年齢が高くなるにつれ、代謝が落ち、身体に脂肪がつきやすくなりますよね。ダイエットに励む方も多いことでしょう。
ダイエットで痩せようとするとき、食事制限に取り組むのが一般的です。確かに、ある程度カロリーの摂取量などコントロールすることはダイエットに有効ですが、極端な食事制限を行うと、代謝を低下させて、ダイエットに失敗しやすくなる原因となります。
ダイエットは、身体に必要な栄養素を食事からしっかり摂り、運動で脂肪を燃やす燃焼系のダイエットをするのが最も効果的です。
簡単で取り組みやすい運動として、夜のウォーキングをダイエットに取り入れることをおすすめします。
ダイエットには有酸素運動が効果的
ダイエットでは、体脂肪を燃焼するために筋トレで筋肉をつける運動と、有酸素運動でカロリーを消費しつつ、脂肪を燃焼しやすい身体を目指す運動があります。
どちらも続ければダイエットの効果が得られます。が、筋肉量の少ない女性にとっては、ハードな筋トレは少々ハードルが高いかもしれませんね。
その点、ウォーキングなら、実践しやすく、簡単にダイエットに取り入れることが出来ます。
ウォーキングには様々なダイエット効果があります。
①体脂肪を燃焼
ウォーキングや軽いジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動は、酸素を使って血中の脂肪を消費し、エネルギーに換えます。始めて20~30分後に脂肪の燃焼が始まると言われているので、少なくとも30分、出来れば1時間のウォーキングを続けると、ダイエットに効果が期待出来ます。
負荷の低すぎる運動では、脂肪の燃焼効果は得られません。少し息が上がり、5分で汗ばみ始める程度の負荷を意識して歩きましょう。下半身の大きな筋肉を意識して動かすと、さらに効果が高まります。
社会人としては、普段の生活にウォーキングを取り入れようと思うと、早朝か帰宅後の夜かの2択になります。早起きで、朝の時間に余裕があれば、早朝のウォーキングもOKですが、朝食前に有酸素運動を行っても、燃料となるカロリーが不足しているので、有酸素運動の効果は下がってしまいます。身体が完全に目覚める前の運動は、健康を損なう恐れもありますので、無理は禁物です。
夕食後の夜の時間が、一番自由になる時間ではないでしょうか。その1時間をウォーキングに当てる「夜歩きダイエット」で、脂肪が燃えやすい身体を作っていきましょう。
②リフレッシュ効果
ストイックにダイエットを行うと、速く痩せることは出来ますが、ストレスからリバウンドしやすいのも事実です。ダイエットをした人の追跡調査によると、5年以内に8割の人がリバウンドしているという報告もあります。せっかく身体を絞ったのに、元の木阿弥になるのは避けたいですよね。
リバウンドしないためには、ストレスなく続けられる方法を選ぶことも重要です。有酸素運動を行うと、エンドルフィンやセロトニンといったホルモンが分泌されます。エンドルフィンは、幸福を感じるときに分泌されるホルモンです。セロトニンには、不安やストレスを抑制する作用があります。ウォーキングやジョギングを行うと、スッキリして前向きな気分になりますが、それはこれらのホルモン分泌による効果だと考えられます。
③成長ホルモン
成長ホルモンは、私たちの身体が子供から大人に成長するとき、筋肉や骨格・内臓を大きくするのに使われます。大人になってからも分泌は続き、細胞の代謝を促して身体を健康に維持してくれるはたらきをしてくれています。
成長ホルモンは、脂肪の分解を促し、痩せやすい身体を作るのにも役立ちます。有酸素運動を行うと、成長ホルモンの分泌量が増えると言われています。
ちなみに、成長ホルモンは、筋肉に負荷をかけるトレーニングや加圧トレーニングの最中にもさかんに分泌されます。運動によるカロリーの消費量としては、筋トレの方が大きく、ウォーキングの3倍程度とされています。
ウォーキングに慣れてきたら、筋トレにチャレンジしてみると、より一層効率のよいダイエットが出来ます。その場合、筋トレで血中に脂肪酸が増えた状態にした後で、有酸素運動であるウォーキングを行うという順番にすると、効率よく脂肪を燃焼させることが出来ます。
