今年2016年には「アリス・イン・ワンダーランド」の続編、来年2017年には「パイレーツ・オブ・カリビアン」の続編が控えているジョニー・デップの、ぶっ飛んだ濃いキャラクターが印象的な映画を9作品厳選してご紹介します。マッドハッターにジャック・スパロウ、エドワード・シザーハンズにウィリー・ウォンカ、どのキャラクターも一癖もふた癖もある強烈で個性的な役柄で、一度見たら絶対に忘れられません!
目次
①クライ・ベイビー(1990)
後の「性格俳優」ジョニー・デップの基礎を作った初主演ミュージカル作品
カルト映画として有名な「ピンク・フラミンゴ」のジョン・ウォーターズ監督の作品で、当時テレビシリーズ「21ジャンプストリート」のアイドル路線で人気だったジョニー・デップが、殻を破るため挑戦した一風変わったパロディ風ミュージカルです。
初主演作品が27歳の時で、しかも高校生の役というのも驚きです!この映画ではジョニー・デップの歌声は吹き替えですが、彼がテンション高めに踊ったりギターを弾いている姿は貴重です。
Cry-Baby (1990) Official Trailer – Johnny Depp, Ricki Lake Movie HD by youtube
【クライ・ベイビーを知るためのキーワード】
〈1〉ウェイド・“クライ・ベイビー”・ウォーカー
リーゼント、マッスルカー、革ジャン、バイクと、いかにも1950年代のアメリカテイストなアイテムだらけのこの作品!舞台はアメリカのボルチモアで時代設定も50年代、ジョニー・デップが演じる主人公“クライ・ベイビー”ことウェイド・ウォーカーもリーゼントと革ジャンという出で立ちで、不良グループ“ドレイプス”のリーダーです。
彼は幼い時に、凶悪犯の父親が電気椅子で死刑になったことで孤児になり、その悲しみのあまり左目からポロっと一粒涙を流すようになりました…それが“クライ・ベイビー”の由来!実は仲間思いで恋人一筋の心優しき不良少年なのです。
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〈2〉50年代の不良たちとミュージカル・パロディ
ウェイドが一目惚れするアリソンは金持ちグループ“スクエアズ”のお嬢様で、まるで「ロミオとジュリエット」みたいなお話…と思いきや、監督がジョン・ウォーターズなのでそんな悲恋物語ではありません!
“ドレイプス”の超強烈で個性的な面々、アリソンの意外なはっちゃけぶり、そしてクライ・ベイビーの歌って踊る姿!確かにミュージカル、でも何だかどこか変なのです。
「アメリカン・グラフィティ」や「グリース」のような印象を受けつつも、オマージュなのかパロディなのか、出演者が全員ぶっ飛んでいる絶妙に奇妙なミュージカル作品となっています。
Cry-Baby (5/10) Movie CLIP – King Cry-Baby (1990) HD by youtube
②シザーハンズ(1990)
記念すべきティム・バートン監督作への初主演作品!バートン流ファンタジーの傑作
「クライ・ベイビー」と同年に公開され大ヒットしたファンタジー映画で、これがジョニー・デップにとって初めてのティム・バートン作品の主演作となりました。
この映画で共演したウィノナ・ライダーとの交際が始まったのもこの頃で、ティム・バートン監督との信頼関係が築かれたのもこの作品からでした。
シザーハンズ <特別編> (Edward Scissorhands) by youtube
【シザーハンズを知るためのキーワード】
〈1〉エドワード・シザーハンズ
人造人間で手がハサミ、ボサボサ頭で白い顏という普通ではない境遇・容姿をしたエドワードは、生みの親である科学者が亡くなってから、ずっと城で孤独に住んでいました。
それゆえ純真無垢な心を持ち、自分のハサミで切った顔の傷が痛々しく、おどおどした振る舞いが印象的なキャラクターです。善にも悪にも染まれる、特異な性格を持っています。
エドワードはバートン監督自身の投影とも言われていて、この作品から信頼関係を築いていったジョニー・デップ自身も、このキャラクターには一際思い入れが強いようです。
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〈2〉ウィノナ=キムとの恋
ジョニー・デップにとって、この作品で初共演となり、実生活でも恋人同士になったウィノナ・ライダー。
作品の中でキムとの悲恋が語られ、また現実にも破局を迎えてしまった二人の恋は、なんだかこの映画を見る度に重なって、余計にラストに降り続く雪が物悲しく感じます。
エドワードが降らせる雪の中で舞うキムが、幻想的で刹那的でとても美しく思えるのです。
