こんがり焼けて、油のたっぷり乗ったお魚はとても美味しいですが、大変なのがグリルの掃除。
べたべたぬるぬるの油汚れや、しっかり固まった焦げ付きは、見るだけでいやになってしまいますよね。実は、そんなお悩みを簡単に解決してくれるものがあるんです。
それが、重曹とセスキ炭酸ソーダ。これらを使った楽々お手入れ方法から汚れ対策まで、がっつり解説します!
魚焼きグリルの汚れの原因とは?
放っておくと積み重なる魚焼きグリルの汚れ。その原因は大きく2つあります。
焦げ付き
魚を焼いたときに皮や身が網にくっついてしまうことがあります。汚れが付着してすぐなら、ぬるま湯につけておくことでふやけ、簡単に落とすことができますが、時間が経つとしっかりとこびりつき、ぬるま湯や洗剤だけでは落とせなくなってしまいます。
力任せに取ろうとすれば、グリルを傷つけたり、コーティングがはがれてしまったりといったことにもありかねません。
油汚れ
グリル全体の汚れの原因になるのが、油汚れ。魚を焼いた油は受け皿に落ちていきますが、グリル内部の壁や天井にもはねて付着しています。
油汚れは台所用洗剤で落とすことができますが、時間が経ってしまうと油が固まって酸化し、洗剤で洗ってもぬるぬるべたべたが残るようになってしまいます。
魚焼きグリルのしつこい汚れにはこれ!
こびりついてしまった汚れは見るのもうんざり。台所用洗剤だけではなかなか落ちません。そんなときに役立つアイテムが、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」です。
台所用洗剤でも落ちない汚れはどうする?
焦げ付きや油汚れは時間が経てば経つほど落ちにくく、頑固な汚れになっていきます。使う度にきちんと台所用洗剤で洗っていても、落ち切れなかった油汚れが積み重なっていってしまうこともあるのです。また、掃除がしにくいグリル庫内はついつい後回しになり、汚れをためがちです。
立派に育ってしまった汚れは見るだけでうんざりするものですが、そんなときの救世主となるのが、「重曹」と「セスキ炭酸ソーダ」。どちらも100円均一やホームセンターなどで簡単に手に入るものです。
重曹とセスキ炭酸ソーダがおすすめな理由
これらの特徴は、安全で、油汚れに強いこと。まず、重曹は食品添加物にも使われるもので、セスキ炭酸ソーダは入浴剤などに利用されています。つまり、口に入れても安全で、調理器具のお手入れにはぴったりというわけです。
また、どちらも水に溶かすと弱アルカリ性の性質を示します。油汚れは酸性なので、中和しながらぐんぐんべたつきを落としてくれるというわけです。
重曹とセスキ炭酸ソーダの違いは?
基本的にはどちらを使っても汚れはよく落ちますが、重曹の方が焦げ付きに強く、セスキ炭酸ソーダの方が油汚れに強いという違いがあります。
重曹は粉の粒子が粗く、粉やペーストの状態で使えば、クレンザーのような研磨剤としての効果が期待できます。一方のセスキ炭酸ソーダは、重曹よりも少しアルカリ性の性質が強いため、油汚れをより効率的に落とせるのです。
もし使い分けるとすれば、焦げ付きの強いところは重曹で、油汚れが気になるときにはセスキ炭酸ソーダでお手入れをすると、より高い効果が期待できるでしょう。
超カンタン! 魚焼きグリルの汚れを落とす方法
簡単には落ちなくなってしまった焼き網や受け皿の汚れは、洗浄液に浸け置くか、重曹ペーストを使うと簡単に落とせます。また、掃除しにくい庫内の汚れは、洗浄液をしみこませたキッチンペーパーを使うと便利です。
焼き網、受け皿(浸け置き編)
べたついた油汚れにもこびりついた焦げ付きにも効果的なのが、重曹水やセスキ炭酸ソーダ液での浸け置き。水かぬるま湯に、重曹やセスキ炭酸ソーダを溶かして一定時間浸けておいたあとにスポンジで軽くこすり洗いをし、最後に水で流します。洗剤でも落とせなかったしつこい汚れが、これで一掃できるでしょう。
