子供のころに観ていたアニメ映画、覚えていますか? ワクワクしたり、感動したり、泣いたり、ぼんやりとした記憶の中にもその時の感情や思いは心の中に残っていると思います。 大人になるとなかなかアニメ映画を観る機会は少ないですが、それらは、日常の生活に追われつい忘れてしまいがちな大切なことに気づかせてくれます。 大人になった今だからこそ観てほしいおすすめのアニメ映画を15本ご紹介します。
目次
トイ・ストーリー3(2010)
トイ・ストーリー3 MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
ディズニー
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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トイ・ストーリー3のあらすじ
アンディがおもちゃで遊んでいたのも今は昔。アンディは大学に入学する年齢になり、カウボーイ人形のウッディたちおもちゃは託児施設に寄付されることになった。しかし、そこに待っていたのは乱暴な子どもたち。ウッディは脱出に成功するものの、アンディの元へ行くか、仲間たちを助けに戻るかの究極の選択を迫られる。
【心に沁みる感動シーン】
映画のラストで、アンディが近くに住む女の子ボニーに自分のおもちゃを譲ってあげるシーン。
アンディは、これまで大切に遊んできたおもちゃ一つ一つを手にとってボニーに紹介していきます。
ずっと一緒にいたウッディについて語るところでは、ウッディへの想いが溢れてきて、思わず言葉を詰まらせてしまいます。
そして最後にアンディはボニーと一緒におもちゃで遊んであげるのですが、その時のウッディたちおもちゃは、これまでの生き生きと動いていた彼らではなく、無機質なただのおもちゃとして描かれています。
おもちゃですから、笑うことも、泣くこともしませんが、彼らの表情は確かに、この上ない幸福で満ち溢れています。
アンディがどれだけおもちゃを大切にしてきたのか、そして、ウッディたちおもちゃもまたどれだけアンディのことを大切に想っているのかが伝わってくる、優しさに満ちたシーンです。
“あの頃”の大切な思い出に出会える作品
成長する中で変わっていくものと変わらないもの。
その中で避けては通れない「別れ」。
アンディは大切にしていたおもちゃたちと「お別れ」することで、また一歩、大人へと成長します。
そしてウッディたちおもちゃもまた、アンディとの別れを受け入れ、新たな持ち主の元でおもちゃとしての新たな人生を歩み出します。
「成長と別れ」という残酷にも思える時の流れを、とても美しく優しさに満ちたものとして描いているのです。
誰もが通ってきた道を、幸せで満ちた思い出として昇華させてくれる素晴らしい作品です。
アンディは成長し大人になります。
これは止めることはできません。
ですが、アンディの中にあるウッディやバズたちおもちゃへの想いは、きっと大人になっても消えることはないでしょう。
そしてその想いは、きっと、次の子供たちへと受け継がれていくことでしょう。
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001)
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 [DVD]
矢島晶子, ならはしみき, 藤原啓治, こおろぎさとみ, 関根勤
バンダイビジュアル
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映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のあらすじ
春日部に誕生した“20世紀博”。そこはひろしやみさえたちが育った70年代のテレビ番組や映画、そして暮らしなどを再現した懐かしい世界にひたれるテーマ・パークだった。大人たちは子供そっちのけで“20世紀博”に熱中していくのだったが……。
【心に沁みる感動シーン】
この映画の感動シーンは、何といってもしんのすけの父、ひろしが過去を回想するシーンです。
しんのすけ達家族のことも忘れ子供に戻ってしまったひろしを元に戻すために、しんのすけはひろしの靴の臭いをかがせます。