Edward Scissorhands (3/5) Movie CLIP – Edward Makes Snow (1990) HD by youtube
③スリーピー・ホロウ(1999)
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ティム・バートン監督との三度目のタッグ!アメリカン・ゴシック・ホラーの名作
「シザーハンズ」「エド・ウッド」に続く、ティム・バートン作品三度目の主演となったホラー映画で、アメリカ北部に伝わる伝説「スリーピー・ホロウ」に登場するイカボット・クレーンをジョニー・デップが演じています。
まだあどけない顔立ちのクリスティーナ・リッチがヒロインのカトリーナを、伝説の「首なし騎士」をクリストファー・ウォーケンが強烈なヴィジュアルで演じています。
【スリーピー・ホロウを知るためのキーワード】
〈1〉イカボット・クレーン
ニューヨーク市警のハイテク捜査官で、オカルト現象など全く信じないというキャラクターのイカボット・クレーンですが、変なメガネをかけて「ハイテク捜査」をする変人でもあり、実は相当なビビリです!
原作のイカボット・クレーンはコネティカット州出身の教師で、ヒョロ長い“ヤンキー”です。ヤンキー“Yankee”というのはいわゆる典型的アメリカ人といった意味です。
バートン監督が原作のキャラクターを翻案した“ハイテク捜査官のイカボット”は、ジョニー・デップのためにこんな風に作ったのだろうと思えるほどしっくりきています!
何度も血を浴びたり、ちょっとした音でびっくりしたり、ぶっ倒れたり…ジョニー=イカボットは頼りなくも可愛いキャラクターになっています。
〈2〉スリーピー・ホロウの伝説
この映画の原作「スリーピー・ホロウの伝説」は、19世紀前半のアメリカで活躍した作家ワシントン・アーヴィングの代表作「スケッチ・ブック」の中の短編です。
アメリカ北部に伝わる「首なし騎士の伝説」を元に書かれた作品で、この原作では首なし騎士はアメリカ開拓時に渡ってきたドイツ人騎士となっていますが、翻案された映画の中では、アメリカ独立戦争のためにイングランドに雇われて渡ってきたドイツ人傭兵ヘシアンというキャラクターに設定されています。
クリストファー・ウォーケンが演じたこのキャラクターの恐ろしさは、バートン作品の中でも群を抜いています!
伝説でも小説でも映画でも、イカボット・クレーンはこの騎士に追われて恐ろしい目に遭うのです。
Sleepy Hollow- Johnny Depp’s faints and funny scenes by youtube
④パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(2003)
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キャプテン・ジャック・スパロウ登場!ゴア・ヴァービンスキー監督との初タッグ作品
今や世界中にファンを持つ、ジェリー・ブラッカイマー製作の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの第1作目で、ディズニーパークのアトラクション「カリブの海賊」をモチーフとした海賊冒険譚です。
その後4作に至るまでにジョニー・デップが作り上げた「ジャック・スパロウ」というキャラクターは、“海賊“のイメージのスタンダードになりました。
Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl Official Trailer 1 (2003) HD by youtube
【パイレーツ・オブ・カリビアンを知るためのキーワード】
〈1〉キャプテン・ジャック・スパロウ
ほら吹きで酔っぱらいのような立ち振る舞い、三角帽がトレードマークのキャプテン・ジャック・スパロウは「ブラックパール号」の船長です。
名前に必ず“キャプテン”と付けろと言うほど、ブラックパール号の船長であることにプライドとこだわりを持ったキャラクターとして描かれています。
実際「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの第1作目である「呪われた海賊たち」では、ジャックの頭の中を占めているのはほとんど「ブラックパール号の船長」に返り咲くことです!そしてもう一つ彼にとって重要なことが、裏切り者「バルボッサ」への復讐です。ジャックVSバルボッサはシリーズ中のテーマとも言えます。
この作品では主人公はウィル・ターナーと総督令嬢エリザベスなのに、第1作目から完全に主役を食う勢いで、第4作目「生命の泉」からは完全に主役に収まってしまいました!