ダイエットの効果を高める食事
ダイエットには、食事のコントロールも不可欠です。夜ウォーキングをしているからと、安心して高カロリー高糖質の食事をしてしまうと、せっかくのダイエット効果が台無しになってしまいます。
一方で、ダイエット中に糖質や脂質を極端に制限する人がいますが、これも誤ったダイエットのやり方です。糖質や脂質は、身体が効率よくエネルギーを得て動くための重要な燃料となります。糖質を制限すると簡単に体重は落ちますが、糖質を結びついていた水分がまずなくなるので、最初に抜けるのは水分なのです。次いで、筋肉が減ります。筋肉は、脂肪を燃焼するためのメイン工場です。筋肉を減らすダイエットは、結局代謝を低下させ、痩せにくく太りやすい体質にしてしまうので、おすすめ出来ません。
ウォーキングのダイエット効果を高めるためにおすすめの栄養素を以下に紹介します。
夜歩きに行く際は、脂肪燃焼効果を高める食事をすると、効率よく痩せることが出来ますよ。
①ビタミンB群
ビタミンB1、B2、B6、B12などのビタミンB群は、脂肪と糖の分解に深く関わる栄養素です。
糖質・脂質の代謝を助け、エネルギーを生み出し、たんぱく質を筋肉・血液・肌に変えるはたらきをします。ダイエットの時には、脂肪を分解するためにも、筋肉を増やすためにも、ビタミンB群を積極的に摂る必要があります。
ビタミンB1…豚肉(ヒレ)、生ハム、レバー、うなぎ、たらこ、大豆
ビタミンB2…豚肉、サバ、納豆、チーズ、モロヘイヤ
ビタミンB6…マグロ、カツオ、牛肉、レバー、バナナ
ビタミンB12…さんま、いわし、チーズ、貝類(アサリ・シジミ・牡蠣・赤貝など)
上に挙げた4つのビタミンの他、ささみやムネ肉に多いナイアシン、牛乳や卵から得られるパントテン酸、ホウレン草・ブロッコリーなどに多い葉酸、カレイやシシャモなどの魚やきのこ類に含まれるビオチンの4つを合わせて、ビタミンB群と総称します。
いずれも脂質の代謝を助け、疲労回復効果などが得られる栄養素です。
②L-カルニチン
ウォーキングなどの有酸素運動や、筋トレを行うと、身体がリパーゼという脂肪分解酵素を出して、脂肪を脂肪酸という代謝しやすい形に変化させます。この脂肪酸は、筋肉の細胞内にあるミトコンドリアに運ばれて代謝が行われるのですが、脂肪酸をミトコンドリアまで運搬するのが「L-カルニチン」です。身体に元々備わっているものですが、年齢と共に減少します。年齢が高くなると、太りやすくなるのは、L-カルニチンの量が減る影響も大きいと考えられます。そのため、食物から補う必要があるのです。
豚肉や牛肉には、このL-カルニチンが豊富に含まれています。筋トレを行う人が豚肉や牛肉を積極的に食べるのは、L-カルニチンの作用が筋肉を強くし、脂肪を燃焼してくれるからです。L-カルニチンは、ダイエット用の点滴にも含まれている成分です。
L-カルニチンの含有量が最も多いのは羊肉です。ジンギスカンが身近で食べられる環境の人は、ラムやマトンを食べると、一層ダイエット効果を得られます。
夜歩きに行く前に、豚肉や牛肉を取り入れたメニューを食べておくと、効率よく脂肪が燃やせますよ。
③糖質・たんぱく質
体内の新陳代謝には、糖質も重要な役割を果たしています。
ダイエットにおける糖質の摂取法には諸説あり、糖質を20g以下に抑える「ケトンダイエット」と言うやり方もありますが、極端な糖質制限は深刻な病気を招くとして警鐘を鳴らす医師も少なくありません。糖質制限のダイエットを行い、脳梗塞になった人や、糖質制限ダイエットの第一人者だった人が、61歳という若さで急死した例もあります。10年後20年後の追跡調査を行い、危険性がないと証明されるまでは、様子を見た方が賢明だと思います。
食事を取ると、身体がぽかぽか温まりますが、この熱は「食事誘発性熱産生」と呼ばれ、1日の消費カロリーの1割を占めています。糖質とたんぱく質を含む食事を摂ると、エネルギーが効率よく得られて、体温が上昇し、脂肪が燃えやすい身体になります。
