見たいと思っていた映画を最近たくさん見ました。その中にはどう感動したらよいのか全くわからない、しかしある意味面白い映画がありまして、今回は皆様にも同じモヤモヤな気持ちをぜひ味わって頂きたかったのでご紹介してしまいます!
グロテスク
あらすじ
恋人として付き合う直前の男女が突然何者かに誘拐、拘束される。一人の男に延々と拷問される二人だが、男は彼の方に「彼女のために死ねるか?」 と聞く。彼がうなずくと更にひどい拷問が待っていた。
2009年、白石晃士監督作品。
キャスト:長澤つぐみ、川連廣明、大迫茂生
ある意味おすすめ映画です。こういう映画もあるんだなっ、と思っていただければ……。ただ言っておきたいことは、ひどい映画です。内容はもう殆ど拷問のみですから。
残酷でその上アダルトビデオかと思う場面もありますので、良い子に見せてはいけません。
タイトルを知ってずっと見たかった映画なのですが、いやはやいやはや、こういう映画とは思いませんでした。
乳首チョン!タマタマザクッ、腕ザクッ、息子さんチョン!恐怖の腸結びっ!とかまだまだありますね。
救いは73分という時間の短さでしょうか。
ただ、その拷問の方法はかつてなかった斬新さです。そしてラストでちょっとだけ映画らしい内容が盛り込まれます。拉致監禁されてひどい目にあわされていた女の子が最後に犯人の弱点を突きます。でもそれによって女の子はもっとひどい目にあうわけですが、その時ばかりはちょっと女の子のことを殴りたくなる気持ちもわかりました。
謎の男役の大迫茂生は舞台や映画で活躍している人ですが、いい演技してます!ナチュラルなサイコ演技。最初から最後までずっと頭の片隅に「笑い飯の哲夫」が思い浮かんではいましたが、良い役者さんです。
主演の長澤つぐみは元AV女優でしたが卒業して、タレントと女優業をこなしています。東京残酷警察のワニ女だったんですねー!気付かなかった。
最悪な映画かもしれませんが、見てちょっとしてから思い起こすと、この映画見て良かったかもと思ってしまったわたくしがいます。
ヘルタースケルター
あらすじ
芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこ。しかし、りりこには誰にも言えない秘密があった。
彼女は全身整形。「目ん玉と爪と髪と耳とアソコ」以外は全部つくりもの。
整形手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始め、美容クリニックの隠された犯罪を追う者たちの影がちらつく。
さらには、結婚を狙っていた御曹司が別の女と婚約。
生まれついての美しさでりりこの座を脅かす後輩モデル・吉川こずえの登場。
究極の美の崩壊と、頂点から転落する恐怖に追い詰められ、現実と悪夢の狭間をさまようりりこ。
疾走の果てに、世の中を騒然とさせる事件へと繋がっていく・・・。
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2012年、蜷川実花監督作品。
キャスト:沢尻エリカ、大森南朋、寺島しのぶ他
惜しげもなく美しい体を見せ付けてくれる沢尻エリカ。ご本人に言ったら怒られるかもしれませんが、この映画は彼女の気持ちの代弁をしているようにも感じました。でも大部分の人がそう見えたのではないでしょうか。
ファンに対して「会ったことない人をどう愛せばいいっていうの?」という言葉や「もうやめたい!あたしじゃなくたっていいんでしょ?!」 と号泣するところは、彼女の叫びではないかと思えるほどリアリティがありました。
りりこは妹に、お姉ちゃんは強いから、と言われますが強くならざるを得ない世界に入ってしまったんですよね。内側は、本当は壊れそうなのに。
女子高生が街中で話す声や笑い声がものすごくうるさくやかましく聞こえましたが、りりこには世間の声がこういう風に聞こえる、という演出なのかも。
りりこのマネージャーの羽田ちゃんが、最後の辺でニッコニコしながらポストに書類を入れるところは本当にムカつきました。りりこにずっと虐げられていたからしょうがないかもしれませんが、おとなしい感じの人こそ腹に一物持っているんですよね。あの顔を思い出すだけでイライラします。
周りの人間も信用できないのばかりですが、唯一最初から最後まで変わらないでいたのはメイクのキンちゃんでした。いいですね、キンちゃん。今注目されている新井浩文が演じています。
検事の麻田役の大森南朋は好きですが、この役では哲学的なセリフをずらずらっと並べることが多く、見ていてちょっと恥ずかしかったです。
監督は蜷川実花ですが、彼女の今までの写真や映画に比べて、艶やかでお洒落な画像は変わりませんが、毒々しい色使いは少し抑えられていました。