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〈2〉現代のロックスター
実在の海賊の文献を資料として、またローリング・ストーンズのキース・リチャーズを演技のモデルとして取り入れたと言われるジャック・スパロウのキャラクターですが、ジョニー・デップはさらに「自分の掟」に忠実な海賊たちを、「現代のロックスター」のようだと語っています。
「自分の美意識」に忠実なロックスターに憧れを抱いているジョニー・デップらしい発言で、それがジャック・スパロウのキャラクター作りに影響しているのが面白いですね!
しかしただカッコいいというわけでないジャック。第1作の初登場シーンからも、そのコミカルな様子がうかがえます。
Captain Jack Sparrow’s intro by youtube
⑤チャーリーとチョコレート工場(2005)
ウォンカのチョコレート工場の秘密とは?歌もシュールなブラック・コメディ!
再びティム・バートンとのコンビで生み出した新キャラクター“ウィリー・ウォンカ”が登場する「チャーリーとチョコレート工場」は、バートン監督の真骨頂であるシニカルな笑いが特徴のファンタジー・コメディ作品です。
原作はロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」で、映画化は二度目、2013年にはイギリスのウエスト・エンドでミュージカル化され、2016~2017年にはアメリカのブロードウェイでの上演も予定されています。
Charlie and the Chocolate Factory (2005) Official Trailer #1 – Johnny Depp Movie HD by youtube
【チャーリーとチョコレート工場を知るためのキーワード】
〈1〉ウィリー・ウォンカ
山高帽におかっぱ頭、つるつるお肌の白い顏、そして人には興味が全くなく、特に子どもは苦手…と「チョコレート工場」の主人ウィリー・ウォンカは見た目も性格もかなり特徴的です!
子どもが大変な目に遭っていても素知らぬ顔、むしろシニカルな笑いを浮かべているほどですが、実は自分の方が子供っぽく変人だと…気付いているのかいないのか?
とにかくこれまでのジョニー・デップが演じてきたキャラクターの中でも一番の皮肉屋で変わり者なことには間違いありません!
しかし反面、家族との良い思い出がなく寂しく孤独な人物。それが主人公のチャーリーと出会うことで少しずつ変わっていきます。
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〈2〉ウォンカ・チョコレートとウンパ・ルンパ
ウォンカが工場で作るチョコレートは川になっていたり沼になっていたり、本当にこれが全部チョコレートなら子どもにとって夢の工場!
しかしウォンカのゴールデンチケットを当てて招待された子どもたちはチャーリー以外みんなシビアな現代っ子です。
子どもっぽくない子どもと子どもっぽい大人の対決が見物のこの作品、もう一つの見どころは工場で働くウンパ・ルンパたちです。
自業自得ゆえに大変なことになる子どもたちを皮肉った、彼らの歌と踊り、そしてノリノリのウォンカがとても印象的です!
チャーリーとチョコレート工場メドレー高音質 by youtube
⑥スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007)
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ジョニー・デップの生歌が聴ける初主演作以来のミュージカル作品!狂気の復讐劇
ティム・バートン監督とのコンビ5作目で、ミュージカル「スウィーニー・トッド」を映画化した作品です。復讐に燃える理髪師スウィーニー・トッドをジョニー・デップが、その復讐の相手ターピン判事をアラン・リックマンが演じています。
キャストはほとんどミュージカル初挑戦!ロックバンドのギタリストとしてキャリアをスタートさせたジョニー・デップの歌声はロック歌手さながらの迫力です。
Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street – Trailer by youtube
【スウィーニー・トッドを知るためのキーワード】
〈1〉ベンジャミン・バーカー
ベンジャミン・バーカーはロンドンのフリート街の理髪師で、家族と幸せに暮らしていましたが、悪徳判事ターピンの策略で無実の罪により投獄されてしまいます。
15年後脱獄し、フリート街に戻った彼には何も残されていませんでした…そして復讐を誓い、「スウィーニー・トッド」と名乗り、同じ場所で再び理髪店を営み始めます。
長年の獄中暮らしのせいか、顔色の悪い、髪の毛が一部白髪になった容姿で現れ、復讐に燃える目もギラギラしています。泣きはらしたような眼の下の赤みが特徴的!