※動画は五徳ですが、同じようにお手入れできます。
- 重曹
- またはセスキ炭酸ソーダ
- 水かぬるま湯
- 食器洗い用のスポンジ
- 汚れが落ちづらいときはメラミンスポンジや歯ブラシなど
- 重曹、もしくはセスキ炭酸ソーダを水かぬるま湯に溶かす。
- 1で作った洗浄液に焼き網と受け皿を浸ける。
- 1時間ほど置いてから、スポンジなどで擦り洗いする。汚れが落ちづらい場合は歯ブラシやメラミンスポンジでこする。
- 水で洗い流して完了。
※溶かす量の目安
重曹:水500mlに対し小さじ4杯
セスキ炭酸ソーダ:水500mlに対し小さじ1杯
汚れが落ちづらい場合は調整しながら濃度を高くしてもOK。
焼き網、受け皿(重曹ペースト編)
油汚れも落としたいけれど、それよりも焦げ付きをどうにかしたいというときには、重曹ペーストを使うとよいでしょう。重曹と水を3:1くらいの割合で混ぜて、ペーストを作り、それを焼き網や受け皿にまんべんなくぬり、ラップをするだけ。しばらくおいたあとにキッチンペーパーや布でふきとれば、こびりついた焦げ付きもすっきり落とせます。最後にしっかり水洗いをして完了です。
※動画はトースターですが、同じようにお手入れできます。
- 重曹
- 水かぬるま湯
- ラップ
- キッチンペーパーや布など
- 重曹に水を少しずつ混ぜ、重曹ペーストを作る。目安は、重曹と水の割合が3:1。
- 重曹ペーストを、焼き網や受け皿にまんべんなくぬり、ラップをする。
- 1~2時間ほど置いておく。
- キッチンペーパーは布で重曹ペーストをふき取っていく。
- 水洗いをして完了。
ポイント
- 重曹ペーストをぬったらラップをしておくと、側面のペーストが垂れてしまうのを防げます。
- ふき取る際、しつこい汚れがあったら少し強くこすってみましょう。重曹の研磨作用で楽に落とせるはずです。
- それでもなかなか落ちない場合は、プラスチックカードなどの固めのものでこそげ落とします。重曹によって汚れが浮いているので、これで簡単に落とせるはずです。
庫内
焼き魚グリルでもお手入れが面倒なのがグリルの内側。思っている以上に油がはねて付着しているので、面倒でも使う度にお手入れしたいところですが、ついつい放置してしまっている人も多いのではないでしょうか。積み重なってしまった汚れは、落とすのも一苦労。そんなときにも、重曹やセスキ炭酸ソーダが活躍します。
手順は簡単です。重曹水やセスキ炭酸ソーダ液をしみこませたキッチンペーパーを貼って、しばらく放置。あとは水ぶきをするだけで、油汚れがばっちり落とせます。面倒な庫内の掃除も、放置するだけなら簡単ですね。
- 重曹、またはセスキ炭酸ソーダ
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジや布
- ゴム手袋(庫内には突起などがあるため、安全のためゴム手袋をする)
- 汚れが落ちづらい場合は、メラミンスポンジや歯ブラシなど
- 重曹、もしくはセスキ炭酸ソーダを水かぬるま湯に溶かす。
- 1で作った洗浄液をキッチンペーパーにしみこませ、庫内にまんべんなくはる。
- 乾燥防止にキッチンペーパーの上からラップをはる。
- 1~2時間ほど放置する。
- ラップとキッチンペーパーを外し、水を含ませたスポンジや布で中をふく。汚れが気になる場合は、メラミンスポンジや歯ブラシなどでこすり、最後に水ぶきをする。
※溶かす量の目安
重曹:水500mlに対し小さじ4杯
セスキ炭酸ソーダ:水500mlに対し小さじ1杯
汚れが落ちづらい場合は調整しながら濃度を高くしてもOK。
※グリルの入り口にはるだけでもある程度効果はありますが、長い時間放置するなら直にはったほうが効果的です。
魚焼きグリルの気になる臭いには?