ゆっくりと思い出す中で描かれるひろしの思い出たち。
子供から大人になり、就職し、みさえと出会い結婚、しんのすけが生まれ、ひまわりも生まれ、何気ない日常がひろしにとってはかけがえのない幸せであることが伝わってきます。
すべてを思い出したひろしが涙を流しながらしんのすけをきつく抱きしめるシーンには、家族の絆や愛が詰まっていて、何度観ても胸が熱くなります。
前を向く力を貰える作品
大人になれば誰でも、「昔はよかったなあ」と思うときがありますよね。
「あの頃は良かった」「あの頃に戻りたい」――。
そんな思いは日常のふとした瞬間にもこぼれ落ちてきます。
現実が辛いほどその懐古の思いは強くなり、いつしか出口のない思いの中で途方に暮れてしまうこともあるでしょう。
そんな時にこそこの作品を観てほしいと思います。
映画では「未来を放棄し懐かしいあの頃を永遠のものに」しようとしますが、そのことがより強く「未来を生きることの大切さ」を教えてくれます。
過去を忘れたり切り離したりするのではなく、過去の思い出を尊いものとして大切にしていることで、今を生きる力に変えていけるのだと思います。
これまでがあるから、今があり、そして未来へと進んでいける。
そのことに改めて気付かせてくれる作品です。
映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002)
映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 [DVD]
矢島晶子, ならはしみき, 藤原啓治, こおろぎさとみ, 雨上がり決死隊
バンダイビジュアル
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映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦のあらすじ
しんのすけは知らぬ間に戦国時代へとタイムスリップしてしまう。そこで、しんのすけは、ひょんなことから偶然出会ったかっこいい侍、井尻又兵衛由俊を助けてしまう。城に招かれ陽気な家来たちと騒いだり、お姫様の廉姫に一目ぼれしたりするのんきなしんのすけだったが……。
【心に沁みる感動シーン】
井尻又兵衛由俊(以後、親愛をこめて「おまたのおじさん」と呼びますね)が銃弾を受け倒れてしまうシーン。
子供のころはただただ悲しい、それしか思っていませんでした。
それと同時に信じたくなくて目を背けていたシーンでもあります。
登場人物が死んでしまうアニメや映画はもちろん珍しくはありませんが、楽しく軽やかでおバカな「クレヨンしんちゃん」の世界でまさかそれが起こるとは考えもしないことです。
その分、妙にリアルで、怖くて、直視できずにいました。
しかし大人になった今、改めて観ると「死」という現実よりも、「運命」という言葉が重く心に響いてきます。
しんのすけが現れたことで、あの日おまたのおじさんの運命は確かに変わりました。
ですが歴史の波に逆らいきることはできません。
おまたのおじさんはそんな自分の運命を悟っていたのですね。
運命を受け入れ、為すべき事を為す。
その潔くも誇り高い生き様に、胸を打たれます。
自分にできることは何か、すべきことは何かを考えさせられる作品
現代を生きるしんのすけの無邪気で自由な様子と、戦国の世で「生きる道が決まっている」おまたのおじさんとの対比によってより強く心に残る「運命」という言葉。
今を生きる私たちには、命を懸けて何か一つの事をやり遂げるなんていうことは、そうないと思います。
平和すぎる日常の中では「運命」や「使命」なんて言われても、ピンとくることはないかもしれません。
ですが、仕事や家事や育児など当たり前に過ぎる日々の中にも、自分にしかない役割のようなものがあるんじゃないかなと思います。
おまたのおじさんが国を救ったように、しんのすけがおまたのおじさんを救ったように――。
自分にできること、自分がすべきことは何かと、深く考えさせられる作品だと思います。
ライオンキング(1994)
ライオン・キング ダイヤモンド・コレクション MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
ディズニー