オルガン
あらすじ
臓器売買組織を追う刑事・沼田は、青年が生きながら解剖される光景を目撃する。一方その頃、女子高の生物教師・佐伯は、女生徒の身体を切り刻んでいた。2つの事件の背後に動く女の正体は…。
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1996年、不二稿京監督作品。
キャスト:長谷川公彦、奈佐健臣、不二稿京他
塚本晋也監督の「鉄男」にも藤原京として出演していた彼女は、現在は不二稿京として監督業もやっているようです。
が、この映画アングラ感が半端ありません。いきなりクライマックスから始まるのですが、いきなりなので誰がどうなっているのか全くわからない混沌とした状態。
話がシンクロしていき、徐々に入り組んでいくし、なんとなく皆似ているので途中誰が誰だかわからなくなってしまいました。
ラストでは、沼田が一生懸命探していた人から言われた言葉が「なせだ。俺がなぜこんな……。なんでお前じゃない!」 でした。沼田はそれを聞いて茫然となっていましたが、この一言で見ているわたくしも茫然となってしまった。まぁ、あんな状態になってしまったらそう言ってしまうかとも思うけれど。
古い感じの映像がグロさと残酷さを助長させています。
高橋克実がチョイ役で出ていますが、気付きませんでした。わたくし、チョイ役をよく見逃します。
そして広田レオナの使い方が雑。でもあまり必要のない役でもあのキャラは存在感ありました。
オールナイトロング
あらすじ
少年の心の奥底に眠る残虐性を描いたバイオレンス映画。通り魔殺人を目撃したことによって知り合ったシンジ、ケンスケ、テツヤ。ある日、ケンジの彼女がレイプされる。
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1992年、松村克弥監督作品。
キャスト:角田英介、鈴木亮介、家富ヨウジ他
自主映画っぽい作りです。
監督が駄々をこねて映倫の審査を成人指定からR指定(15歳未満見るの禁止)にしたそうです。
そこまでひどいかな、と思いましたが未成年の飲酒や喫煙シーンがありますし、今では映画にその場面を取り入れる自体が考えられませんからね。
いきがりたい、モテたい、大人になりたい、そういう時期の男の子達ですが、金持ちの息子が絡むことによって起こっちゃった事件ですよね。3人が出会わなければこんなことにはならなかったのに。
ラッシャー木村の演技に驚き、まだ若き田口トモロヲの演技にもちょっとだけ引き、テレビドラマで活躍中の田口浩正がひどい嫌なやつで出ています。
役者さんの演技を見るのも、ある意味面白い映画です。
映倫で揉めたくせに続編等も出ているようなので、ちょっと見てみたいです。
デッド寿司
あらすじ
天才的な寿司職人の娘として生まれるも、家を飛び出して温泉旅館で働くケイコ。そんな彼女は、究極の殺戮生物・デッド寿司の大群にカンフーで立ち向かうことになり…。
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2013年、井口昇監督作品。
キャスト:武田梨奈、 松崎しげる、須賀貴匡他
見たかった、見たかったんですよ!
井口ワールド全開。井口監督が好きな、ドジな女の子が頑張って戦う、そしていい気になっているイケメンが結果ひどい目に会うという定番の内容。
主役は瓦頭突きのCMでおなじみの武田梨奈。この役にとてもあっていてイイ感じです。得意の空手も思う存分披露していてアクション女優への第一歩を踏み出しています。彼女は映画「進撃の巨人」のリル役で出てるんですよね!そして松崎しげるも出てきて活躍します。黒いです。
井口監督は着物好きなのでしょうか、ロボゲイシャの時もそうでしたが今回は旅館で着物を着せています。
寿司がゾンビになるなんてシュールすぎます。いじめられっこの卵寿司の卵ちゃんが出てきたり、炙り寿司に逆に炙られて死んじゃうとか本当にくだらない。特撮も雑。でもつい楽しくなって見てしまいます。
寿司が歌うところは「トロル」、寿司の交尾は「ブレインデッド」、などのパロディなんじゃないかと思うところがところどころにありました。ホラー好きとしては嬉しい限りです。
旅館のおかみさん役の亜紗美がすごくイイ!彼女は元AV女優で、近年は井口監督の作品によく出ています。
キレッキレのセリフ回しと動作が素晴らしい。顔芸には爆笑しました。
津田寛治との「オエッ」「オエェーッ」と二人でえづきながらの卵キスシーンも見ていて気持ち悪くなるけれど笑えます。
マグロ男のスタイルがものすごく良くて格好良く見えたのですが、あれも山田役の島津健太郎なんですかね?それともスタントマン?