せっかくグリル内をきれいにしても、臭いがまだまだ残ってしまっていることがあります。そんな臭いを取り除くにはどうすればよいのでしょう。
空焼きをする
5~10分程度空焼きをすることで、気になる臭いを消すことができます。
お茶やコーヒーの出がらしを利用する
お茶や紅茶の葉やコーヒーには脱臭作用があります。湿ったままの出がらしを受け皿に広げ、乾燥するまで5分ほど加熱すると、臭いを吸い取ってくれます。
柑橘類の皮を使う
柑橘類の皮で庫内を磨くことでも、脱臭効果が期待できます。そのままにしておくと金属が変質してしまう恐れがあるので、しっかりと水ぶきするのを忘れないようにしましょう。柑橘類に含まれるクエン酸の殺菌作用があり、また、同じく柑橘類に含まれるリモネンという物質の消臭作用と、2つの効果が期待できます。
5.汚れ防止
汚れを一掃した後は、できるだけきれいに使い続けたいもの。焦げ付きや油汚れを防止する簡単な方法をご紹介します。
魚を入れる前に加熱する
焼き網を温めてから魚を乗せることで、魚の皮や身が付きづらくなります。
焼き網に油を塗る
フライパンなどに油をしくのと同じで、焼き網にも油を塗った方が焦げ付きにくくなります。最も効果的なのは、焼き網を加熱してからキッチンペーパーなどで油を塗り、魚を乗せること。加熱が面倒であれば、油を塗るだけでも効果はあります。
片栗粉を使う
受け皿に片栗粉を溶かした水を入れておくと、受け皿の油汚れを軽減できます。溶かす割合は、水200mlに対して片栗粉大さじ4杯が目安。グリルを使ったあとに置いておくと、片栗粉液が冷えて、テンプルのように固まります。それをはがすだけで、大体の油汚れは取れてしまうというわけです。もちろん、全面をカバーできるわけではないので、洗剤などを使ったいつもどおりのお手入れは必要ですが、その手間はぐっとすくなくなります。
アルミホイルをしく
焼き網にアルミホイルを敷くことで、焦げ付きを防止し、受け皿に落ちる油を減らすことができます。通常の魚焼きグリルの使い方ではないので、途中でひっくり返す必要があったり、焼き上がりが変わったりといったことがあります。また、機種によっては発火の危険があるなど、禁止されていることもあります。試す場合は、説明書をしっかり読んでからにしましょう。
グリルストーンを使う
魚焼きグリルをきれいに使うための石で、100円均一やホームセンターなどで購入することができます。これを受け皿にまんべんなく敷いておくと、油を吸収してくれるので、受け皿や庫内の汚れが格段に減ります。
その上、臭いまで吸収してくれるのです。さらに、石による遠赤外線効果で魚がじっくり加熱され、ふっくらとした焼き上がりになるという効果まであるというすぐれもの。3回ほどの使用で交換の必要がありますが、グリルを洗う手間を考えたらなんでもないでしょう。
ただし、機種によってはこうしたものを庫内に入れることを禁止しているものもあります。説明書をよく読んだ上で、試してみてください。
まとめ
べたついた油汚れにがっちり固まった焦げ付きなど、魚焼きグリルのお手入れは大変。魚を焼くたびに面倒な思いをしていた人もいるのではないでしょうか。
今回ご紹介したように、重曹やセスキ炭酸ソーダを使えば、そんなしつこい汚れもほとんど手間をかけることなく落とせてしまいます。焼き網や受け皿はもちろん、掃除しにくい庫内まで、簡単に、しかも台所用洗剤を使うよりも安全にきれいにできるというのは嬉しいですね。
また、浸け置きするほどではない軽い汚れの場合には、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を使ってふき取り掃除をするだけでも落とすことができます。重曹水は作り置きできませんが、セスキ炭酸ソーダ水は常温で2~3ヶ月保存できるので、スプレーなどに作っておいてもいいかもしれません。
おすすめなのは、毎回のお手入れは、焼き網と受け皿は洗剤で洗い、庫内は重曹やセスキ炭酸ソーダでふき取る。そして、汚れが目立ってきたら浸け置きなどで徹底洗浄。
ぜひ、いつでもきれいなグリルで美味しいお魚を味わってください。