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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ライオンキングのあらすじ
サバンナの王として君臨するライオン、ムファサに息子シンバが生まれる。ムファサの弟スカーは、王の座を狙い、ムファサ暗殺を企み、罠にはまったムファサは絶命。邪悪な叔父スカーに父王を謀殺されたシンバは国を追われ、イボイノシシ等サバンナのはぐれ者たちと暢気なその日暮らしを送っていたが、恋心を抱く幼なじみのナラに、故国の窮状を訴えられ、皆を引き連れ帰郷、スカーと一対一の決闘に臨む……。
【心に沁みる感動シーン】
プライドランドの危機を知っても尚、現実から目を逸らし逃げようとするシンバが、亡き父ムファサの亡霊と対峙するシーン。
自分が何をすべきかわからなくなり苦しむ彼を、王国の祈祷師ラフィキが草原の中のある水たまりへ導きます。
そこでシンバが見たのは、亡き父ムファサの亡霊でした。
ムファサは、過去の辛い記憶から目を逸らし自分を偽って生きているシンバに「自分を見つめろシンバ」「思い出せ、お前が誰かを」と厳しくも優しく語りかけます。
しかしシンバが見た亡霊は、シンバ自身の中に生きる父の姿が幻となって表れたものです。
己を見失い、迷い苦しんでいたシンバですが、答えはずっと、自分自身の中にあったんですね。
繋がる命、愛、そして己の中の勇気
辛いことや悲しいことからは、誰だって目を背けたくなるものです。
逃げてるだけでは何も始まらないと頭ではわかっていても、それらと向き合い受け入れることはとても苦しいです。
そんな時「ライオンキング」を思い出してください。
自分と向き合う勇気、過去を受け入れて一歩踏む出す勇気をくれるはずです。
答えは自分の中にしかないのです。
それを見つけ出せるのも、自分しかいないのです。
また、広大な大地に生きる動物たちの生き生きとした姿や、親から子へと受け継がれていく命がとても美しく描かれており、生きる強さを貰える作品です。
千と千尋の神隠し(2001)
千と千尋の神隠し [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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千と千尋の神隠しのあらすじ
両親と共に引越し先の新しい家へ向かう10歳の少女、千尋。しかし彼女はこれから始まる新しい生活に大きな不安を感じていた。やがて千尋たちの乗る車はいつの間にか“不思議の町”へと迷い込んでしまう。その奇妙な町の珍しさにつられ、どんどん足を踏み入れていく両親。が、彼らは“不思議の町”の掟を破ったために豚にされてしまい……。巨匠・宮崎駿監督が前作「もののけ姫」とは対照的に、現代日本を舞台に少女の成長と友愛の物語を描く、“自分探し”の冒険ファンタジー。
【心に沁みる感動シーン】
銭婆の元へ行った千尋をハクが迎えに行き、ハクの背中に乗って湯屋へと帰るシーン。
ハクが自分の本当の名前を取り戻すシーンです。
千尋はハクの背中に乗ったことで、小さい頃川に溺れた時のことを思い出します。
そして、ハクの本当の名前も。
名前を思い出し、本当の自分を取り戻したハクの笑顔を見た瞬間、嬉しさと感動で涙が溢れて来ました。
2人の喜びに満ちた笑顔に、温かな感動で胸がいっぱいになる素晴らしいシーンです。
「生きる力」に気づかせてくれる作品
湯屋での経験を通して目覚めた、千尋の中に眠る「生きる力」。
それは行動力や決断力だけでなく、誰かを思う優しさや誰かのために何かをしようとする強さでもあります。
ひとりでは決して見つけることのできなかった力です。
誰の中にもこの「生きる力」は眠っていて、人との繋がりの中で困難に立ち向かい、壁を乗り越えるたびに、その力は大きくなっていくのだと思います。
日々に追われて、生きることに疲れたとき、この作品を思い出して下さい。
小さな女の子の勇気が、きっとあなたの背中を押してくれるはずです。
おおかみこどもの雨と雪(2012)
おおかみこどもの雨と雪(本編1枚+特典ディスクDVD1枚)
宮崎あおい, 大沢たかお, 菅原文太, 黒木華
バップ
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おおかみこどもの雨と雪のあらすじ