お米を6割、残りの4割をたんぱく質を中心としたおかずにする「お米食べるダイエット」は、最も効率よくエネルギーを得られ、代謝を上げる食べ方とされています。
お茶椀一杯のご飯に、発酵食品である味噌汁、豚肉の生姜焼きといったメニューの食事をした後で、夜歩きに行くと、脂肪の燃焼効果を高めることが出来ると考えられます。
④脂質
ダイエットの際、オイルをカットする人もいますが、適度な脂質は身体に必要です。
私たちの細胞は、脂質の膜で覆われています。また、脂肪を分解するためには、脂質も必要なのです。脂質が不足すると、細胞が新陳代謝をうまく行えなくなり、痩せにくくなる上、健康にも影響します。
脂質には、身体に溜め込まれやすい飽和脂肪酸と、食事から摂るべき不飽和脂肪酸の2種類があります。
オメガ3脂肪酸は、血管の壁をしなやかにして、血液をさらさらに保ち、新陳代謝を促してくれる脂質です。日本人に不足しがちとされ、毎日の食事で上手に摂ることが推奨されています。オリーブオイルやココナツオイル、アボカドに含まれるオレイン酸なども、便秘を改善し、肌を綺麗に保ってくれる効果があります。
良質な脂質はダイエットの味方です。摂りすぎには注意しつつ、食事に取り入れるようにしてください。
夜歩きダイエットのポイント
夜歩くウォーキングダイエットには、いくつかポイントがあります。
①歩く場所に注意
お住まいの地域にもよりますが、女性一人の夜歩きが推奨されない場所もあります。
暗くなっても安全が確保できる場所でウォーキングしてください。
ウォーキングやジョギングをする人が集まっている公園や川辺などがあれば、そこで歩くことをおすすめします。他にやっている人がいるのを見ると、モチベーションを保つことも出来ますよ。
②誰かと一緒にやると長続きする
一念発起して始めたものの、3日坊主でやめてしまう…ダイエットあるあるですよね。
一緒にやってくれる家族や友達がいれば、是非連れだってウォーキングしましょう。パートナーと一緒に行うのもいいですね。楽しくおしゃべりしながら歩くと、距離や時間に気をとられないので、気がつくと結構な距離を歩いていた、ということも。
出来るだけ楽しんで運動を行うのが、ダイエットが長続きする秘訣です。
③ウェアとシューズは専用のものを
ウォーキングは、脂肪燃焼効果を高めるために、ある程度の負荷をキープする必要があります。当然、発汗しますので、水分を吸収してさらっとした肌触りを保ってくれるスポーツウェアを着用することをおすすめします。スポーツウェアは、快適に運動を継続できるよう計算して作られていますので、普通のTシャツなどとは着心地が異なります。汗で濡れて生地が貼りつくのはイヤですよね。
シューズは、専門のアドバイザーが常駐しているスポーツ用品店で選びましょう。靴底に厚くクッションがついたウォーキング用のシューズは、足の衝撃を軽減し、疲れにくくしてくれます。運動に適さない靴を履いてウォーキングすると、足をいためることになりかねませんので、専用のものを使いましょう。
④歩く時間に注意
夜遅くに有酸素運動を行うと、交感神経が活発になり、スムーズな眠りが妨げられる場合があります。
夜歩きに行くときは、夕食を早めに済ませ、食後30分くらいして出かけることをおすすめします。
成長ホルモンは、睡眠中に1日の分泌量の7割が分泌されるので、ダイエット時には、睡眠の質を高める工夫も重要です。
歩いた後はストレッチで身体をほぐし、ぬるめのお湯につかって、リラックスして眠るようにしましょ。
まとめ:夜のウォーキングでストレスなく痩せよう!
吉本の美容番長・シルクさんは、毎日1時間のウォーキングで10kg無理なく痩せたそうです。
ウォーキングは、全身の血行をよくし、新陳代謝を高めて、痩せやすい身体を作ってくれます。老化の原因である活性酸素のはたらきを抑える効果もありますので、アンチエイジングにもよい方法です。
きちんと食事をとり、定期的なウォーキングで、ストレスなく健康的に痩せましょう。