ジョニー・デップはこの迫真の演技と歌を評価され、ゴールデングローブ賞主演男優賞を初受賞しています。
〈2〉R15+指定のミュージカル
ミュージカル作品としては異例の、世界各国での年齢制限・レーティングが行われました!日本ではR15+の指定で劇場公開されました。
その理由はトッドが行う残虐な復讐の様子が、あまりにも凄まじいからです…特に刃物による殺傷、焼殺、カニバリズムといった衝撃的なシーンには震え上がります。
トッドの共犯となるパイ屋の女主人ミセス・ラベットを、ジョニー・デップとの共演回数の多いヘレナ・ボナム=カーターが演じ、その歌声を披露しています。
トッドが復讐を誓う場面は、ジョニー・デップの迫力ある歌声を存分に聴けるシーン。作品全部を観る自信がない方はこちらのシーンだけでもどうぞ♪
Sweeney Todd (4/8) Movie CLIP – Epiphany (2007) HD by youtube
⑦アリス・イン・ワンダーランド(2010)
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狂った帽子屋マッドハッター登場!19歳のアリスを描く「不思議の国のアリス」後日譚
ティム・バートン×ジョニー・デップの7作目となるファンタジー作品で、ルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」「鏡の国のアリス」を原作とし、バートン流に翻案した冒険譚です。
2016年7月には次作「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」が公開される予定です。この作品でもジョニー・デップはマッドハッターを演じ、大人に成長したアリスと時間の冒険の旅に巻き込まれていきます。
Alice in Wonderland – New Official Full Trailer (HQ) by youtube
【アリス・イン・ワンダーランドを知るためのキーワード】
〈1〉マッドハッター
アリスが迷い込んだ「不思議の国」で、物語の狂言回し的な存在で登場する“マッドハッター”ですが、ルイス・キャロル原作の「不思議の国のアリス」では“The Hatter(帽子屋)”として登場します。
19世紀イギリスでよく知られた「帽子屋のように気が狂っている」という成句から造られたキャラクターで、物語の中では三月ウサギ・眠りネズミと一緒に開いている「狂ったお茶会」でアリスと遭うことになります。
ジョニー・デップがこの作品のために作り上げたキャラクターは、真っ白な顏に真っ赤な髪、そして狂ったような緑目と白まつ毛のこれ以上ないほどインパクトのある容姿でした。
〈2〉タラント・ハイトップ
物語の中では登場してからというもの、奇妙なことを言ったり答えのないなぞなぞを出して、アリスをイライラさせたりしますが、後半ではアリスを助けることになります。
この翻案映画でのマッドハッターの本名は「タラント・ハイトップ」といい、「不思議の国」を支配する「赤の女王」に滅ぼされた帽子職人の末裔で、赤の女王に対するレジスタンスの一員でもあります。
次回作「アリス・イン・ワンダ―ランド/時間の旅」では、悲しい過去に囚われてしまい、彼を助けるためにアリスは時間を溯り「時間の番人」と戦うことになります。
ALICE IN WONDERLAND 2: Through the Looking Glass Trailer (2016) by youtube
⑧ランゴ(2011)
ゴア・ヴァービンスキー監督のフルCGアニメ!カメレオン俳優が本物のカメレオンに?
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでジョニー・デップとコンビを組んできたゴア・ヴァービンスキー監督が、初のフルCGアニメに挑戦した作品で、“カメレオン俳優”と言われてきたジョニー・デップが本当にカメレオンの役を声で演じました!