9歳の大学生花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲い……。
【心に沁みる感動シーン】
おおかみとして生きる道を選んだ雨を、花が力強く「元気で…、しっかり生きて…!!」と叫び送り出すシーンは、観るたびに涙がこみ上げてきます。
雨はまだ10歳で、花から見たらまだまだ小さな子供です。
ですが、自分が「おおかみ」であることを強く認識し、その上で自分がすべきことを見つけた雨は、花が思っているよりもずっとずっと大人に成長していました。
そのことに気づき、おおかみとして生きる雨の人生を受け入れた花の「母」としての強さと優しさに、強く心を揺さぶられます。
母親の愛に包まれた優しい世界
人として生きる道を選んだ雪、おおかみとして生きる道を選んだ雨。
他と違うことへの葛藤や苦悩を乗り越えた先でそれぞれが選んだ道です。
それらを見守る花の中にもまた、大きな葛藤や苦悩がありました。
頭では「好きな道を選んでほしい」と考えていても、心は「側にいてその成長を最後まで見守りたい」という思いがあったはずです。
ですが花はいつも子供たちを優しく見守り、子育てを通して成長し、最後には子供たちの選択を全て受け入れます。
そこにあるのは花の母親としての無償の愛と強さです。
そんな母親の姿に自分を重ね、または自分の母を重ねて、大きな感動を覚えるのです。
母の大きな愛に包まれた、優しくも力強い作品です。
ノートルダムの鐘(1996)
ノートルダムの鐘 [DVD]
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
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ノートルダムの鐘のあらすじ
醜いカジモドは彼を引き取った最高裁判事のフロローによって、ノートルダム大聖堂の鐘楼に閉じ込められて暮らしていた。だがある日、彼は下界での祭りに我慢できなくなり、抜け出し、美しいエスメラルダに出会った。彼は彼女によって舞台に上げられ、道化の王に選ばれてしまう……。
【心に沁みる感動シーン】
フロローからエスメラルダとパリの街を救ったカジモドを、小さな女の子がそっと抱きしめるシーン。
「醜い怪物」としてずっと外の世界と隔離され、拒絶され生きてきたカジモドが、初めて人々に受け入れられた瞬間でした。
はじめは触れられることを恐れ躊躇っていたカジモドが、ふっと、その幸せを噛みしめるように優しい表情へと変わる瞬間、大きな感動と優しさに包まれ、涙がこみ上げてきます。
また、映画の冒頭でカジモドが外の世界への純粋で真っすぐな憧れを歌い上げているのですが、清らかな思いに胸打たれるこちらのシーンにもぜひ注目して観てほしいと思います。
世界の「優しさ」と「残酷さ」を美しく描いた作品
「優しさ」を象徴したカジモドと、「残酷さ」を象徴したフロロー。
この二人の対比によって描かれる、世界の「優しさ」と「残酷さ」。
悪役として出てくるフロローも非常に心動かされるキャラクターです。
ディズニー作品に登場する悪役達は、みな自分が「悪」であることを自覚していますが、フロローは違います。
自分が「正義」であることを信じて疑いません。
それ故に醜いものや邪悪なものを排除しようとしますが、その一方で、ジプシーであり憎むべき相手であるエスメラルダに惹かれていきます。
彼の理性と本能の葛藤はまさに人間らしく、そこから生まれ出る残酷さや非情さは、私たちの心の中にも眠っています。
だからこそ、悪役であるフロローに思いを馳せ、残酷な世界に飲まれず「優しさ」を持ち続けたカジドモに心が惹き付けられるのかもしれません。
シンデレラⅢ戻された時計の針(2007)
シンデレラIII 戻された時計の針 [DVD]
ディズニー
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
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シンデレラⅢ戻された時計の針のあらすじ
不朽の純愛ストーリーの名作『シンデレラ』のパラレルワールド作品。もしもガラスの靴が義姉アナスタシアにぴったりだったら……。一度は誰もが考えたことのある設定でディズニーが見せてくれる。
【心に沁みる感動シーン】
