ミステリー好きなら是非とも読んで欲しい、推理小説の名作・傑作を10選でご紹介します。どれも読み始めたら犯人が分かるまでやめられないおすすめの作品ばかり。謎解きの面白さは読んでみてこそ!あちらこちらに散りばめられた伏線をもとに、あなた自身で犯人にたどり着いて下さいね。あまりトリックや鍵が分からないようなあらすじにしていますが、全く先入観なしに読みたい方はタイトルだけ参考にして下さい☆
目次
1:十角館の殺人 綾辻行人/著
あらすじ
四重殺人に巻き込まれて焼死した中村青司。彼が建てた十角館がある角島に、大学のミステリ研究会メンバー7人が向かいます。そこで起きる連続殺人。そして本土の元ミステリ研究会江南のもとには、死んだはずの中村青司からの手紙が届き、それについて調べ始めます。角島と本土の両方を舞台に進んでいく物語。さて、犯人は誰でしょうか!
☆ここがおすすめ☆
気持ちのいいくらい、すっかり騙されてしまいます。
すべてが明らかになる一文。
それを読んだ瞬間、パーっと謎が解かれていくんです。
これを読まずに本格推理物は語れないというほどの傑作です。
2:月光ゲーム 有栖川有栖/著
あらすじ
英都大学推理研究会の江上二郎、有栖川有栖ら4人は夏合宿で矢吹山のキャンプ場へ行きます。そこで他の2大学のメンバーとも知り合い楽しく過ごしていました。その時起こった突然の噴火。有栖川たちは、そこへ閉じ込められてしまいます。そしてあるものはいなくなり、あるものは殺されていくのでした。閉鎖空間におけるトリック、解けるでしょうか。
☆ここがおすすめ☆
まずは、江上さんが格好いい!
学生アリスシリーズの一作目です。
華やかさに欠ける作品ですが、しっかりとした構成で、きちんと読み解けば必ず犯人が分かるはず。
アリスの切ない恋も、漂う雰囲気も、若々しく青春小説のようです。
ぜひシリーズを読み進めていって欲しい作品です。
3:占星術殺人事件 島田荘司/著
あらすじ
1936年画家梅沢平吉とその親族が殺される事件が起こります。6人の女性の一部を切り取り、占星術によって完璧な女「アゾート」を作り出そうとしていた平吉。彼が殺された後にその通りの殺人が発生するのですが、結局事件は迷宮入りで終わってしまいます。それから43年の時を経て、ある人物が占星術師御手洗潔と友人の石岡にこの調査依頼。そして御手洗の推理が始まるのです。
☆ここがおすすめ☆
ここで登場するメインのトリックは、トリック自体が有名になりすぎてしまっているので、知っている方も多いかもしれません。
でも、この本の面白さはそれだけではないですよ。
他にも細かいトリックでミスリードを誘われたり、動機がなかなか分からなかったり、最後まで一気に読まざるを得ません。
必読の一冊です。
4:りら荘事件 鮎川哲也/著
あらすじ
りら荘に集まって夏期休暇を過ごしていた芸術大学の学生たち。そこへ刑事がある殺人事件の知らせをもってきます。スペードのAが置かれていた死体。学生たちには関係ないと思われましたが、その殺人はりら荘を襲います。トランプの数字が増える度に増えていく死体。警察も捜査に行き詰まってしまった時、探偵・星影龍三が登場し…。
☆ここがおすすめ☆
これぞTHE本格推理!との呼び声も高い作品です。
どんどん人が死んでいくということは、どんどん容疑者が少なくなるはずなのに、犯人が分からない…。
必ず鍵は隠されています。
純粋に謎解きを楽しめる作品で、何度読んでもまた新たな発見があり、面白いです。
5:獄門島 横溝正史/著
あらすじ
獄門島に向かった金田一耕助。彼は死んだ戦友の鬼頭千万太に頼まれて、その三人の妹たちを守るために島へ行ったのです。その遺言とは、自分がいなくなれは妹たちが殺されるというものでした。金田一が出会った、美しいけれども、尋常ならざる妹たち。結局守ることはできず、俳句に見立てた殺人が起こってしまいます。さて、犯人は誰でしょうか!
