紹介した注意ポイントを押さえて、ぜひクエン酸を毎日のお掃除に生かしてみてくださいね。