魔法の力で王子様と結婚しようとしたアナスタシアが、王子様との結婚を前に真実を打ち明けるシーン。
はじめはただただ王子様と結婚して幸せになりたいという思いだったアナスタシアでしたが、次第に王子様から本当に愛されたいと願うようになっていました。
魔法の力を使ってでも愛されたいと思っていた彼女ですが、王子様や国王様の優しさに触れるうちに、それらが「本当の自分へ向けられた愛じゃない」と気づき、自分のしていることに苦しみます。
このときのアナスタシアの葛藤が痛いほど伝わってきて、それと同時に、“本当の自分を見て、そして愛してほしい”というアナスタシアの純粋な心に胸を打たれます。
幸せは自分の手で掴むものだと気付かせてくれる作品
いじわるな継母によって時を戻され王子様と引き離されてしまったシンデレラは、何度邪魔をされても諦めずに自分の力で王子様の愛を取り戻そうと闘います。
かつての幸せが叶う日を夢見るだけだったシンデレラではなく、自分で幸せを掴もうと必死にもがくシンデレラの姿がそこにはあります。
王子様との結婚を夢見るアナスタシアもまた、魔法によって得た偽りの愛の虚しさに気づき、「本当の自分を愛してほしい」という純粋な思いの中で幸せを掴もうと必死にもがきます。
そんな2人の姿に「本当の幸せとは何か」「本当の愛とは何か」と考えさせられるとともに、それぞれの幸せを見つける姿に、勇気と感動が込み上げてきます。
サマーウォーズ(2009)
サマーウォーズ 期間限定スペシャルプライス版(2枚組) [DVD]
神木隆之介, 桜庭ななみ
バップ
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サマーウォーズのあらすじ
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。
【心に沁みる感動シーン】
サマーウォーズの感動シーンは、主人公である健二と陣内家が一丸となって敵の人工知能に立ち向かうシーンです。
大きな敵を前に、家族を、そして世界を守るため、それぞれが持てる力を駆使して戦うその姿に胸が熱くなります。
また、先陣を切った陣内家当主の栄おばあちゃんの強さにも感銘を受けました。
OZという世界中に広がるネットワークが人工知能に乗っ取られ現実世界が混乱する中、栄おばあちゃんは昔から続く人脈を駆使して、人の力で混乱を収めようと働きかけます。
栄おばあちゃんはしきりに「あんたならできる」と言っていました。
その力強い後ろ姿に、言葉に、自分が励ましてもらっているようで、背筋がしゃんと伸びたのを覚えています。
圧倒的爽快感の中で描かれる家族の絆
SNSの急速な発達によりネット上で簡単に見知らぬ人とも繋がれてしまう今の時代において、改めて、心を通わせた家族の「絆」の温かさや強さが心に沁みる作品です。
ブレることなく一貫して描かれる家族の「絆」。
健二は陣内家の人間ではありませんが、共に戦う中で、家族にも似た強い絆が生まれています。
夏の田舎を舞台した大家族と少年のドキドキハラハラな物語。
観終えた後には圧倒的な爽快感と高揚感の心地よさに包まれる、気持ちのいい作品です。
時をかける少女(2006)
時をかける少女 通常版 [DVD]
仲里依紗, 石田卓也, 板倉光隆, 原沙知絵, 谷村美月
角川エンタテインメント
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時をかける少女のあらすじ
高校2年生の紺野真琴は、自転車事故をきっかけに、時間を跳躍する能力を持ってしまう。その能力のことを叔母の芳山和子に相談すると、それは“タイムリープ”といい、記憶の確かな過去に飛べる能力だという。半信半疑の真琴だが、日常の些細(ささい)な不満やストレス解消などのため、むやみやたらに能力を乱用しだし……。
【心に沁みる感動シーン】
真琴と千昭の別れのシーン。
千昭はもう未来に帰ってしまうし、その「未来」がいつなのかもわかりません。
千昭も真琴もお互いを好きでいるのに、一緒にいることはもう叶わないのです。
千昭は去り際に想いを伝えようとしますが、もう一歩のところで躊躇い、おどけて誤魔化します。
もう会えないのに想いを伝えても、真琴に辛い思いをさせるだけだと思ったのかもしれません。
真琴もそれに気づいているから、同じくおどけたように明るく千昭を未来へと送り出します。