動物たちだけのウエスタンな町「ダートタウン」を舞台に繰り広げられる西部劇アクション映画です。
【ランゴを知るためのキーワード】
〈1〉ヒーローになりたいカメレオン“ランゴ”
“ランゴ”は元々は人間に飼われていたカメレオンで、砂漠の街を移動中に車から水槽ごと落ちてしまい、焼け付く土地に一人取り残されてしまいます。
彼は人間に飼われていた時から「ヒーローになること」を夢見ていたカメレオンで、砂漠を命からがら抜け出し、たどり着いた西部の街「ダートタウン」でなりゆきで“ランゴ”と名乗り、ありもしない武勇伝を聞かせ、保安官に任命されてしまいます。
本当は気弱で腕っぷしが強いわけでもなく、銃も撃ったことのないランゴですが、持ち前の演技力で危機を切り抜けていきます!
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〈2〉モーション・キャプチャー
この3DCG作品では「モーション・キャプチャー」という方法が取り入れられていて、声を当てる俳優の動きがアニメーションのキャラクターの動きに反映されるという画期的なものです!
この方法で作られた「ランゴ」は、ジョニー・デップの動きの演技まで忠実に再現されています。
“カメレオン俳優”と呼ばれてきた彼が、まさか本物のカメレオンを演じることになるとは驚きです!
Johnny Depp Acting In Rango: A Behind the Scenes Look by youtube
⑨ローン・レンジャー(2013)
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悪霊ハンター・トント登場!「パイレーツ・オブ・カリビアン」スタッフ製作の西部劇
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマー製作、ゴア・ヴァービンスキー監督によるアクション作品です。
1933年に放送されたラジオドラマ西部劇「ローン・レンジャー」が原作で、ジョニー・デップは主人公のローン・レンジャーの相棒トントを演じています。
【ローン・レンジャーを知るためのキーワード】
〈1〉悪霊ハンター“トント”
トントというキャラクターはいわゆる“インディアン”で、ネイティブ・アメリカンなのですが、原作が1930年代アメリカのラジオドラマであり、当時はまだインディアンという呼称で設定されていました。
ネイティブ・アメリカンの血を引いているとされているジョニー・デップがこのステレオタイプなトントというキャラクターを演じたこと自体が不思議ではありますが、この役柄が現代風に翻案されることに意義があると思ったのかもしれません。
弁護士だった主人公ジョンが銃撃戦に巻き込まれ死にかけているところを、このトントに助けられます。
トントは悪霊ハンターで、死の淵からジョンを蘇らせ、ローン・レンジャーとして「正義」を行うことを勧めるのです。
それにしても相変わらずインパクト強めの白塗り顏のキャラクターで、頭に鳥まで乗っているところがまたすごいです!
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〈2〉ラスト30分の機関車アクション
この作品は前半の間延びした内容もさることながら、興行的にも芳しくなく、駄作に送られる「ゴールデンラズベリー賞」まで受賞してしまい、ジョニー・デップの作品の中では「失敗作」とまで言われていますが、クライマックスの機関車アクションだけは観て損はないと思います!
アドベンチャーものの「パイレーツ・オブ・カリビアン」でさえ、剣術があまり得意でないジャック・スパロウを演じているジョニー・デップにはあまりアクション俳優というイメージはありませんが、この作品ではアクションを意識して取り入れているようです。
ローン・レンジャー 本編プレビュー映像 by youtube
おわりに:仮装の達人ジョニー・デップ
初主演作から最近の作品まで通して観てみると、やはりジョニー・デップという俳優は“カメレオン”のようだなと実感します。
特に、衣装やそのキャラクターの雰囲気、振る舞いなどまでを徹底的に作り込んで作品に臨む姿勢が素晴らしいです!形から入るのも、そのキャラクターを演じるのに重要な要素のようです。
自らを仮装して、全く別の人格になりきる点では他に及ぶものがないように思えます。
ただ少し“白い顏”キャラクターが多いような気がするので、今度は今まで見たこともないようなキャラクターを作ってくれることを期待したいですね!