イギリス英語の勉強におすすめの海外ドラマを5つご紹介します。日本に居てもイギリスの作品を積極的に英語学習に取り入れることで、イギリス英語特有の格式高いRP(容認発音)が自然と身に付きます。ドラマをただぼーっと観ているのではタメになりませんから、勉強に役立つ学習ポイントと共に各作品の特徴をチェックしていきましょう。
海外ドラマで英語を勉強する際のポイント
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日本ではアメリカ英語が浸透していますが、格式高いイギリス英語を学びたいと思う人が多いようで、アメリカでもイギリス英語に憧れる人が沢山います。面白いのはイギリスの隣国フランスですらアメリカ英語を話す人が多いことで、それはやはりハリウッド映画やアメリカのドラマを観て英語を上達させた人が多いことが関わっているでしょう。特にイギリス英語特有のポッシュ(上流階級)性にはRPと呼ばれる発音様式が関わっており、それを学ぶにはやはりイギリスの作品を選ぶ必要があります。
海外ドラマで英語を学ぶ際の心得としては、発音をメインに学ぶということです。手順はまずは日本語字幕で内容を理解する必要があり、その後字幕も英語にして発音を細かくチェックしていきましょう。リスニングの強化をしながら反復練習によるスピーキングで上達を目指すのがよいのではないでしょうか。その際に聞きなれない単語やフレーズがあれば習得が可能です。また、個々のレベルに合った作品選びをしましょう。
この勉強法は単語や文法はある程度身に付いていないとついていけませんし、字幕なしでも内容はある程度理解できることが前提ですので、最低でもTOEIC450点〜600点が目安でしょうか。自主学習も必要ですし聞き流しているだけで英語をマスターすることは不可能と言えます。
ダウントン・アビー
ダウントン・アビーは日本にイギリス英語ブームをもたらした作品と言えるでしょう。ただ、ダウントン・アビーで使われているクイーンズ・イングリッシュは、現代のイギリス社会で一般的に使われている英語ではなく、女王や一部の上流階級の人が使うものです。実際に、日本でダウントン・アビーから英語を学ぶレッスンが流行っているとデイリー・メール誌が報じた記事には「実用的ではないのに」や「ポッシュな英語を話す必要があるのか」などの批判的なコメントが多く寄せられていました。現国民の3パーセント程にしか使われていないので無理もありません。とはいえ、イギリス英語の格式の高さ「ポッシュ性」を学ぶのが目的ならこの作品はおすすめです。英語学習初心者は他のイギリス英語と聞き比べながら観るのがよいでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOM3y4P8TEM
ゲーム・オブ・スローンズ
ファンタジー作品は、ハリウッド映画でもなぜか多くのイギリス英語が使われます。ゲーム・オブ・スローンズもアメリカ発の作品なのですが、登場人物はイギリス出身の俳優が多く皆イギリス英語を話しています。ショーン・ビーンやマーク・アディのヨークシャー訛りが聞けますし、アメリカ人のピーター・ディンクレイジもイギリス英語を違和感なく話しています。キャラクターによって、階級の違いによるポッシュ性以外にも北部訛りや南部訛りなど出身地方の違いが多分に感じられる作品なので、中・上級者用の英語学習作品としても十分楽しめるでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=iGp_N3Ir7Do
ドクター・フー
ドクターフーは1963年から続いている世界最長のSFドラマです。主人公のドクターは現在12代目で、現ドクター役のピーター・カパルディはスコットランド出身なのですが、地のスコットランド英語を使っていることにはイギリスでも賛否両論のようです。とはいえ、彼の訛りはひどくない方なので馴染みがない人にとっても比較的聞きやすいのではないでしょうか。ドラマとして長い間放送されているシリーズなので、時代を感じることができる作品として意識的に初心者の英語学習に取り入れるのはよいことでしょう。英語にも時代による変化があるからです。シリーズ1からチェックしていきたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RYIu7Qlqh4M
魔術師マーリン
魔術師マーリンはストーリーが面白く、楽しみながら学ぶのにおすすめの作品です。コリン・モーガンは北アイルランド出身で地は強い訛りがあるようですが、主人公のマーリン役では美しいイギリス英語を話しています。ケイティ・マクグラスはアイルランド英語のままです。アイルランド英語は世界の女性を対象にした市場調査により世界でもっともセクシーなアクセントとして、スコットランド英語やフランス語を抑えて1位になっています。イギリスのドラマにはアイルランド英語やスコットランド英語もミックスされている作品が多いので、イギリス英語との違いを楽しむのもよいでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=01rxgwVmxx0
SHERLOCK(シャーロック)
シャーロックはスコットランド出身のアーサー・コナン・ドイルによる推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズの実写版です。今回ご紹介した中で初心者に一番おすすめできる作品で、全体的にBBCイングリッシュ(スタンダード)と呼ばれる標準的なイギリス英語が使われています。標準の定義はさまざまでキャラクターにより違いがありますが、シャーロック役のベネディクト・カンバーバッチはパブリックスクール出身ということもあり地で話してもポッシュ性があり名探偵役のシャーロックでもそのままです。マーティン・フリーマンが演じる相棒役のジョン・ワトソンにポッシュ性はありませんが地方性も感じられません。日本語も同じですが地方性のない東京弁や敬語が標準的と言われるのはイギリスも同じです。もちろん江戸言葉やロンドンアクセントは例外ですが、こうしたことからもジョンの英語は標準的なイギリス英語と言えるでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Nj7ZSUkTTVI
さいごに
英語のポッシュ性については階級社会のイギリス特有のものですが、BBCの上にRPの要素が加わりポッシュ性を持ったり他にもオックスブリッジ・アクセントやクイーンズ・イングリッシュなどもあります。一般の英語学習初心者はポッシュ性をあまり意識せず、まずはBBCイングリッシュで地方性のない標準的かつ美しいイギリス英語に耳をならしていくのが実用的でしょう。また、ドラマもよいですがBBCのラジオ放送は日本からでもインターネットで聞くことができますのでリスニング強化におすすめですので合わせて活用しましょう。