千昭の姿が見えなくなった途端に込み上げてくる真琴の涙が苦しくて、切なくて、こんなに辛い最後ならいっそ出会わなければよかったのにとさえ思いました。
もう2人は会えないとわかっているからこそ、千昭が真琴に最後に言った「未来で待ってる」の一言が強く胸に響いてきます。
切なく胸を締め付ける青春がそこには凝縮されているのです。
「今」という時間の大切さに気付かせてくれる作品
学生だった頃は「時」の流れや重さなんて気にしたこともありませんでした。
時間は無限にあると思っていましたし、過ぎた時間だってまたやってくるような感覚で過ごしていました。
「高校生」という時間は、子どもでもなく大人でもなく、ある種、特別な時間だと思います。
真琴は小さなことで何度もタイムリープを繰り返しますが、そのことがいかに贅沢なことであるか気づいていません。
その純粋さ、無邪気さは、時に残酷なものです。
真琴の自己本位な、いかにも若者らしい無鉄砲なタイムリープに「何でそんなことに使っちゃうかなあ!」なんてヤキモキしてしまうのは、自分が大人になったからかもしれませんね。
真琴を通して見る「青春」に胸が締め付けられ、“もう戻ることはできないんだな”という愁いの中で見つける「今」という時間。
過ぎた時間は戻ってはこない。
だからこそ「今」この一瞬一瞬を大切に生きようと、改めてそう思わせてくれる作品です。
秒速5センチメートル(2007)
秒速5センチメートル [Blu-ray]
花村怜美, 近藤好美, 尾上綾華, 水橋研二
コミックス・ウェーブ・フィルム
秒速5センチメートルのあらすじ
http://www.amazon.co.jp/dp/B0013K6DL6?tag=iremono05-22
小学校の卒業と同時に離ればなれになった、遠野貴樹と篠原明里。そのとき、二人の間には二人だけの特別な想いが存在していた。しかし、無情にも時だけが過ぎてゆく……。そんな日々を重ねたある日、ついに貴樹は明里に会いに行くことを決意。訪れた約束の日、チラホラと舞う雪がスピードを増し、辺りを白く包んで行った……。
【心に沁みる感動シーン】
第三話のラスト、山崎まさよしさんの【One more time,One more chance】が流れ出してから一気に映画のラストへと向かうシーン。
貴樹と明里の現在と過去とが入り混じり、断片的に押し寄せてくる映像群とリンクする歌詞。
行き場のない切なさと胸をえぐるような痛みが一気に畳み掛けてきます。
最後、踏み切りで大人になった貴樹と明里がすれ違ったかのように見えるシーンが出てきます。
子供の頃の思い出と対照的に描かれたこのシーンで、貴樹は明里の姿を探しますが彼女はそこにはいませんでした。
一瞬驚いたような悲しいような表情をした貴樹が、そこで何かを吹っ切ったかのようにわずかに微笑んだ瞬間、言いようのない感傷に襲われ涙が止まりませんでした。
苦しいほどの青春に出会える作品
小学生で出会った初恋の人を忘れられず、思い出にすることもできず、ひたすらに彼女を求め続ける貴樹の姿にいつかの自分を重ねて胸が締め付けられます。
貴樹がずっと追い求めてきたのは、美しく彩られた幻想の中の彼女です。
ですが月日が流れ大人になった貴樹は、自分が何を求め続けてきたのか分からなくなります。
2人が結ばれることなければ、答えもないまま、救われない想いは日常の中に埋もれていきます。
その行き場のない苦しいまでの痛みは、今もそっと私の胸を締め付けて離しません。
ジョバンニの島(2014)
ジョバンニの島 DVD
市村正親, 仲間由紀恵, 柳原可奈子, ユースケ・サンタマリア
ポニーキャニオン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00KV4WS2S?tag=iremono05-22
ジョバンニの島のあらすじ
父・辰夫、祖父・源三と一緒に、北方四島の一つである色丹島に暮らしている10歳の淳平と7歳の寛太の兄弟。1945年に太平洋戦争が終わり、日本がポツダム宣言を受諾することに。その直後、ソ連軍が、択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島に上陸して進駐し、淳平と寛太が通う学校にも兵士がなだれ込んでくる。やがて、二人はロシア人少女と心を通わせるようになるが……。