☆ここがおすすめ☆
1971年発行の小説です。
しかし、全く色褪せません。
現代では実現不可能なことや、古めかしいものは多々あるものの、それこそが逆に新鮮。
これぞ日本を代表するミステリーと言う人が多いのもうなずけます。
6:そして扉が閉ざされた 岡嶋二人/著
あらすじ
三ヶ月前に車で崖から落ちて死亡した咲子。その死に不審なものを感じた彼女の母親によって、男女4人がシェルターに閉じ込められます。どうすればここから出られるのか、本当に咲子は事故死だったのか。4人のアリバイは崩されるのか。すべてがシェルターの中で解明されていきます。シェルターから無事脱出することができるでしょうか。
☆ここがおすすめ☆
登場人物の性格もとても良いとはいえず、トリックも驚くほどのものではないのですが、面白いんです。
それはやはり核シェルターが舞台だということ。
緊張感に溢れ、ドキドキハラハラしながら読み進めてしまいます。
きちんとまとまった構成で、王道のミステリーを堪能できます。
7:人形はなぜ殺される 高木彬光/著
あらすじ
新作魔術の発表会で、ギロチンに使うはずだった人形の首が紛失してしまいます。その首は、断首された死体の横に転がっていました。その後も殺人は続きます。まず先に人形が殺されてから、次に本当に人が殺されていく。なぜ人形が殺されなければならなかったのでしょうか。その謎に、探偵・神津恭介が挑みます。犯人にたどり着くことはできるでしょうか…。
☆ここがおすすめ☆
なぜ人形が殺されるのか、そこにすべての疑問の回答があります。
アリバイトリックは完璧で、美しい!
神津恭介の鮮やかな解決!とはいえない人間くささがまた魅力的に感じます。
8:火車 宮部みゆき/著
あらすじ
休職中の刑事、本間は知り合いから一人の美しい女性の捜索を頼まれます。その女性、関根彰子はクレジットカードを作ろうとしたときに自己破産歴があることが判明したとたん、婚約者の前から姿を消してしまったのです。本間は女性を探し始めますが、婚約者の彰子と自己破産した彰子はなぜか容貌も性格も一致しません。関根彰子とは誰なのか、犯行が行われていたとすればその手段はどのようなものなのか、本間は追い続けます。
☆ここがおすすめ☆
自己破産に陥るほどお金を使いこんでしまう怖さがとてもリアルに描かれます。
自分の身の丈に合わないものの購入、夢のための出費、さまざまな理由から落ちていく人々…。
お金やクレジットカードに関してきちんとした知識をもつことが必要だと考えさせられます。
もちろん推理小説としても、素晴らしい!
余韻を残して、読者に想像をかきたてる終わり方も最高です。
9:三毛猫ホームズの推理 赤川次郎/著
あらすじ
売春をしていた羽衣女子大学の女性が殺される事件が起こります。血の苦手な刑事片山は、文学部長の森崎の依頼により、売春グループの方を調べることとなります。しかし森崎も殺され、さらに他の女子学生も殺される連続殺人へと発展。森崎の飼っていた三毛猫ホームズと共に捜査を行う片山ですが…。
☆ここがおすすめ☆
三毛猫ホームズシリーズ1作目です。
ホームズのしぐさや行動が可愛く、凄惨な事件の中にほんのひとときの癒しを与えてくれます。
読みやすく最後までアッという間に読了。
そして驚かせてくれるトリックと犯人に脱帽です。
10:葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午/著
あらすじ
成瀬将虎は、ある日電車に飛び込もうとしていた麻宮さくらという女性を助けます。そして親しくなるうちに恋愛へと発展…。一方将虎は悪徳商法業者、蓬莱倶楽部についても調査を始めます。久高隆一郎というひき逃げにあった男性が、蓬莱倶楽部に騙されていたのではないかということを調べて欲しいと依頼があったからです。そして二つの出来事は交差し始め…。
☆ここがおすすめ☆
最後のどんでん返しが、かなり有名な本です。
今まで読んできた情報を、すべて覆されてしまうのです。
すべてを知ってからまた読み直してみるのも面白いでしょう。
2003年に発行され、このミステリーがすごい1位など2004年のあらゆる賞を総なめにした1冊。
完全に騙されるのが気持ちいい!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、本格推理小説を中心に、おすすめの名作・傑作を10作品集めてみました。
どれも本当に面白い作品ばかりなので、興味をもった作品は、是非手にとって読んでみはいかがでしょうか?
謎解きを楽しむもよし、単純に物語を楽しむもよし。
じっくり本に向き合うのもステキな休日になると思いますよ♪