とにかくバカバカしいけれど爽快感100%の映画です。
親指さがし
あらすじ
12歳の少年少女6人は、廃屋となったホテルの屋上で“親指さがし”を始める。それは6人が円になって手をつなぎ、最後の呪文をとなえたら手を振り下ろす。するとそれぞれの意識は見知らぬ部屋にたどりつき、そこで親指を探すというゲームだ。「私が帰って来られなくなったらどうする?」と言う由美子に武は「僕が探すよ」と約束する。そして本当に由美子は悲鳴とともに消えた…。8年後、同窓会で再会した5人。武は行方不明の由美子のことが忘れられず、4人に「もう1度、親ゆびさがしをしてほしい」と頼む。ところがその日から、次々と仲間が死んでゆくのだった…。
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2006年、熊澤尚人監督作品。
キャスト:三宅健、伊藤歩、松山ケンイチ他
山田悠介の小説を映画化した作品。
松山ケンイチが初々しい。今よりも演技が上手な気がす、ガハッ、ゲホゲホ……。
三宅健が珍しい役で出ていますね。
都市伝説系のお話でホラーはホラーなのですが、どちらかと言うとサスペンス寄り。ちょっともの悲しい映画です。
シャッター
あらすじ
NYで結婚式を挙げたカメラマンのベンとジェーンのカップル。彼らは撮影の仕事とハネムーンを兼ねて日本を訪れた矢先、山道で1人の女性を轢いてしまった。慌てて車を降りるものの、その女性の姿はどこにも見当たらない。その日から、ベンは体調不良を訴え、撮った写真には白いモヤが映るように。さらに、幾度と無く彼らの目の前に現れる、轢いたはずの女性。彼女は何のために現れ、何を訴えようとしているのか。惨劇の幕が開けようとしていたー。
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2008年、落合正幸監督作品。
キャスト:ジョシュア・ジャクソン、レイチェル・テイラー、奥菜恵他
アメリカ映画になっていますが、監督が日本人ですし舞台も日本が関係あるということで邦画として扱わせていただきます。
奥菜恵主演で、彼女の評判がものすごく良かったのですが、わたくしにはこの映画では彼女の良さは残念ながら見えませんでした。どちらかと言うと、ジェーン役のレイチェル・テイラーの方が良かった気がします。
怖さはあまりありませんが、女性の怨念は強くて怖いと思い知らされます。
幸せ絶頂の時に、だんなの悪行を知ったとしたらどうしますか?
こんな男はああいう結末になって良いのです。ジェーンは早めにわかって見限って良かった。
フリーズ・ミー
あらすじ
かつて3人の男(鶴見辰吾、北村一輝、竹中直人)にレイプされた忌まわしい過去を持つヒロインちひろ(井上晴美)は、結婚を目前にして再び現れた彼らを、過去を清算するかのように殺しては、死体を冷蔵庫の中に隠し“フリーズ”していく…。
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2000年、
石井隆 監督作品。
キャスト:井上晴美、鶴見辰吾、北村一輝他
もっとやれーっ!という気持ちでした。あの下衆も下衆も下衆な犯人達をヤッた時にはスッとしました。でも結果また自分が苦しむ羽目になってしまうんですよね。
井上晴美が熱演しています。
下衆3人組も素晴らしい。殺されて当然と思えるくらいのカスを演じています。その中でも北村一輝の評判は格別です。
ちひろは、体格が良くて一見強そうに見えますが、中身は弱い女性です。ハッピーエンドとまではいかなくても開き直って壊れるくらいまで言って欲しかったです。
どうでした?
おすすめしてはいけない邦画は、いかがでしたか?
わたくしの大好きな映画と、面白くないわけではないけれどちょっと困った、ある意味見て頂きたい映画を紹介してみました。
これからも、あまり知られていないもっとディープな映画を探し続けたいと思います。