【心に沁みる感動シーン】
映画の最後、大人になった淳平や先生らが故郷を訪れ、50数年ぶりの卒業式を行ったシーン。
敗戦によって故郷を奪われた彼らが、長い年月を経てやっと故郷を訪れることができて、その地で先生が5人の元児童達に卒業証書を手渡すシーンは、ぐっと込み上げてくるものがあります。
卒業式の後には、色丹島に住むロシアの人達の歓迎会に出席するのですが、そこで淳平は子供の頃に出会い心を通わせ淡い恋心を抱いた「ターニャ」の、娘さんとお孫さんに会います。
ターニャ本人に会うことは叶いませんでしたが、娘さんとお孫さんに会えた淳平の表情はとても優しいものでした。
最後にはみんなが手を取り合って踊るのですが、その笑顔に胸が締め付けられ、それと同時に、これからの平和を願わずにはいらない、希望を感じさせるシーンです。
忘れてはいけない「戦争」の記憶
戦争を知る人たちが段々と少なくなりつつある現代において、こうした戦争を伝える作品はとても貴重なものだと思います。
この物語は実話を基に作られていますが、映画は少年が見た現実と夢とが交じり合うある意味でファンタジーの世界です。
戦争における悲劇性や悲壮感が、少年によって創られる幻想的な非現実空間によって中和されています。
鉄道への憧れや、淡い恋心、兄弟愛や家族の絆。
そうした生きることに前向きな部分が前面に描かれています。
戦争の辛さをまざまざと見せ付けられるよりも、子供の純粋な夢や希望を通して戦争を見ることで、より一層戦争の悲劇性が伝わってきます。
かつて世界に「戦争」があったこと。
そして戦争によって多くの人が亡くなり、深く傷ついたこと。
そのことを、私たちは決して忘れてはならないのだと、改めて教えてくれる作品です。
風の谷のナウシカ(1984)
風の谷のナウシカ [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
風の谷のナウシカのあらすじ
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K72FKBU?tag=iremono05-22
海から吹く風によって腐海の毒から守られている「風の谷」。ある日、虫に襲われた輸送飛行船が風の谷に墜落する。船内には、“火の七日間”と呼ばれる最終戦争で地球を壊滅させた「巨神兵」の核が積まれていた。やがて巨神兵をめぐり闘争が勃発し、風の谷の王妃ナウシカも陰謀渦巻く戦乱に巻き込まれてゆく。
【心に沁みる感動シーン】
全てのシーンにおいて非常にメッセージ性が強く、心を動かされる「風の谷のナウシカ」ですが、やはり最後のナウシカが「蒼き衣を纏いて金色の野に降り立つ」シーンは息を呑む美しさです。
全編を通して描かれているナウシカの生きるものへの深い愛。
それが一番現れているのがこのシーンだと思います。
最後まで争いを嫌い、全ての生き物の命を深く愛したナウシカ。
風の谷とそこに生きる人々、そして王蟲を守るために命を懸ける彼女の強さや優しさに胸を打たれます。
ナウシカに見る理想と未来
これまでナウシカほど他者を愛した人はいたでしょうか。
ナウシカは、蟲にも人にも自然にも腐海にでさえも、愛情を持ち、受け入れ、共存しようとその身を捧げ続けます。
その聖母とも思える姿に女性としての理想を見出し、心を動かされます。
そんな全てのものを慈しむナウシカが見つけた腐海の真実。
人間が汚してしまった大地の毒を吸い上げ綺麗にするために存在していたのです。
土や水が綺麗な環境で育てば、毒を出すことはありません。
世界が汚れてしまったために毒を出し続ける腐海。
腐海の毒によって浄化されていく世界。
しかしその毒の中では人は生きてはいけない。
身勝手な人間の自然破壊が招いたこの悲劇のような矛盾が、私たちの未来の姿でないことを祈るとともに、自然との共存について深く考えさせられる作品です。
ドラえもん のび太と雲の王国(1992
映画ドラえもん のび太と雲の王国【映画ドラえもん30周年記念・期間限定生産商品】 [DVD]
大山のぶ代, 小原乃梨子, 肝付兼太, たてかべ和也, 野村道子
ポニーキャニオン
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雲の王国のあらすじ
空にある天上世界に迷い込んでしまったのび太たち。そこは、天上人たちが絶滅した動物を保護して暮らす天国のような場所だった。だが、親切そうな彼らは実は恐ろしい計画を実行しようとしていた。自然を壊し、動物を迫害し続ける人間に天罰を下すため、大洪水を起こして地上の文明を滅ぼす。
【心に沁みる感動シーン】
地上文明を全て消し去ってしまおうとする天上人に対して、しずかちゃんが「環境を守ろうと人は変わってきている」と訴えるシーン。
しずかちゃんは環境を破壊し続けてきた人間の非を認め、その上で、「人々が環境破壊に気づき、環境を守る働きを始めている」ことを訴えています。
この映画が公開されたのはもう20年以上も前のことです。
ですが、今改めて観ても、驕りのない真っ直ぐなしずかちゃんの言葉が痛いほど心に響いてきます。
環境問題をダイレクトに描いた作品
子供の頃この映画を見たとき、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けたことを覚えています。
当時はまだ環境問題など何のことかわからず、映画が伝えたいことの芯の部分まで理解できていなかったと思います。
ですが、地上が大洪水に飲まれ家も学校も何もかも流されているのを見たとき、強く「怖い」と思いました。
そのとき感じた思いは大人になった今でも消えることはありません。
のび太達が人類滅亡計画を知り、自分たち人間がしてきた自然破壊の愚かさを知り、そしてこれからどうすべきか考える姿を通して、環境破壊への警鐘を鳴らしています。
環境問題を正面から捉え、真っ直ぐに描くことで、ずしりと重く響いてくる作品です。
もののけ姫(1997)
もののけ姫 [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K731JQ4?tag=iremono05-22
もののけ姫のあらすじ
山里に住む若者アシタカは、怒りと憎しみにより“タタリ神”と化した猪神から呪いをかけられてしまう。呪いを解く術を求めて旅に出るアシタカはやがて、西方の地で“タタラ”の村にたどり着く。エボシ御前が率いるその村では、鉄を造り続けていたが、同時にそれは神々の住む森を破壊することでもあった。そして、そんなタタラ達に戦いを挑むサンの存在をアシタカは知る。人の子でありながら山犬に育てられた彼女は“もののけ姫”と呼ばれていた……。
【心に沁みる感動シーン】
シシ神によって焼け野原となった大地に緑が芽吹き、また新たな土地が誕生するシーンは、どんな言葉にも変えがたい大きな感動に心が震えます。
首を打ち落とされたシシ神は、デイダラボッチの姿で多くの命を吸い取っていきます。
アシタカとサンによって首が返されたときにはもう遅く、朝日を浴びたシシ神は破裂し姿を失ってしまいます。
ですが、シシ神が消えた跡には新たな命が芽吹いていました。
シシ神様は「生命」そのものであり、そこには敵も味方も、人も動物もありません。
全ての者に等しく「生」と「死」を与えるのみです。
アシタカの「シシ神様は死にはしないよ」という台詞が深く心に残ります。
「生きること」を描いた永遠の名作
もののけ姫」を見た後はいつも、喪失感にも似た静かな感動に包まれます。
人は自分たちが生き残るために多くのものを破壊し、多くの命を奪って来ました。
今の私たちもそうです。
この作品はそうした人間の身勝手さや傲慢さ、愚かさから目を逸らすことなく真っ直ぐに描いています。
しかし、そういった「弱さ」こそが人を人たらしめるのではないかと思います。
弱さを受け入れ、その度に過ちを認め、それでも尚生きようとする「強さ」こそが人間の美しさではないかと――。
生きることの美しさも醜さも全て曝け出して描かれた「もののけ姫」。
いつの時代も色褪せることなく、私たちの心に大きな感動と生きる希望を与えてくれる作品です。
感動アニメは大人になったあなたに観て欲しい
心に沁みる感動のアニメ映画を15本ご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
何か心に響く作品はあったでしょうか。
アニメ映画はいつだって私たちの心に寄り添い、大切なことをそっと教えてくれます。
子供の頃に観ていた作品も、大人になってから観てみるとまた違った作品に観えるかもしれません。
気になった作品がありましたら、ぜひ観てみてください。